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「美容師さんとの会話が困る」問題。インタビュアーになると面白いよ。

 髪を切る時、基本的に美容師さんとは面白がって会話をしているのだが、#美しい髪 の記事など読んでいると、あー、美容師さんとの会話に気詰まりを覚える人って割と多いよねえ、とあらためて思い出した。

 美容師さんとの会話で何を話したらいいか分からない人は、基本姿勢として、美容師さんに話させる方針で行くといいと思う。美容師さんの方に会話のリーダー役を任せると、必然的に美容師さんが客に質問をしてくる流れになるので(多分、自分の話だけを一方的に語り聞かせるタイプの美容師さんはそうそういないと思われるので)、客の方から美容師さんに質問したり合いの手を入れたりして、どんどん話を引き出すとよいと思う。

 勿論、会話が好きじゃなくて沈黙を守りたいタイプの人は、遠慮せずに雑誌とかスマホを眺めれば問題ないと思うのだけれど、でも美容師さんからいろいろ話を引き出すと、結果的に自分の髪に関する有益な情報が得られたり、望む髪型が仕上がったりする確率が高まる気がする。

 この note を書いた後髪を切りに行ったが、その美容院は記事中で書いている美容院じゃなくてもうちょっと近場のもうひとつの行きつけだけど、そこの美容師さんと会話して分かったことは次のようなこと。

・実は白髪に色を入れるよりも抜く方が簡単で、シルバーカラーなんかは白髪の方が入りやすい。
・流行のグレージュなんかはそもそもブリーチしないと狙った色が出ない。
・今のブリーチは昔に比べて薬剤の品質が上がってきてるのでそんなに髪が痛まない。
・白髪はマニキュアの方がきれいに染まるし艶も出る。色がクリアに発色する。
・白髪がまばらであまりない人は、マニキュアで染めた方が他の髪に溶け込む。なぜならマニキュアは黒い髪にはあまり色を足さないので。
・わたしの髪は染めるのをやめたらほぼ総白髪の真っ白になるんじゃないかと思ったけど「いや、そうでもないですね」。そうなのか、うーん、生え換わり完了したら、脱色かシルバー入れるかしないといけないかな?
・前髪は長めにしたいけど、左側の前からサイドにかけてボリュームが出てうっとうしい、これなんだろう、短くするとか分け目を変えるとか流し方を変えるとかすべき?と思ったら、つむじと髪の流れの関係でそこに髪が集まるようになっているので、どうしてもそこに溜まる。むしろちょっと長さを作って落ち着くようにした方がいいので、頑張ってちょっと伸ばしましょう!
・ボリュームを抑えるならツーブロックもありだけど、あー、うーん、でもそれって、中の毛伸びてくると、じょり、ってするんですよね?あー、じょり、ってなります、あはは。

……みたいな感じ。染めずにカットだけだったので所要時間約30分で、いろいろ楽しかった。

 年を取ってからのわたしは、あまり親しくない人との会話に困らない。若い頃はそれなりに自意識過剰だったりコミュ障だったり緊張しいだったりしたので、年を取ってずうずうしくなったせいもあると思うけれど、基本的に人と一緒にいるとその人について知りたいことがいろいろ出てくるので、どんどん質問したり掘ったりしている。

 以前在籍した会社の先輩に、すごく陽気で明るく有能な女性編集者がいたのだが、彼女は社長から「〇〇さんって凄腕のインタビュアーで、クライアントとかデザイナーさんとかと打ち合わせしてると、無意識のうちにどんどん自分のこと語らせちゃって、みんな知らないうちに詳細情報把握されちゃったりするんだぜ」と評価されていたが、彼女と同じ年代になった今、気づいたらいろんなシーンで同じことやってた。お仕事で会う人にもやってしまうし、あれ?よく考えたら、相手はそんなにこっちのことには突っ込んでこないな?と気づいたりもする。すみません、時々、みんなもっと礼儀正しいのかも、と恐縮する。

 ちなみにその会社では、社員全員で16類型性格診断をやって「納得だねえ!」と面白がったのだが、こっちに戻ってきて10年ぶりくらいにまたやってみたら、その先輩と同じタイプになっていて吃驚した。当時のわたしは「温和で控えめな世話役」で、バックオフィス担当だったから「適材適所!」と言われたものだったが、控えめな女の子、いったいどこ行った。

 もう一方の行きつけ美容院の担当美容師さんがまた、お喋りじゃないのに水を向けると淡々と語り始め、掘れば掘るほど面白い話が出てくるものだからどんどん掘ってしまうのだが、彼についてわたしが知ったのは次のようなことだ。

・細く見られがちだが中年にさしかかり腹が出てきて痩せない。
・ついつい炬燵で寝てしまい疲れがまったく取れない。
・高校の同級生や専門学校の友人たちは正月に集まったりしているらしいが僕のところには連絡が来ない、ちょっと心が折れるが、まあ、いいか。
・成人式に出ようと思ったがその当時の会社が一日しか休暇をくれなかったので帰省せずその辺で時間を潰し、成人式どうだった?と訊いてきた人にはよかったですよー、と返事した。
・お母さんの飼っているネコがやたら懐いてぐいぐいくるのだが、むしろイヌの方が好き。
・店の忘年会で温泉ホテルでの泊まりがけの宴会があったが、経費節減のためスタッフが運転するので結局僕が運転手役、しかしその時に限って吹雪となり高速で前が全然見えないので辛かった。
・でも県境を越えた別の店に勤めて高速で通っていた時は、割とえらいスピードを出してた。
・そんな話を語るので、勝手にインドア出不精で草食系の若い独身男子かな、と見当をつけていたら、実は奥さんがいた(多分なんとなく、地元によくいる感じの、うっすらマイルドヤンキーな感じの気の強い可愛い子かな?と思った)。
・なぜなら、髪を伸ばしかけてセミロングくらいまで行ったけれど、奥さんが「それ、何目指してんの。どこに行こうとしてんの」とディスってきたので心が折れて切った、というエピソードが出てきたから。
・しかし、奥さんと出かける予定にしていると、当日になってつい面倒くさい気持ちが生まれてしまい「それ、今日じゃなきゃダメ?次でよくない?」と提案してしまうので、奥さんが怒るらしい。なんか面白い夫婦。

 全然髪切るのと関係ないですね!でも彼も、質問するとちゃんとカラーのことやヘアスタイルのことをきちんと教えてくれる。しっかりとした技術のある人だなあと感じているので、美容師としても信頼している。素でカットクロス忘れて始めようとしちゃったりするところとか、凄く面白いけど。あと、わたしのプライベートは全然尋ねてこないので、楽ちんだしプレッシャーもない。えっ、実は上級の接客技……?

 ともあれ、別に美容師さんの人となりを深掘りしなくても、自分の髪質や生え方のクセ、疑問に思っていることなどはどんどん質問するとちゃんと教えてくれるし、美容院で話題に困るよりも、相手の専門分野を語ってもらった方がお互い有意義で楽しいと思うので、会話の進行役になって美容師さんから話を引き出すと、楽しい時間が過ごせるのではないかと思います!おススメ!

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カバーフォトは、「みんなのフォトギャラリー」より、こばさ さんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございマス!


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