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トキワレポート(コラム)

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メンタルヘルスにまつわるあれこれや、家族・子育て、コミュニケーションについて、弊社の経験をもとにつづるコラムです。有料noteでは、より踏み込んだノウハウについてお伝えします。
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#精神障害者移送サービス

♯030 入院治療中に「欲求の肥大化」を修正する

弊社では、説得移送による精神科病院への入院後、家族に代わって患者さんと人間関係をむすび、長期的なサポートを行っています。(※対象となるのは、重篤な精神疾患がありながら病識がなく、家族との関係も悪化するなど、いつ親族間事件が起きてもおかしくない方です)。 入院当初は精神的にも興奮しており、易怒性や粗暴性などが際立っていますが、投薬治療がはじまり、家族とも物理的に距離をもつことで、徐々に落ち着いてきます。ここまでは治療の範疇です。 急性期の症状が落ち着いたあと、社会復帰を目指

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♯029 家族こそ、精神科病院を上手に利用できるようになる必要がある

弊社に寄せられる最近の家族の問題は、ほとんどが複合的です。多くは精神疾患に起因していますが、それだけでなく、パーソナリティの問題や親子関係、生育歴、それまでに出会った人との関係など、さまざまな事柄が絡み合っています。 精神科に通っているのに「よくならない」 すでに精神科を利用しているケースも増えていますが、肝心の本人が受療中断してしまったり、不定期にしか通院しなかったりすると、家族も含め健全な生活ができず家庭内がすさんでいきます。 親は「病院(クリニック)がちゃんと治療し

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夫婦仲の悪い両親の子供は、いち早く家を出ることを考えよ!

弊社が応じてきた、“トラブルを抱える家族”からの相談に基づく見解ではありますが、両親が不仲(※子供の頃から両親が不仲だが、経済的な理由などから離婚や別居をしていない)家庭で育った子供が、成人になってからも実家で生活することは、「絶対に勧められない」と断言します。 もともと日本は、経済事情や住宅事情もあり、欧米に比べると「成人した子供がいつまでも親元にいる」と言われることがあります。特段の事情がない限り、ある程度の年齢になったら実家を出て自立することが、精神的な健康を保つ上で

♯028 本人との同居が限界。グループホームの入所を検討しているが…

精神疾患をもつ本人との同居について、「家族ではもう支えきれない」と、限界を感じている家族もいらっしゃると思います。 実際のところ、本人から家族への暴言や暴力、金銭の無心などがあるケースでは、親子関係が病気を悪化させる一因となっている場合も多く、【親子が物理的・心理的に距離をおいたほうがいい】と思うこともしばしばです。 そこまで親子関係がこじれたときには、「話し合って今後のことを決める」ことはなかなか難しく、本人と物理的・心理的に距離をおくために、実態に即した覚悟・決断・行

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