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久々に旅行に行って感じたこと

5年ぶりの女房との旅行

5月末から久しぶりに女房と3泊4日の旅行を楽しんできました。

12年くらい前から、毎年、アジアを中心に旅行していたのですが、転職やらコロナやら女房の手術やらがあって5年くらい引きこもり状態だったので、やっと解放された気分になりました。

行き先は北海道で札幌に連泊していたのですが、韓国語と中国語を話す人々であふれ返っていました。

でも、やはり旅行は楽しくて、次はどこに行こうかと考えるとさらに楽しくなってきますね。

今日はそんな旅行の最中に感じたことの中からお届けします。

時代は急激な変化の中にある

P.F.ドラッカーは1999年1月、89歳の時に「明日を支配するもの」という本を上梓しました。

原題は「Management challenges for the 21st century」といって、今まさに21世紀にならんとするときに渾身の力を込めて書かれた本でした。

ドラッカーは冒頭でこう言っています。

「本書で取り上げた新しい現実は、今日の問題ではない。まったく異質である。今日当然とされ、成功の基盤となっているものとは相入れない。今日、われわれは転換期にある。これから起こる変化は、19世紀半ばの第二次産業革命や、大恐慌や、第二次大戦後の構造変化よりも急激である。」

このフレーズで重要なことは、1998年の時点で「今起きていることは、今日までの成功の基盤となっていることとは全く相いれない、急激な構造変化だ」と言っている点だと思います。

つまり、これまで成功してきた土台の部分が、何の役にも立たない時代になった、ということだと解釈できます。

その変化は止むことなく、今も毎日加速度的に続いていて、いつになったら全体が次の時代に移り変わるのかわからない状態の過渡期にあるようです。

「全体が」と言ったのは、今はまだ「部分的に」次の世界に移っている途中だという私の見解です。

スマホがなければ・・・

今回の旅行で、私は遅ればせながら初めてタクシーGOを利用しました。

最初は予約に際して、以前やっていたように日本交通に電話してオペレーターに依頼したのですが、希望の配車はできないと断られ、もしやと思ってGOを使って予約しました。

出発当日の早朝に来たのはオペレーターに断わられた日本交通の車でした(笑)。

ドライバーさんの話しでは、毎日、早朝から14時までの勤務でだいたい20回転するそうですが、内15回はGOによる配車で、街を流しながら客を拾うことはなくなってきたとのこと。

支払いは当然キャッシュレスで、これなら忘れ物をしても安心です。

GOは札幌にもあって、現在43都道府県をカバーしているようです。

GOの運営会社の会長は日本交通会長の川鍋一朗さんですから、日本中すべての配車手数料がGOに入り、実質的に日本交通がタクシー業界の構造改革を進めているといったところでしょうか。

いや、ここで言いたいのは、日本交通のシェア拡大についてではなく、タクシー業界で「GOか、それ以外か」が進んでいるということです。

このままでいくと「それ以外」では生き残りは不可能か、よほどアナログで素性のわからない人だけが乗る車のようになっていくのではないでしょうか。

ANAでは昨春からオンラインチェックインになっているし、小樽運河クルーズの予約と現地での乗船もスマホでのバウチャーチケットで、現地で乗船券を買おうとしていた老夫婦が予約で満席で乗船できずに帰っていきました。

予約していなかったことが原因ですが、予約するにはスマホの操作が不可欠です。

スマホに送られてくるバウチャー

スマホがなければ飛行機はおろか、40人乗りの小舟にも乗れない。

またエスコンフィールド内では現金は一切使えないし、二条市場での買い物もPayPayでした。

4日間の旅行中に現金を使ったのは、小樽観光駐車場の入り口で車の窓越しに駐車料金を支払ったときと、大通公園のとうきび売り場くらい。

今更ながらスマホがなければ何もできないことに気づいた4日間でした。


小樽運河クルーズ船からの景色

前時代の人たちが新時代を動かすことの危機

ふと、ニュースを見るとマイナカードのトラブルが報じられています。

自分でチケットを手配して支払ったことのない前時代の政治家さん達が、こうした社会の実態から取り残されてしまっている、そしてその人たちが国を動かそうとしている危うさを感じます。

企業も同じだと思います。

既に次の世界での生活がはじまり、次の世界の世界観をしっかりと持っている社員たちを、過去の成功に鎮座ましまし、ろくにスマホも扱えない経営者がマネジメントしている、なんて笑えない話しですよね。

ドラッカーが「明日を支配するもの」を上梓してから、24年になります。

Windows95が登場してから間もなく30年が経とうとしています。

ペリーの黒船来航から明治維新まで15年かかりました。

現代の方が全体が変化し終えるまでに時間がかかっているのはなぜなんだろうと、朝の北大キャンパス内での散歩の途中で考えたりもしていました。


朝の北大キャンパス内

やはり、旅に出るのはいいことですね。

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