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夏が終わってしまった、と感じたときになぜか観たくなる映画

朝晩の風は、既に夏のモノではない。日中の日差しには、まだ『残酷さ』が力なく残ってはいるが、既に秋になったことは、否めない。美しい中秋の名月を見上げながらピッツェリアからの帰り道、なぜか口についた歌は高橋幸宏のPOISSON D'AVRILだった。

目をふせて 少しだけ 笑って
虹色の 風を みつめた
(JASRAC許諾番号:9011645001Y38026)

4月をテーマにしているにも関わらず、センチメンタル、郷愁を誘うメロディ。そして、この曲を主題歌にした同名の映画も、ラブコメディなのに、切なさで胸が締め付けられる。高橋幸宏 x 大林信彦のなせる業だ。

1986年公開の作品で、当時大学生だった自分は、映画館でコレを何度か繰り返し、観た。1回は女性と、それ以外は独りで、観た。なんだろう、単に、浸りたかっただけなのだろう。

その後はレンタルビデオで借りて、自宅で何度も見た。時代はまだビデオ・テープ、VHSだった。見まごうこと無く中年になってからも、夏が終わった、と思った頃になるとVHSのビデオをレンタルして観ていた。この作品のためだけに、VHSのデッキが自宅に残されていた。なぜなら、DVD化されなかったからだ。NETFLIXにも、その作品は未だ含まれない…

しかし、突然に、なんの前触れも無く(少なくとも自分にとっては)、デジタル・リマスター化され、DVDが2021年11月にリリースされたのだ! これは買わない手は無い!

ということで、今はDVDが手元にあり、観ようと思えばいつでも観ることが可能だ。が、それでも観返すのは、夏が終わった、と感じた季節だけなのだ。


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