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東堂冴
2018年9月15日 02:40
翠ヶ崎に入学して、初めて他校という立場から櫻林の試合を見たとき、二年前までは毎日のように見ていた奴らの弓が、どこか知らない人間のもののように見えたことをよく覚えている。俺の知らない間に彼らが上達した、という当たり前の事実を差し引いてもだ。それは、離れたことによって客観的に見られるようになったからだとか、俺が翠ヶ崎のやつらに影響を受けてすこし感覚が変わったからだとか、いろいろ理由はあったのだろうし
2018年9月15日 02:38
潮が舞台の上で楽器が吹けなくなって、曲の頭のソロで音を止めて、そのまま動けなくなったあの日、先生や俺たちになにを言われても俯いて無言で首を振るしかできなかったあの日、胸のうちにあった感情がいまでも半分も言葉にならない。なんでだよ、説明しろよと思った。俺らが何日も何週間も苦労してきたことを、いままであんなに簡単そうにやっていたくせに。どうして今日に限って、と。そのあとに、ちょっとだけざまあみろと思