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FIREについて思う事

最近投資とお金について改めて勉強中なので、多くの人にとってなじみのあるテーマから取り上げてみようという事でFIREの話を書くことにした。

FIREとは「Financial Independence & Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉だ。

数年前からこの言葉が流行り出し、書店にはたくさんの資産形成に関する本が並び、インデックス投資やETF、高配当株などに対する人々の関心が深まるいい機会となった。しかしこの言葉が多くの人に認知されるようになってから賛成派と反対派どちらの考え方の人たちにも合うよう事がある。つい最近もそんなことがあったので自分なりの考えをとりあえずまとめておく。

FIREにはその言葉の通り二つの状態を同時に満たすことを意味している。まずこれらを一つずつ確認していく。

一つ目は「経済的自立」。これにはいろいろな考え方があると思うが、広い意味でとらえようとすると「生きていくために必要な経済的要件を満たしている状態」みたいな表現になる。そして二つ目が「早期リタイア」。こちらは単純に「労働をしない状態」という事だ。

このFIREに対する賛成派の意見は「嫌なことをせずに済むようになる」「自由な時間が手に入る」「早めに仕事を終えて後は遊んで暮らせる」など。一方、反対派の意見は「働かないのは良くない」「そんな生き方はつまらない」「結局FIREしたってまた働いているだろ」といった具合だ。双方の意見は正しく、私は基本的にこれらの内どの意見を言ってくる人に対しても共感を示す。#決して偽りはない

しかしながら、僕が「FIREのことをどう思っているか?」と聞かれた場合の真剣な回答はこのうちのどれでもない。いつも嘘をついているというわけではなくて、どの意見も正しいんだけど僕の考える論点はそもそもそこじゃない。僕にとって本来のFIREはレストランのメニューの内、人気No.1というシールが貼られている1つの選択肢に過ぎないからだ。僕がこの質問を受けた時の回答は「人気だね」というだけ。

FIREは実際に多くの人に知られていて、他の投資と比べて多くの人が実践している手法であることに間違いはない。ただ僕が懸念するのは、そのほかの選択肢や根本的なお金の知識をきちんと事前に得ているのかどうかという事だ。サイゼリヤではとんでもなくコスパの良いメニューが山ほどあるが、人気No.1のミラノ風ドリア以外味を知らないから食べないというのは損をしている気がしないだろうか?

FIREの目指し方には色々あるが、最もよく知られていてかつ実践されているのは投資信託や高配当株を少しづつ積み立てて、長い期間をかけて運用利益が生活費を上回るまで倹約を続けるというスタイルだろう。これに対して「つまらない」などの意見はごく自然だと思うが、それでも人生に楽しみを見つけているのであれば他人が口出しすることではない。そして、それを退屈に思ったのだとしても投資やお金について学ぶことを怠る理由にはしてはいけない。

実際に必要なことはFIREに賛成なのか反対なのかという事ではなく、自分が何にどうやって投資すべきなのかをあらゆる選択肢から選び抜くために勉強をすることだ。FIREに色々なメリットがあることは確かだが、万人にとって最適な解など存在しない。本質的がことをわからないまま人気だからという理由でその手段を選んでしまうと自分の価値観に合わない生き方を自分で作り上げてしまうかもしれない。特に投資信託を積み立てる場合の道のりはとてつもなく長い。投資の性質からしても長期戦になることはほぼ必然的で、だからこそ早いうちから色々な選択肢を知って試してみることが重要になる。

FIREは人気が高いが、あなたにはもっと好きな投資法や生き方があるかもしれない。知ってやるのと知らないでやるのだと大きく違うから是非簡単なところから勉強してみることをお勧めする。

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