TOKI 森時彦 

TOKI 森時彦 

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  • 「変わる組織」はどこが違うのか?

    組織変革を実現するにはどうすればいいのか。それを実務家&コンサルタントの視点から掘り下げて解説しています。 と同時に、これは「自分を変える」方法論であると理解されるとうれしい。ということで、対象読者は、どうすれば組織を動かすことができるか悩んでいる人です。基本的には毎週更新していきます。

  • 40代から変わる人生 「記憶の道具」

    歳とともに人の名前が出てこなくなり、新しい情報も頭に残りにくくなってきた。60代になって一念発起し、この問題を解決するためのiPhone アプリを自作し、ムダにしていた1, 2分のスキマ時間に使い始めたところ、人の名前や情報が頭に残るようになった。 しかし、それだけではない。半年ほど続けていると、脳力がアップしてきた。記憶力が増し、連想力や閃きが豊かになった。脳も筋肉と同じで使えば伸びる! まだまだ新しい分野にチャレンジして習得できるという自信が湧いてきた。 このブログでは、その私の体験を紹介します。 追伸: アプリは、もともと自分用に作ったものなのでApp Store でダウンロードして無料でお使いいただけます。「キオクの達人」と検索してください。

  • 記号接地問題

    人間にできてAIにはできない古くて新しい問題。それが記号接地問題だ。AIがますます多くの問題解決を担ってくれるこれからの時代に、人がもっと意識して取り組まないといけないのは、記号接地した(身体性のある)思考力だろう。このブログは、そういう問題意識を基にスタートします。

最近の記事

「変わる組織」はどこが違うのか? 24

意見を言わない人たち対策 1  ワークショップは変わる組織の必須アイテムだという話を前回しました。それに習熟することが重要なのですが、そもそもそのワークショップの場で口を開かない人が、日本にはまだたくさんいます。今回は、その原因と対策を考えてみましょう。 私の経験では、原因は大きく次の3つに分かれます。 原因1 思考問題:テーマについて考えたことがないので、何を話せばいいかわからない。 原因2 場の問題:意見はあるが、差しさわりがあるのでこの場では言いにくい 原因3 コミ

    • 40代から変わる人生「記憶の道具」24

      金の価格高騰が続く、その意味は⁉  先週の日経新聞に気になるフィナンシャル・タイムズのコラムが掲載されました。著者はラナ・フォルーハー。私のお気に入りのビジネス・コラムニストの一人です。  金に興味はないのですが、このコラムを読んで少し意識が変わりました。しばらく上昇を続けている金価格。ぼんやりと、そろそろピークかなと思っていたのですが、さらに大きく高騰中! その4つの理由が注目点です。 1.長引く米国のインフレ。この原因には、新型コロナ禍対策で行った財政刺激策、リスク回避

      • 「変わる組織」はどこが違うのか? 23

        ハイ・コンテクストな日本社会  日本はハイ・コンテクストな社会、と喝破したのはアメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールでした。それに対してアメリカは、典型的なロー・コンテクスト社会。彼の著書「文化を超えて」には、下図のような図が添えてあって、見事にその違いを表しています。  このコンテクストの多寡の違いは、組織変革の現場にいると結構大きな要素になるので、ついその違いに目が行ってしまうのですが、最も大切なことは、人が納得するには情報だけでなくコンテクストが必要だという

        • 40代から変わる人生「記憶の道具」23

          反転学習的生活  先週、ある会社で新組織の発表がありました。新しく営業部隊を11の部門に分けて、それぞれにリーダーが任命されました。その11人のリーダーたちが次々に登壇して、5分ずつ抱負を語ったのですが、これ、1時間かかります。当然5人目位になると初めの人のことは忘れてしまいます。  この時間をただ聞いているのはタイパが悪い。ということで、アプリ「キオクの達人」を開いて、表に新組織名、裏にリーダー名と抱負の中のキーワードを書き留めていきました。一件5分もあるのでラクラクです

