宣伝をまったくしない映画「君たちはどう生きるか」と、ほぼ全部見せの「ミッション・インポッシブル」の違いが興味深い
いやー、これ気になりますよねぇ。
宮崎駿監督の10年ぶりの新作であり、おそらく今度こそ最後の映画になるであろう映画「君たちはどう生きるか」ですが、宣伝を一切おこなわないと、鈴木敏夫プロデューサーが明言されたそうです。
実際に、もう公開まで1ヶ月になろうかというのに、公式サイトにもポスター画像1枚しかでてませんし、ジブリの公式ツイッターや公式YouTubeにもほぼ情報はありません。
フライデーの記事によると、「今回はすべてのメディアにおいて、事前情報はいっさいNG。宮崎監督本人の稼働もない」そうで、「配給する東宝の幹部ですら『ビジュアルのキャラクターが何なのかもわからない』と言うほど、情報が入っていない状況」というから凄いです。
宣伝しないというのは、どうも宮崎駿監督の意思でもあるみたいですね。
冒頭の記事によると鈴木敏夫プロデューサーは、こんな発言をしてるんですが。
これタイミング的に想像する限り、「君たちはどう生きるか」の翌週に公開される「ミッションインポッシブル」の最新作のことですよね。
実際、こちらは大盤振る舞いの2分強のティザー映像が公開されていて、確かに鈴木プロデューサーが言うように、映画でおこる山場のシーンが大体分かりそうな全部盛り、というハリウッドのプロモーションの典型例のような動画になってます。
なにしろ今回の「ミッションインポッシブル」は、映画の最大の見せ場であるはずのスタントシーンの撮影の裏側を、もう映画館とかで事前に流しちゃってますからね。
映画館でこれどうやって撮ったんだ?と驚いて欲しいはずのシーンの撮影手法まで先に見せちゃって、それを観客に映画館に観に来いと呼びかけるという、今回のジブリとは真逆のパターンです。
私も、正直このハリウッドの姿勢は嫌いなんですよね。
マトリックスの時も最後の山場のシーンが思いっきり予告編にでてて、ショックを受けた経験があります。
それ見たら映画見てる途中にストーリー予測できちゃうじゃんと。
最近のハリウッドの予告編、どんどんヒドくなってる気がしますよね。
自社でファスト映画作ってる感じ。
ちなみに、その辺の話はこの文藝春秋の対談で鈴木さんが語った話が元になっているようです。
ちなみに、少なくとも日本の興行収入の実績で言うと、「ミッションインポッシブル」は、最高が「M:I-2」の97億で、後は大体50億前後。
それに対して宮崎駿監督は、「千と千尋の神隠し」の317億円を筆頭に、日本のアニメの歴史に刻む興行収入を生み出していて、10年前の「風立ちぬ」でもきっちり120億円を叩き出してます。
そういう意味では、普通に考えれば今回も「君たちはどう生きるか」が「ミッションインポッシブル」に興行収入では勝つと思われます。
まぁ、もちろん映画は勝ち負けではないんですが、気になりますよね。
ただ、個人的にちょっと心配になるのは、フライデーの記事では今回の宣伝しない手法を「スラダン戦略」と表現されていますが。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」も、「あらすじ」とか「チラシ」とか、従来の映画館の宣伝手法の常識的だった手法を実施せずに映画業界で批判されていた一方で、YouTubeとかツイッターのカウントダウンとか、SNSを通じたコアファンを盛り上げるための事前プロモーションは結構しっかりやってたところなんですよね。
映画館に何度も足を運んだ人向けのノベルティ配布とかもかなり丁寧にやって、ファンがネタバレせずに映画館に行ったことをSNSでクチコミしやすくして、ロングランにつなげていた印象ですし。
その辺のSNSとかファン向けの取り組みは、ジブリや東宝側で用意しているのか、それとも今回は本当に一切何にも宣伝を行わないのか、それで本当に大丈夫なのかは、ちょっと気になるところです。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」は宣伝をしなかったんじゃなくて、従来の映画の常識的な宣伝のやり方を選択しなかったという理解をしたほうが正しいと思うんですよね。
それが今回の映画「君たちはどう生きるか」が本当にまったく宣伝をしないのであれば、ちょっとそれはモノづくり信仰に偏りすぎてるリスクもある気がします。
それぐらい今回の映画の完成度に自信があるということなのかもしれませんが。
地味に、映画のポスター画像も縦長しかなくて、ネットメディアのヘッダー画像とか、ツイッターとかのシェアに向いてない点とかも微妙に損してる気がして、気になってしまうんですよね・・・
いずれにしても7月14日の公開を楽しみに待ちたいと思いますが、まずは今晩の21時から、この辺の話題を皆さんと雑談できればと思います。
タイミングが合う方は是非どうぞ。
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