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キックスターターと宮崎駿作品【NORAオートバイ3】

四半世紀ぐらい前にホンダの「GB250クラブマン」というオートバイに乗ってました。合間に「ホンダスーパーカブ」にも少し乗っていて、その後「カワサキW650」に乗り換えたものの事故って壊し、ローンを返し終わるのを待って「ホンダCB400SS」、「ヤマハSR400」という感じで乗ってきました。

クラブマン以外はみんなキックスターターがついていました。
ホンダは踏むだけでエンジンをかけられるオートデコンプですが、ヤマハのSRはデコンプレバーを引きつつクランク位置を調節して上死点を出さなければなりません。

タイトルに出しているのでわざわざここで宣言するまでもないですが、私はキックスターターが好きです。しかし最後の?キック付き中~大型オートバイだったSRも絶版になって久しく。
この先何に乗ればいいのかと不安になりつつ、あらためてキックの魅力とはなんなのかを考えてみました。

キックスタートとはつまり、電気で動くセルモーターを使わないで人力でクランクシャフトを回してエンジンをかけるものです。
おそらくはこの「人力」というところが要なのでしょう。

セラミック時代終末期のテクノロジー

人力のエンジン始動でいつも思い出すのが、宮崎駿作品に出てくる乗り物です。周知のとおりこの人の作品には手回しでエンジンを発火させる乗り物がいっぱい出てきます。

例えば、ルパンの「死の翼アルバトロス」に出てくるクラシック飛行機。ルパンに「クランク頼むぞ」と言われた次元がクランク棒を回すシーンがあります。

ラピュタに出てくるフラップター。これもエンジンを始動させる際にクランク棒を回していました。

風の谷のナウシカの原作版に出てくる旧式のブリック。蟲使いの集落から脱出するときに奪取する際、アスベルが「すごいボロだ。おまけに手動発火とは」と言いながら発火装置らしきものを回しています。
思い返していて気付いたのですが、ナウシカの世界の飛行機はみなジェット推進です。しかもこの時代のエンジンは過去の文明の遺産を発掘して使用しているという…。

ほかにも、紅の豚のポルコが乗っている飛行艇・サボイアや、カリオストロの城のオートジャイロなどなど…。

昭和のテクノロジー

私は自分の乗っているものをバイクではなくオートバイだと思っています。特に意味はないですが、基本的に昭和で時間が止まったテクノロジーと考えているからだと思います。

調子が悪くてもぶん殴れば直るようような(直りませんけれど)、アナクロテクノロジー。手間ばかりかかるけれど、血ではなくオイルが通った、なんとなく生き物のように感じられる機械――と言ったら言いすぎでしょうか。

キック付きオートバイとはその最たるものだと思っています。

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