        「変わる組織」はどこが違うのか? 24

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        • 「変わる組織」はどこが違うのか?
          23本
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        記事

          「変わる組織」はどこが違うのか? 22

          変わってきたリーダーシップスタイル  人間には、4つの基本的な動機があるといわれています。ものごとを達成したいという達成動機(Achievement)、人と仲良くしていたいという親和動機(Affiliation)、人に影響を与えたいというパワー動機(Power)、そして逃げたいという逃避動機(Escape)です。  すべての人にこの4つの動機があるといわれています。基本的動機ですからね。ただ、そのバランスには違いがあって、達成動機が優位の人、親和動機が優勢な人、などいろいろ

          「変わる組織」はどこが違うのか? 22

          40代から変わる人生「記憶の道具」22

          過去は変えられない。でも過去の物語は変えられる  先週、久しぶりに「『よみうり大手町スクール』著者と語るサイエンス読書カフェ」に行ってきました。題材は「宇宙思考」(かんき出版)2023。著者の天文物理学者BossB こと藤田あき美さんは、フォロワー25万人超のSNSで異常な熱を発する。この人を生で観てみたいと思ったのですね。  ハイ、想像を超えていました。まず声の大きさが半端じゃないです。年齢相応に衰えている私の耳をつんざくほどの大音声。これで1時間話し続けるって異常! 

          40代から変わる人生「記憶の道具」22

          「変わる組織」はどこが違うのか? 21

          プロセスデザイン3 収束の方法  収束ができない、という相談が多いと前回書きました。今回はこの問題を取り上げます。  ここでは2つの基本的な方法を紹介しましょう。ひとつは多数決です。選択肢がそれほど多くなければ、これが一番簡単です。丸型のカラーラベルを用意して、たとえば赤は5点、青は3点、黒は1点などと色によってポイントを変えると、楽しみながら投票できます。  この場合よく訊かれるのが、ひとつの選択肢に自分が持っている票をまとめて投じてもいいかどうかです。OKです。ダメにす

          「変わる組織」はどこが違うのか? 21

          40代から変わる人生「記憶の道具」21

          AI翻訳時代になぜ英語を習得すべきなのか? AI翻訳は、飛躍的によくなっています。これからもますますよくなっていくでしょう。そういう時代に、なぜ英語の勉強する必要があるのでしょうか? 私も、これだけAI翻訳が進んできたので、もはや他の外国語の勉強をしようとは思わなくなりました。でも、英語だけは別です。  なぜ英語は別なのか? その理由は2つあります。  1つは、ほぼすべての分野で英語がグローバル言語になっているからです。つまり、世界の多くの人が英語で高等教育を受け、あ

          40代から変わる人生「記憶の道具」21

          「変わる組織」はどこが違うのか? 20

          プロセスデザイン2 発散の方法  発散はできるけれど収束ができない、という相談をよく受けます。ところが私の経験はこの逆で、実は発散が難しい。既存の考えからなかなか抜けられないことがほとんどです。見かけ上、たくさん出てきますが、本当の意味での発散になっていないのです。このような経験の人たちも多いようで、ブレストをしても良いアイデアは出ないという極論を言う人も、いますよね。 そこで今回のテーマは、発散のコツです。 私のコツは、次の3つです。 ① 事前に考えてきてもらう ② 事

          「変わる組織」はどこが違うのか? 20

          40代から変わる人生「記憶の道具」20

          英語上達法 2  同時通訳者の記憶術  知人に同時通訳をしている人がいるので、どうやって覚えているのか訊いたことがあります。 答えは、知らない単語が出てきたら「ムッと睨んで覚える」のだそうです。試してみました。確かに覚えられます。 そこでどのぐらい覚えているか、「キオクの達人」に入れておきました。普通だと2~3日もすると思い出せなくなるのにムッと睨むと、1週間以上たっても覚えているのです。さすがプロのノウハウ、効果あります。  でもね、3か月ほどして「キオクの達人」か

