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ワイルドスピードの初代とジェットブレイクの比較

とある配信者が「ワイルドスピードはシナリオがわからなくても車がかっこよくて楽しめるからどこから見ても大丈夫」と言っていたのでとりあえずネトフリにあったワイルドスピードを観てみた。ワイルドスピードシリーズは完全に初見である。

ジェットブレイクを観てみた感想だけど、正直この映画はアクションシーンが壊滅的にダメだと思う。緊張感が全然ないしひたすらに冗長。「ワイルドスピードシリーズ全然面白くないじゃん……」と思って手を引こうと思ったけど、せっかくだし初代を見てみたら開始4分で面白い。ジェットブレイクがつまらないだけだった。

ただ、つまらない映画を観たからこそ「つまらない点」が浮き彫りになり教訓が得られるというのはある。ジェットブレイクがつまらない理由というのは上にも書いたがアクションシーンの冗長さにあると思う。緊迫感を生むために入れてるのであろう一瞬映るカットも冗長だしとりあえず入れてる感がある。一瞬と言いつつも明らかに間延びしていてフレーム単位でセンスがない。一部のちょっとしたカットを追加したり短くしたりするだけで相当変わりそうな気がする。初代ワイルドスピードの最初の4分と比較するだけでもその冗長さがわかる。初代は一瞬映るシーンでもカットの配置にセンスがありアクションシーンに緊迫感が生まれている。

あとジェットブレイクは1シーンごとのカットが長いうえに同じようなカットが多い。ここで言っている「同じような」というのは同じ構図という意味ではなく「意味合いが同じような」ということである。主人公だけでなく仲間たちもいるのでそれぞれシーンが変わるけど場面が変わってるだけで進展がなく同じような展開が続く。もっとギミックとか出して違う感じを見せればいいのにひたすらに冗長なのである。まったくギミックがないわけじゃないけど少ないと思う。

最後の宇宙に行くところも「こんな雑な乗り物で宇宙に行くの!?」というバカ映画にありがちなトンデモ展開で面白さを作り出そうとしているのだろうけど、展開が唐突だし突き抜けが足りないので中途半端。良いバカ映画っぽさを作り出すセンスもなくスベリまくっている。

物語の主題である父親の死についての話も父親の印象深いシーンがないのでいまいち感動できない。記号的に親の死というものを挿入しているだけで物語としては有効に作用していないと思う。

初代の方は本当に面白いと思う。アクション映画の良さがひたすらに詰まっている。良い意味でよくわからない展開が続くので「どういうことだ……?」と困惑しつつも面白く観れる。演出次第では世界が危機になるジェットブレイクみたいな展開よりも警察に捕まりそうになる初代の展開の方が緊迫感が生まれるんだなぁと思った。

あと初代は日常シーンが多いというのも見ている側に親近感が湧く要因なのかもしれない。ジェットブレイクは味方の2人組が出てくるところくらいしかほんわかするシーンがないし、全編にわたって真面目なのでキャラクターの生感が出てないと思う。恋愛感情だとか友情、敵意などをプリミティブに描かないと初代みたいな面白さは作り出せないような気もする。例えばヴィンスが電子レンジに何かを入れてレンジが動かないから叩くシーンとか意味なさそうに見えて生活感を出すために重要だと思う。

ただここまで酷評したけど他の人のレビューを見るとアクションシーンは良いと言っている人が結構いる。もしかすると自分はアクション映画の面白さを捉える力がないんだろうか?初代を面白く感じている以上そんなことはないと思うけど、もしかすると少なからずアクション映画適性がないという可能性もある。

アクションに関しては映画館で見るかどうかにもよりそうな気はする。レビューを上げている人はたいてい映画館で観て動画や記事を投稿しているだろうからアクションに関しての感じ方には少なからず差異がありそう。そういう意味では映画館で観たかった作品かもしれない。

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