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大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『桑の木豆』

 東海学院大学管理栄養学科の飛騨美濃伝統野菜プロジェクトチームの学生です。今日は大学のある各務原市から車で1時間北上した山県市の飛騨美濃伝統野菜『桑の木豆』の生産者様のところにやってきました。

『桑の木豆』の生産組合長さんにお話を伺いながら
収穫までさせていただきました!

桑の木豆の由来を知る

 生産組合長さんから『桑の木豆』の由来をお伺いしました。『桑の木豆』が生産されている山県市美山地域は、明治から大正時代にかけて養蚕業が盛んに行われていたそうで、蚕のエサとなる桑の木が多く植えられていたのだとか。台風が来ても倒れないようにするために、桑の木の根元に『桑の木豆』を植え、そのツルをからませて激しい風から桑の木を守っていたことが由来となって『桑の木豆』と呼ばれるようになったそうです。『桑の木豆』は、完熟すると、さやと豆に赤いかすり模様が入るのが特徴で、古くから栽培されている特色ある野菜として、岐阜県の「飛騨・美濃伝統野菜」にも認定されるインゲン豆の一種なのだとか。
 しかし、25人いた生産者の方が高齢化と担い手不足で現在は10人しかいなくなってしまったそうです。お話をお伺いした生産者の方も90歳だそうです。

赤いかすり模様が特徴の『桑の木豆』

気候変動と鳥獣被害で生産量が1/10以下に・・・

 さらに、近年の気候変動の影響で気温が高く、芽が伸びる時期に気温が高いと枯れてしまったり、ツルが伸びなくなったり・・・さらにはシカなどの鳥獣被害が深刻で、特に『桑の木豆』はおいしいので、シカが食べてしますそうです。畑にもシカの足跡がたくさんありました。。。
 生産量も最盛期には1t以上あったものが、現在は100㎏以下。特に今年は気温が高く、もっと収穫量が少ないそうです。

『桑の木まめ』の畑
例年よりツルが伸びないため、収穫量が減少しています。

とてもおいしい『桑の木豆』

 『桑の木豆』は9月下旬頃から収穫が始まり、生のものは、そのまま茹でてサラダ、おひたし、フライ、煮物、炒め物に使われるそうです。さらに、さやごと乾燥させ保存用にもなるそうです。乾燥した『桑の木豆』はホクホクの豆になるとか、料理に応じて「生」を使うか、「乾燥」を使うのかを使い分けているそうです。

桑の木豆の畑にてお話を伺っています

気候変動と鳥獣被害について考える

 飛騨美濃伝統野菜を守り、伝えていこうとする生産者の思いを感じました。少子高齢化による担い手不足に加え、近年の気候変動の与える影響、さらには、今まで農業生産活動により二次的自然が確保されてきた、生物多様性の保全にも様々な影響を与えていることもとても大きな課題だと考えるようになりました。

飛騨美濃伝統野菜を伝えていきたい

 私たちは管理栄養士を目指す学生として、これからも地域の伝統野菜を伝え、広めていく活動を行うことで、多くの方に飛騨美濃伝統野菜の良さを伝えていきたいと思います。

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