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撮影者の家計簿考察 2021

自分のやりたいことで稼ぐことがまず前提で、最初はそこを目指すべきだと思う。そのようにして生きてきた。

やりたくない仕事やつまらない会社に入って愚痴を垂れ流していては、人生がただ過ぎていくし、魂も死んでしまう。

次に、やりたいことである程度稼げるようになったら、その中でプロジェクトの優先度や、収益効率を考えていくことになる。

ここ日本では金の話は敬遠しがちだけど、誰もが金を稼ぐために仕事をしているし、仕事をするため(生きるため)に金を稼いでいる。稼ぐことはそれが悪い仕事で得るものでない限り、大概良いことではあるけれど、仕事が忙しくなりすぎて好きなことを嫌いになってしまっては本末転倒だ。

だがそれも自然ななりゆきとして - 例えば世界的なスティーブン・マイゼルという人が、グラフィックデザイナーから、フォトグラファーになったように - ありと言えばありである。

ずっと同じことを好きでいる必要はないし、人は歳をとるし、好きなものややりたいことは、時代や気分によって変わっていくものだ。

むしろ変わっていくことが、継続の条件なのかもしれない。

大きく変えない人でも、ささやかなマイナーチェンジをしながら生きているはずだ。特にテクノロジーの進歩により、変化の速度が指数関数的になった現在では。

仕事と私事のバランスをとること

好きなことで稼げるようになったら、次は自らの生活コストを算出し、それに合わせて仕事量を最適化してみる。

この考え方は僕がフォトグラファーとして活動して、上記の変遷の中で生まれてきたものである。つまり好きなことをする→稼げるけど忙しくなりすぎる→仕事量と収益の最適化、という一連の流れである。

加えて、僕が米国を中心とした消費論的ミニマリズムと、仏教のいち宗派である禅的なミニマリズムの双方に影響を受けていることも、この考え方の基礎となっている。

簡潔に言うなら、生活コストが低ければ、ブルシットと呼ばれる労働的で無意味な仕事をゼロとは言えないが、少なくできるということだ。誰でも嫌いなことや苦手なことはやりたくないはずだ。やらないほうが、雇用者、被雇用者、双方にとっていい。

嫌いなことは絶対にやりたくない派で、そういうことが1ミリでも見えたら降りるようにしている。

備忘録的に、家計簿をみていこう。

この値は多くの方には参考にならないかもしれない。

それはまず前提として、僕が30代中盤の独身男性で、東京に暮らしているということから出発する。もしも同じような条件で、フリーランスでフォトグラファーを生業としている人、またはそれに近しい職業の人には、何かの参考にはなるかもしれない。


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