toki ponaを勉強していたら最終的にオズマ問題にいきついた話


toki ponaには方角を表す単語がない

最近人工言語の一つであるtoki ponaを勉強してます。
toki ponaの特徴としては123しか単語のない言語であることです。
単語としては↓なんかを参考にしてみてください。
少ない単語で人間の思考過程をそのまま表現することを旨とした、言語は認識に影響を与える思考の習性を提供するといういわゆるサピア・ウォーフの仮説を基にした言語なんですね。

で、toki ponaの性格として「平等である」ことを目指しているそうです。
この話の出典がどこだったか覚えてないんですが、今回の話の主旨である方角について調べていたときに英語の文章で以下の内容があったのでまぁそうなんだと思います。
さてここで問題が発生します。
toki ponaには方角を表す単語がありません。
なので東はma(場所) pi(~の) suno(太陽) open(開く)で日が昇る場所、西はma pi suno pini(終わる)で日が没する場所と表します。
では北と南はどうか?
例えば北はma lete(寒い場所)とかma sewi(上にある場所)とかになるわけですが、これっていずれも北半球なら正解ですが、南半球だと合わないわけですよね。ニュージーランドとの北島と南島なら寒い場所は南島ですし、南半球の地図では南島の方が上に来ます。
例えば東京が主題の話のときに北海道との位置関係をを表すときに北海道はma leteにあるというのは誰にとっても正しい話ですが、文章もしくは言外に話し手がどこに居るかを示していないと北とか南を表すことは出来ないってことです。
ここで本題。じゃあ平等な北と南ってなんだ?って話です。
ここで北と南の定義の話をするとWikipediaとかには
 北:地表に沿って北極点に向かう方位 あるいは 北極星の方位
 南:地表に沿って南極点に向かう方位 あるいは 北極星とは対蹠の方位
と書かれています。
なのでtoki ponaに外来語としてpole starを導入すれば解決ですが、そうでない場合どうしましょうか。
もう一つ、北と南の定義として、磁石のNが示す方向が北、Sが南というものがあります。このままではNとSはそれぞれNorth、Southなので卵が先か鶏が先かのような話となりますが、ようはN,Sを北極星とか地球の北もしくは南を指す方向だというものを持ち込まなければ誰にとっても平等な北と南の表現が出来ます。
そこで出てくるのがオズマ問題です。
オズマ問題とは「映像情報なしに異星人に左右を正しく伝えることができるか」という問題です。
なんだ簡単な問題かと思われた方、甘いです。
異星人は心臓(そもそも心臓があるかも分からない)が左右どちらについているかわかりませんし、北を向いたとき東の方が右なんてのも、北とか東の定義が異星人には分からないでしょう。例えば金星人に東は太陽が登る方向だよなんて言ったら真逆の答えになってしまいます。
実はこの問題、今では解決済みですが昔は解決出来ない問題であるということが証明されるだろうと考えられていました。
この問題を言い換えると、「普遍的な物理現象として左右非対称性は存在するのか」と言い換えられます。高校までの化学・物理を習ってきたのであれば、どうも有り得そうにない話だと思われるかと思います。
例えば水はH2Oと表されますが、H-O-Hなんてのを化学で見たことあるかと思いますが、このOとHがくっつくときに明らかに左のHの方が先に埋まって、あとから右にHがくっつく・・・なんてことがあるのか?ということです。この場合の答えはどちらが先にくっつかは等確率です。
で、この話を長々としてもしょうがないのでオズマ問題の答えを書くと、呉博士らがコバルト60の放射性崩壊の実験を行ったところ、S極の方から飛び出す電子の数が多いことを突き止めている。そのため
「円形に電気を流し、その中で放射性崩壊の実験を行い飛び出す電子の数が多い方が上に来ていれば電流が流れる方向は右から左、逆であれば左から右」と言える。

話を戻すと、地球上で平等な北と南は「放射性崩壊の実験を行い飛び出す電子の数が多い方」が南で、放射性崩壊の実験を行い飛び出す電子の数が少ない方」が北だ。
あとはこれをtoki ponaで表すだけ。
ただ、これをtoki ponaで表すのってムリじゃね? おわり。




としたいけど頑張ってみた。非文になってたらごめんなさい。
南:tawa pi mute ni : tenpo ni pakala nasin li pakala, wawa li tawa.
南:tawa pi lili ni : tenpo ni pakala nasin li pakala, wawa li tawa.

なお、さらに調べたら小惑星の北と南の定義にぶち当たりました。それによると

国際天文学連合は 2003 年に小惑星の南北を決めるための新しい規則を制定しました。右手を軽く握り親指をたててみてください。親指以外の指の、爪の方向に向かって天体が自転しているとします。この時、親指の向く方を「北」とする、というのが新しい定義です。

https://www.isas.jaxa.jp/j/snews/2005/1031.shtml

ということのようですが、上記出典に書かれている通り、地軸が逆転している金星では逆になり、天王星は90度傾くことになるので、小惑星とかにだけ適応となるそうです。おまけでした。

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