飯、頼むから私を健康にしてください
1月後半に右上、2月頭に右下、2月の中旬〜後半にかけて中央、左上。
要するに、左下にできれば全制覇できるというあと一歩のところ。
今は左上に赤黒い血塊をつけながらこうやって振り返っているわけなのだが、何が悪かったかと言われると具体的にこれというのはない。強いて言えば全てが漠然と悪かった。長く辛く痛い2ヶ月だった。他でもない、口唇ヘルペスのお話である。
調子が降下する前、私の唇にはいつも決まってヘルペスができる。まず手始めになんとも言えぬむず痒さが現れ、半日経たずしてみるみるうちに腫れ上がる。潰れて膨れてを繰り返して、それは瘡蓋をつくる。この2ヶ月、常にヘルペスとの共存を強いられていたが、大袈裟ではなくあれは小さい爆弾だ。
ヘルペスの再々々々々発に伴い、近年は割と平行線(ただし低空飛行)だった心身の調子が堕ちて行ったのはいうまでもない。
鈍臭い事に、最初は体調が悪いことに気づかず、なんか身体重いかも?背中痛えな?喋るの気怠い?という具合。2月はこんなんを29日欠かさず続け、「もしや体調が悪いのか?」と薄々ながらも気付きだした。
背中の広範囲に及ぶ痛みを筆頭に、胃痛、腰痛、首の痛み。人間は「痛い」という感覚を24時間感じ続けると、多分精神が正常作動しなくなる。
文章くらいしか人生の楽しみがないと言っても過言ではないのだが、書く気も読む気も起きない。頭のもやもや感、無気力、最終的に一切のインプットアウトプットができなくなった。
だが、もう病院に行くことだけは避けたかった。異変があればすぐに「病院!病院!」となる私が、今回はまだ行っていない。
どれだけ酷い症状を持って病院に助けを求めても、ことごとく異常がない、薬漬けになる、そしてさらに悪化する。そういった今までの経緯を考えると、却って悪循環になりかねない。しかも1年以内に胃カメラなど諸々の検査をしているので、何か大病が見つかる確率も低い。
25歳〜昨年まで、医療代はなんと年間10万くらいかかっていた。10万円超えると確定申告すればちょっと返ってくるが、ぎりぎりいくかいかないかのライン。ぎりぎり超えててもちょっとしか返ってこない上、手続きの煩雑さでやらなくていいか、と怠惰な気が勝る。まあしかし、この不景気な時代で、年間10万は痛すぎる。この4年で40万円が原因不明の不調のために消えた。
もちろん新たな症状だったら通院したかもしれないが、今までと似たり寄ったりな症状、病院に行くのは薬が欲しいと思った時だけにしておきたい。
だから私は、病院に行きたい気持ちをグッと堪え、食べ続けた。
ターメリックグラタン食べた
せいろで豚と野菜蒸して食べた
できあいの鯖を竜田焼きにして食べた
賞味期限切れちくわ天丼食べた
ヤンニョム食べた
スパイス鯖カレー食べた
インドカレー食べた
ピザとサラダとベーグル食べた
安売りのホットケーキミックス食べた
健康になりたい!!!!
飯、よかったら毎日作り続けるんでどうか私を健康に導いてくれないでしょうか。今後とも、何卒よろしくお願いします。
社会人になって覚えたての「何卒」を得意げに使っていた頃のことを、飯に祈りを乞うていて思い出した。
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