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スタートアップのコーポレート部門は何をしているのか?

こんにちは。徳光です。

2021年も終わりですね!今年はCFOという大役を担わせていただいた年で自身として大きな変化があった年でした。

CFOになっての振り返りはまたの機会でやりたいですが、3月よりコーポレート業務を統括している中、会社の中でのコーポレート部門の役割や期待を考える機会があったのでnoteに残しておこうと思います。

コーポレート部門って、内部でも複数の専門領域があって、①全体感を認識しずらい、②事務作業をこなすだけに見えがち、などの理由から もやっと感が出るときありますよね。
そんなコーポレート部門について、会社としての役割期待を俯瞰して見ることで「何をやっているか。」を理解してもらうきっかけになればと思っています。
(特にコーポレート領域でキャリアを考える人の参考になったら嬉しいです。)

また、コーポレート部門が整備された大きな企業と違い、スタートアップではコーポレート部門は、局面によって角度の違った働きを求められることがあります。そんな中、幅広い業務を行う中でいわば「ギアチェンジ」が必要になると考えていますが、その「ギア」がどこにあるのか、の参考にもなったら嬉しいです。

当社ではコーポレート未経験でJoinするメンバーも多いため、スポーツチームをベースに「何をやっているか」を考えてみました。


スタートアップのコーポレート部門は何をやっているのか?

さて、最初に結論ですが、スタートアップのコーポレート部門の仕事はこのように表すことができると思います。

この図の通り、会社におけるコーポレート部門は3つの役割に分類できます。

① チームを支えるサポーター
② 守備の要の1プレイヤー
③ 攻撃・守りの司令塔/バランサー

※一応・・・同じような類型で整理されている方がいらっしゃる気もしてます。なんらか著作権に関わるところがあればご連絡いただければと思います。

① チームを支えるサポーター

まずはチームを支えるサポーターとしての役割です。

チームが戦うため、みんなのパフォーマンスを上げていく役割で、全社員が関わるインフラ機能、業務フロー構築・改善、情報整理などを担います。
業務レベルで言うと、オフィス環境整備や備品管理などの総務業務、アカウント管理やネットワーク管理などの情シス業務、各種業務推進のための稟議制度や社内ルールなどの制度設計などです。

チームが試合を戦うためのインフラを担う役割であり、各メンバー・チーム全体のパフォーマンスを上げていく役割で、スポーツでいうとマネージャー・トレーナー・分析担当にあたります。


② 守備の要の1プレイヤー

次に、一般的に管理系業務として知られる役割である「守りの業務」です。

会社自体が継続するために必要な事項へ対応する役割であり、コーポレートのひとりひとりがプレイヤーとして業務に向き合うパートです。
会社法・金商法・労働法等の法定事項への対応、入出金・債権債務管理、給与計算、契約の管理などが該当します。

会社というチームの中でディフェンス部分にあたります。


③ 攻撃・守りの司令塔/バランサー

最後は、時にはオフェンスを推進し、時にはディフェンスにも回りチームの戦線のバランスをとる司令塔的仕事です。

経営・事業・サービスの成長の推進という大きなテーマについて、コーポレートサイドから取り組む役割であり、中期計画・予算の策定、意思決定への示唆だし、全社横断プロジェクトのファシリテーションなどです。
業務レベルでは、スキームや座組の構築なども該当します。
一般的に「経営企画」というで表現されることが多いですね。

ひとつの業務領域にも3つの役割

割と思い切ってコーポレート業務を分類してみましたが、タスク管理などで使用する一般的な業務整理は以下のようなものですよね。

当社も、業務種別での管理はしており、個別のタスク管理を行う場合などはこの形が適切だと思います。

先に申し上げた「3つの役割」は、この業務種別を会社の中での役割期待ベースで抽象化したもの、という位置づけになります。

財務経理業務ひとつとっても、会社として、角度の異なる役割期待があるということです。
全社員のパフォーマンスを上げるための"業務フロー構築と改善"、会社の守りの要としての"法定開示事項などへの対応"、数値分析・財務観点に基づく"意思決定への示唆だし"といった具合です。


ギアチェンジの必要性

大きな会社で1チームにそれぞれの役割を担う人が専任で存在するケースもありますが、スタートアップでは、1人が3つの役割を担う必要が往々にして発生します。
"プレイヤーとして守りを固めながら、他メンバーのコンディションを管理し、必要な局面では前線で攻撃の設計をする"・・・という具合です。

これが実はなかなか難しくて、プレイヤーとして守りに意識が行き過ぎていると、攻撃の起点となる際に保守的な思考に偏ってしまうことがありますし、分析や示唆だしという観点を持ちすぎるあまり、全社の生産性向上へのオペレーション構築業務が遅れてしまう、などの事象が発生してきます。

このような観点から、変化し続ける局面でどの役割を担うかを考え、ギアチェンジしていくことがコーポレート部門としての会社への貢献にとって重要な事項になります。


スタートアップのコーポレート部門をレベルアップしていくためのポイント

踏まえて以下のような観点がコーポレート部門のレベルアップに必要だと考えています。

① 前段からの続きですが、筋肉の使い方が異なる3つの役割をこなさないといけないため、今自身の業務・担当領域が会社・チームでどの位置づけにいるかを考え、ギアチェンジを意識していくこと。

② 変化が激しい環境で、会社にとって必要な局面で必要な役割を担っていくことが求められるため、メンバー・チームがサポーターとしての能力とプレイヤーとして能力をバランスよく高めていくこと。

③ 管理系業務は一定の正解があることが多いため、自身の担当業務を軸に物事を考えてしまいがちですが、最終的にはチーム(=会社)全体の中で価値を出していくことが求められます。そのためにチームの得意不得意・位置づけを踏まえるため、チーム(=会社)理解と密なコミュニケーションを行っていくことがポイントになります。

キャリアの積み方へのヒント

コーポレート領域では、「会計」「税務」「内部統制」や「法務」、「IR」など専門領域ベースでキャリアを考える方も非常に多いと思います。
コーポレートでは強い専門領域1つ持っているのは有用です。

僕はこれに加えて、コーポレート部門が担う3つの役割期待を踏まえながら、①専門領域の業務の目線を高めていく、②役割期待ベースで隣の専門領域外へ滲み出す、という観点を持つとキャリアの進め方について、大きなヒントになると考えています。


以上年末の脳内メモでした。

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