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40代から変わる人生「記憶の道具」15

新たな金融危機の予兆?

 今月のはじめ、三井住友カードとGMO系2社が、クレジットカードを使わない後払い決済「バイ・ナウ・ペイ・レイター(BNPL)」サービスを始めるという報道がありました。三井住友が乗り出すということは、いよいよ日本でも BNPL が本格的な普及期に入ったということなのでしょう。
 この記事を見て、3年前のニュースを思い出しました。BNPLを手掛けている日本の未上場企業 ペイディという会社をアメリカの決済大手ペイパルが買収したというニュースです。みなさんこの会社、聞き覚えあります? 
 買収金額は約 3,000 億円。日本のユニコーン企業のトップ企業が1,500億円程度の評価額だったと思うので、その2倍で買われたわけです。こういう会社が日本にもあるのですね。そう思ったので、「キオクの達人」に入れて覚えていました。
 しかし、その1か月前。同じくオーストラリアのアフターペイというBNPL企業も買収されています。買い手はアメリカの決済大手のスクエア。こちらの買収額は、なんと29億ドル。当時のレートで約3.2兆円 (今だと4.5兆円)。
 ペイディは日本中心で600万アカウント。アフターペイはオーストラリアとニュージーランド、そして北米にも展開しており1,600万アカウント。ペイディの3倍ほどあります。でもねぇ。買収額は10倍ですよ! この差は何? と思ったことを思い出します。

Buy Now Pay Later

 私は消費者金融についてはまったくの素人ですが、この一連の記事を見て、世界の決済業界では BNPL がホットなんだと感じました。そこに日本のコンサバな大手金融グループもいよいよ乗り出すわけです。BNPLは、クレジットカードを持たない、つけで払いたい消費者に便利な商品です。このセグメントの需要が強くて、どんどん伸びているということです。
 それは何を意味するのでしょう? 
 ひとつには、フィンテックの発達でしょう。連絡先を登録するだけでファイナンスできる技術が普及した結果です。しかしもうひとつとして、コロナ禍で世界的にじゃぶじゃぶになった金余り状態があるのではと想像されます。お金が余ると、運用会社は、より高いリスクを取ってでもリターンを得ようと考えますからね。リーマンショックのきっかけとなったサブプライムローンもそうでした。多分、その両方なのでしょう。おりしも、日米の株価が、史上最高を更新しています。
 そこでまた「キオクの達人」に入れてある格言を思い出しました。アメリカの著名投資家 ジョン・テンプルトン の次の言葉です。「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」。私は、まだ陶酔ではないと思いますが、成熟しつつはあるだろうと思います。
 そして、いつ陶酔の中で消えるか? これ知りたいです。だからいろいろな情報を頭の中に残しているのです。予兆はあちこちにります: 中国の景気後退懸念。ウクライナ、ガザ、中東各地で起こっている武力紛争、そしてその連鎖の予兆は、私が住む東アジアでも。さらに南米にもあります。BNPLについての一連のニュースを思い出しながら、その普及も、リーマンショックの時のように、引き金の一つになるのかもしれない。そんなことを考えてしまいました。

 今回のブログ、ちょっと暗いです。今週続いていた曇天のせいかもしれません。気分はお天気次第、ということです。


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