          40代から変わる人生「記憶の道具」20

          「変わる組織」はどこが違うのか? 19

          プロセスデザイン1  前回、ワークショップの落とし穴に嵌るかどうかは、ファシリテーターの技量しだいという話をしました。ということで、今回はファシリテーションについて少し書きます。  私は、ファシリテーションには3つの要素があると考えています(下図参照)。ワークショップ全体のプロセスをデザインすることと、それを実行すること。その実行は2つの要素に分かれているので計3つになります。  実行の中の2つの要素とは、話しやすく本音で話し合える安心安全の場を維持すること、ファクトベース

          「変わる組織」はどこが違うのか? 19

          40代から変わる人生「記憶の道具」19

          英語上達法 1  5回目に紹介した英語を勉強しているという編集者の方と再会しました。「キオクの達人」で、勉強が進んでいると嬉しそうでした。  ということで、今回は英語上達法です。  英語勉強法と銘打った本や教材はたくさんありますが、私の勉強法は極めてシンプル。ポイントは次の3つです。   ① 使いたい!と心に響くフレーズを覚える   ② スキマ時間を使って忘れないようにする   ③ 恥をかいても使ってみる  1つ目は、言い換えると「使いたい!」と感じないものは覚えないとい

          40代から変わる人生「記憶の道具」19

          40代から変わる人生「記憶の道具」18

          恐竜絶滅  今週、iPhoneアプリ「キオクの達人」からおもしろいカードが出てきました。「恐竜絶滅」です。230日前に登録したことになっていますが、私の記憶は鮮明でした。66百万年間前に、巨大隕石(直径10km程度)がメキシコ湾岸に落下したことが原因で恐竜が絶滅したとするアルバレス仮説。これ凄く面白い物語なので忘れないようにしているのですが、それについては別の機会に書くことにします。  今回はアプリの話。このカード、裏面をみると、なんと66,000年前と書いてあります。そん

          40代から変わる人生「記憶の道具」18

          「変わる組織」はどこが違うのか? 18

          ワークショップの落とし穴  ジョブズやマスクのような天才的なリーダーに率いられた組織は別ですが、普通の組織が変わり続けていくためには、ワークショップは必須アイテムです。そういう認識、まだ日本では薄いですね。  その原因はいくつかあります。 原因1)不慣れ:一般の日本人はワークショップに慣れていないので、はじめてのときは、あまり発言してくれません。口を開いても当たり障りのない話しかしないので、ガス抜き程度にしかなりません。つまり効果が実感できないので、ここで終わってしまう初

          「変わる組織」はどこが違うのか? 18

          「変わる組織」はどこが違うのか? 17

          リアリティ・チェック  トップが自分が目指すビジョンを造れないからといって、美しいビジョンをスタッフやコンサルタントに造らせても意味がありません。むしろ社員に造らせましょう。そうすれば、自分たちの造ったものは実現したいという自作実現力や同調圧力が生まれてビジョン実現へのエネルギーが生まれます。そういう話を前回書きました。  今回は、その造り方です。ただ社員を集めて造らせてもうまくいきませんからね。失敗を学習するだけです。  私は、ビジョン作成のファシリテーションを依頼される

          「変わる組織」はどこが違うのか? 17

          40代から変わる人生「記憶の道具」17

          エビングハウスの誤解  自作のiPhoneアプリ「キオクの達人」を使い始めてから、1年ほど経ちました。この間にどのくらい覚えたかというと、ざっと700件。このアプリを使っていなければ、そのほとんどが記憶にとどまっていなかったはずです。    さて、その700件がアプリの中でどのように分布しているのか。ちょっと調べてみました。横軸に日をとり、縦軸にその日に復習する件数を取ると下図のようになりました。1から始まっているように見えますが、0が作図の関係で表示されていません。0日、

          40代から変わる人生「記憶の道具」17