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東郷はみんなの『居場所』 帰山華澄さん vol.2

(前回の記事の続き)

その一方で、いつもではありませんが、年配の方と若手の間で壁があるようにも感じているのも事実です。生きてる時代が違うから、考え方に違いが生まれるのは自然なことだと思いますが、だからこそ、どっちの世代も、互いに歩み寄って耳を傾けられる環境ができるといいなと思います。

ただ、もちろん年配の方の中には、壁を取り払ってくださる素敵な方も沢山いて。以前『越美北線を考える会』に参加させてもらった時には、皆さん、私の発言に対して、まず否定から入らずに、しっかりと意見を聞いてくれて、むしろ後押ししてくれる。年齢関係なく素直に『いいね』とか『ここもっとこうした方がいいんじゃない?』とか、言い合える環境はやっぱりいいなと思いますね。

越美北線を考える会にて

(岩佐)
どっちが上、下とかではなく対等に話してくれる人がいるっていうのは良いですよね。
僕は今年から東郷のまちづくりに関わり始めて、人見知りな性格だから心配なところもありますけど、それでも東郷の方々は話しやすくてすごくありがたいです。
僕の目線からすると、帰山さんは人柄的な側面もあってか東郷の人たちにすごく慕われていて、正直少し羨ましくも感じます。

(帰山)
私も東郷に関わり始めてもう7~8年になりますけど、最近やっと前より打ち解けられるようになった気がします。
やっぱり世代の壁は自分の中でも大きくて、遠慮する気持ちはあったけど、それを吹っ切れたきっかけがあって。私より何個か年上のある女性の方が、目上の人にも上手にしゃべってて意見も言ってて、それを受け入れてくれる目上の人がいて、『あっ、良いんだ。』って。
自分だったらなかなかできないけど、ましてや東郷出身じゃないのに、上手にコミュニケーションをとってる姿を見てすごいなって思いました。

(岩佐)
帰山さんも最初はそうだったって知って、僕も安心しました。そういうきっかけがあったんですね。
東郷の先輩方の存在はやはりとてもありがたいです。

(帰山)
せせらぎコンサートにせよ、おつくね祭にせよ、万灯夜にせよ、若い人だけで運営するのは正直無理だったなっていうのは感じるところがあって、理由としては家族だったり仕事だったりすると思うんですけど、、。

私たちの世代はほとんどがサラリーマン。

私たちの親世代でまちづくりに関わっている人たちは東郷で自営業をしている方々が多くて、できる幅や知識が豊富で、そういうプロの集まりで成り立ってたから、今まででのようなまちづくりが出来ていたんだと思います。

サラリーマンとの両立となると正直(同じやり方でまちづくりするのは)難しくて、お願いありきでやらないといけないという意味では、私たちの親世代はすごいなと思います。
だからこそ、若い世代と親世代が上手にミックスされて、チームが出来上がるのが一番いいかなと思っています。

また、まちづくりに関わる人のなかで、温度差は少なからずあるけれど、それはしょうがないことで…。カフェ部なり、ドローン部なり、薪部なり、好きなことを通して、無理のない範囲でみんなが関われるまちづくりができたらいいなと思います。

(岩佐)
自分たちは自分たちのやり方で、ということですね。

僕も普段はサラリーマンで、東郷のまちづくりも関わっているとなると両立が大変だなと感じることもありますけど、逆に両方やってるからこそ気づいたこともあるなと思います。

例えば、民間企業に勤めてると会社の経営的な側面や数字については詳しくなりますけど、補助金申請のこととか全然今まで知らなくて、そういうところすごく勉強になったし、目上の人と対等に議論したりすることも会社では滅多にないので良い経験になっているなと感じます。

帰山さんは両方経験しているからこそ感じたことはありますか?

(帰山)
仕事柄かわかりませんが、次のカフェ部、どんな企画だとみんな参加してくれるかな?と考えることがよくあります。『考える』という意味では仕事もまちづくりも似てるなと思うことはあります。ただ、まちづくりは初心者でなので地域の方には寛容な心でいていただければ幸いです(笑)

まちづくりの参画について感じることは、男性が多いなって感じます。職場では男女の割合ほぼ変わらないのに、まちづくりへの参画は9割男性です。もちろん、イベントでテントを組み立てたり、会場設営をしたり、力仕事はどうしても男性に頼らないといけないことが多いですよね。でも、企画したり、話し合ったり…女性の目線や考えが入ることで出来るまちづくりも沢山あると思うんです。これから、1人でも多くの女性に楽しくまちづくりに関わってもらえる工夫を考えいけたらと思います。

一方、この前のカフェ部の宝石せっけん作りやおつくね祭のウォーターサバゲーを通して、自分は子どもと関わる機会が少ないなって感じて、それが結構新鮮でした。
そうやって新鮮だなって感じる人たちとの交流って貴重だし、そういう感覚を教えてくれる人たちと交流する機会を自分の中で増やしていくともっと知見が広がるんだろうなって思いました。

(岩佐)
あめつち部会は子供たちも参加来ますし、これからいろんな人たちに関われそうな部会でもあるので、とてもいい機会ですね。それに気づくきっかけができたこと自体も、とても貴重な経験だと思います。

ご自身の中で息抜きや趣味はありますか?

(帰山)
趣味というかは分からないですけど、ずっと書道は続けていて、始めたきっかけは家のすぐ近くに書道教室があって、そこに幼稚園か小1の頃からずっと通い続けていたことです。

(左)普段書いている作品の一部(右)書展の様子                      

あとは、上手ではないですけど花や果樹を育てています。
梅の種を撒いたらいつの間にか自分の身長を越えるくらいまで成長して…!
『あ、今日も成長してるな~』って見るのが楽しみです。

初挑戦したネモフィラ栽培

(岩佐)
それは日々の楽しみになりますね!植物は癒しですよね。
最後の質問になりますが、帰山さんにとってこれから東郷はどんな場所になってほしいですか。

(帰山)
さっきと同じですが、『共助』できる場所ですね。
人が繋がれる環境づくりをしたいです。

都会のサバサバした感じというか、『自分は自分、他人は他人』っていう一面も個人的には好きだけど、
この地域は隣の人がお互いに気遣う、温かみがあるところがすごくいいところだなって思うので、老若男女みんなが居心地がいい地域になればいいなって思います。
自分もそうですけど、みんなにとって、どこかに居場所があって欲しいです。自分の家に加えてそれ以外にも、ちょっとひと息休憩できる環境があると、気持ちが楽になるのかなと。

現在、公民館は改修中ですが、改修が終わってからは、公民館が誰でも気軽に来れる場所になるといいなって。公民館が一番地域の人が集まれる場所でもあるので。

(岩佐)
今の時代だからこそ、そういう『ほっとできる場所』というのは必要なのかもしれませんね。
ありがとうございました!

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