【自己紹介②】夢、という名の下ネタ
1 掌編小説『夢』
6年2組は今日も賑やかだった。
朝の教室は、家用の自分から学校用の自分に切り替わる瞬間だからだろうか、みんないつもの2割増しくらいに元気が良い。ランドセルを背負った同級生がひっきりなしに教室に入って来ていた。
湯千葉くんもその中の一人だった。
「やぁ、田中くん、おはよう」と湯千葉くんが僕に手を挙げて言った。
「あ、おはよう。湯千葉くん」 僕は湯千葉くんに声を掛けられて少し気持ちが昂る。なぜなら湯千葉くんはたくさんの登録者を抱えた現役小学生 YouTuber なのだ。真面目で誰にでも優しくて、クラスの中でもいつも話題の中心にいる人気者だ。
だが、その日の湯千葉くんは少し様子がおかしかった。
「湯千葉くん、なんだか元気ないね。どうしたの?」と僕は何気なく、なんなら定型文的な雑談の一環として、問いかけたのだ。
それが始まりだった。
湯千葉くんが僕に言う。
「いや、今日の朝、嫌な 【ち◯こ】 見ちゃってさぁ」
え、と返答に詰まる。聞き間違いか? 今卑猥な言葉が聞こえたような。 僕が黙っていると、湯千葉くんがまた言う。
「【ちん◯】 にうなされたの久々だよォ」 湯千葉くんが、まいったな、と顔を歪めた。
「ち◯こにうなされたの!? どんな状況!? てか嫌なち◯こ、て何!? パパのち◯こ? パパのち◯こ見ちゃったの?」
湯千葉くんは「いや、なんでやねーん。全国のパパさんに謝りなよ」と楽しそうにツッコミを入れた。
え、なんで僕がツッコまれてるの!? パパのち◯こを嫌なち◯こ呼ばわりしたのは湯千葉くんなのに!?
僕は混乱していたが、湯千葉くんはどこまでもいつも通りで「あ、今日、国語で作文発表だったよね。田中くん、やってきた?」と話題を変えてきた。僕は「嫌なち◯こ」がまだ気にかかったが、仕方なく返答する。
「え、あ、うん。将来の夢の作文でしょ? やったよ。湯千葉くんは?」
「僕も今朝、ギリギリ仕上がったんだよ。でも、内容これで良いか不安でさ。ちょっと聞いてくれない?」 湯千葉くんが申し訳なさそうに手を合わせる。
「うん。いいよ」と僕が快諾すると、湯千葉くんがいそいそと原稿用紙を取り出して、早速読み上げだした。
「僕には 【ち◯こ】 があります」
僕はぶふぅ、と噴き出す。鼻水も少し出た。
一文目からおかしい。『内容これで良いか不安でさ』じゃない。内容これで良くない。しかし、湯千葉くんはおかしいと思わないのか、読み上げを続ける。
「とっても大きな 【ち◯こ】です」
いや知らんがな! なんで同級生のち◯こサイズを自己申告方式で聞かなきゃならないの!? あと修学旅行の時見たけど、そんなに大きくなかったよ!? 盛ってんじゃないよ!
「簡単な 【ち◯こ】 ではありません。僕も【ち◯こ】 のために日々努力しているのですが」
簡単なち◯こって何!? ち◯このための努力って何ィ!? ちんトレ!? ちん◯んトレーニングのことォ!? 『僕も』っていうか多分キミしかしてないよ、ちんトレ!
「それでも 【ち◯こ】 はまだまだ遠い」
遠くねーよ! すぐ下にあるよ! 真下にあるよォ! 股間を見て! 小さいけど、ちゃんとあるからァ!
「そんな僕の 【ち◯こ】 は世界一有名なYouTuber です」
「ダメぇええええええええ!」 気が付けば僕は叫んでいた。「お願い! 正気に戻って!? YouTube でち◯こ晒すのだけは絶対にやっちゃダメ! 取り返しがつかないから! 垢BANされるから! というかち◯こは YouTuberになれないから!
どこまでいっても『 YouTuber のち◯こ』止まりだからァ!」
湯千葉くんは初め怪訝な顔をしていたが、「あ」と呟いてから、YouTubeの企画で 『夢』を 『ち◯こ』に言い換える、いわゆる『縛り生活』 をしていると明かした。
「いや言葉のチョイス!」 と僕がツッコむと、湯千葉くんが言った。
「僕は『面白い』のためなら何だってやる。そういう男さ。【ち◯こ】【ち◯こ】 忘れるな」
「『ゆめゆめ』 を短縮した 『ち◯こ』 に置き換えるな」
言うまでもないことだが、国語の授業の後、湯千葉くんは先生に怒られた。
2 僕の夢
第1回に引き続き、第2回も下ネタで恐縮ですぅ。
皆さん将来の夢って、ありました?
僕は野球やっていたから、「とりあえずプロ野球選手」 といった具合でした。プロ野球選手を舐めすぎだろ小学生の僕。
今の子は YouTuberとかも多いのかな? 湯千葉くんのように。ダメですよ? ち◯こ晒しちゃ。ち◯こち◯こ、忘れないで下さいね。
でも、将来の夢って言うとなんだか 『子供のもの』って感じしますけど、大人だって将来の夢があったっていいですよね。
今は公務員だけど、プロ野球選手になりたーい。結構なことではありませんか。絶対無理だけど。 でも警察官からプロ格闘技選手になった人いましたよね。名前忘れたけど。
そんな僕の今の将来の夢は WEB 小説で成功を収めることです。
小説を書くことが好きで、でも書くだけじゃ足りなくて、書いた物語を『いいね』 『面白いね』と言ってもらうのが大好きなんです。
別に書籍化したいって訳ではないですが、1つの評価基準みたいな感覚で『書籍化』 を目指すのも面白いなと思っている今日この頃。
この noteも正直、小説の宣伝に、と思ったのがきっかけですしね。
もし僕の夢を応援してくれるって人がいれば、是非是非、読んでみてください!
拙作【転生して冒険者ギルドの社畜になったけど、S級冒険者の女辺境伯にスカウトされたので退職して領地開拓します。今更戻って来いって言われてももう婿です】
皆さん、一緒に 【ち◯こ】 叶えましょう!
少年よ、【ち◯こ】 を抱け!——あ、これは夢ではなく大志ですね。いやしかし BL みがすごい。
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