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Nouns DAOと統治の哲学【後編】

はじめに

こんにちは!本郷Web3バレーです。
Stanford Blockchain Reviewシリーズになります。
このシリーズではStanford Blockchain clubの業界レポートであるStanford Blockchain Reviewを日本語に翻訳したものを要約と我々の観点とともに発信していくものとなっています。
翻訳の許可をくださったStanford Blockchain ReviewのJayYuには感謝申し上げます。
前編では本文とその要約を、後編では我々の議論内容と観点を発信します。前編を追いながら後編を見ていただけるとわかりやすいのかなと思います。
今回扱うテーマは「DAOと統治について」です。

腐らない統治体制はないと言われています。そんな中で腐らない支配体制を支配体制を作るのに鍵とされているのか市民社会です。本記事ではNouns DAOをヒントに分散化された、民主的な市民社会の構築方法を見ていきます。

実施報告・内容

概要

6月6日の19:00から20:30頃まで、駒場の近くに位置するコワーキングスペースにて、ミーティングを開きました。
記事の内容についてみんなが理解できるように一緒に読み、適宜知識の補足説明を行いました。
初心者が多かったですが参加者全員で難解な内容について理解することができ、有意義な時間となりました。

どのように行ったのか

6月6日の19:00から20:30頃まで、駒場の近くに位置するコワーキングスペースにて、ミーティングを開きました。

参加メンバーは、Twitterの募集フォームを通じて参加申し込みをした方々と、本郷web3バレーのライン、discordを通じて告知に応じたメンバーです。

今回のミーティングではNouns DAOと統治の哲学をテーマとし、メンバー各々が顔を合わせ、新たな知識を吸収し、DAOについての議論を展開することを目的としました。

本文はこちらにあるのでぜひ読んでください!

初めの40分間は、テーマの概要と要約を軽くさらい、それを基に自由に発言をして理解を深めました。続いて、短い休憩時間を挟んでから、各参加者が自己紹介を行い、交流しました。

時間の制約上、当初予定していたグループ分けによる議論の時間は設けられませんでした。それは残念でしたが、その後の議論は各グループで行うことを期待して、解散となりました。

内容

オンラインおよび対面にて計12名が参加する中、今回の集会は実施されました。初心者の参加者が多かったため、基本的な概念の説明に時間を費やしました。

初めに、NFT(非代替性トークン)についての解説を行いました。NFTは、初歩的にはデジタルアートと同様に理解されても問題ありません。より詳細に説明すると、ブロックチェーンの透明性と改ざん防止の特性を通じて、所有権が保証される唯一無二のデータです。これにより、データの複製が不可能になります。

NFTの発展についても触れ、かつては画像の所有権を認めるものであったNFTが、現在ではユーティリティなどが付与された資産の保有証明書のように利用されていると説明しました。過去の例としてBeepleや最初のツイートなどを挙げ、現代ではUniCaskのようなユーティリティ付きNFTプロジェクトが登場していることを紹介しました。

さらに、NFTを思想の象徴とする可能性の説明をしました。これは、NFTが思想を象徴し、それがDAO(分散型自律組織)の軸となることを示唆します。

DAOについては、分散的かつ自律的な組織として一旦説明をしました。分散性とは意思決定が分散化され、ガバナンスなどの工夫を通じて参加者がその過程に関与できる形態です。また、自律性はその通りです。

DAOが自律的に機能するためには、参加者が組織への帰属意識を持つことが必要であり、そのためにNFTが用いられます。これは先ほど述べたようにNFTの新たな利用法として、思想を象徴するNFTを「所属バッジ」として使い、参加者に帰属意識を与えるものです。Nouns DAOは、NFTの保有者がコミュニティへの帰属意識を得るための具体的な例となります。

https://opensea.io/assets/ethereum/0x9c8ff314c9bc7f6e59a9d9225fb22946427edc03/554

DAOの拡大はその思想の影響力の増大に依存するため、Nounsや同様の形態のDAOはその影響力を大きくすることが非常に大事です。

また、Nouns DAOはその分散性が実現されており、その点については特に触れる必要はありませんでした。

そして、このようなコミュニティへの所属感がによって自立性が実現されると、市民社会の実現が可能となると筆者は述べています。

ここで重要なのは、市民社会が政治的腐敗を防ぐ唯一の持続可能な手段であるという視点です。この視点から見れば、筆者は市民社会がDAOによって形成される可能性を示唆しています。

市民社会がDAOによって成り立つのではないかと筆者は考えています。
このように全体をまとめて説明を行いました。

議論

まずは解説中の質疑応答の一部をここにまとめます。

Q.NFTによって生じるアイデンティティとは?

A.そのNFTを持っていることで、その人のパーソナリティを示す、NounsのNFTを持っていることによってNounsの思想に共感しているというアイデンティティを主張することができる。

また、NFTが参加バッジのように機能して、コミュニティに所属する一体感を持たせる。

Q.ミームとは

A.2つの意味がある。ネット上の流行と遺伝子の文化版。

Q.NFTとFTの違いとは

A.NFTは団体に加盟するためのパスポートのようなもの
FTはその中で流通される通貨のようなもの
と考えると良い

また、感想もここに掲載します。

-実際に事業をしている方の説明などが的確で感動した、やっぱり手を動かしていることは強い。自分も知識がついているように感じたのは非常に良いこと。 それを踏まえてもっと議論ができたら良かったと感じている。

-4月にweb3を学び始めた時はわからないことが多すぎてそれをいちいち調べるのが大変で止まってしまっていたので、分からないところをすぐ質問して教えていただけて非常に面白かった。特にブロックチェーンの本質的な使い方という点は今後ブロックチェーンが継続して注目を集める上で重要だと思ったので考えていこうと思う。

-全然知らないことをたくさん学べて楽しかったです。色々挑戦している方が沢山いて自分も頑張ろうと思えました。

-思想的なWeb3は語る場が少ないので、貴重な機会でした!

-DAOやNFTに関する知識が深まり、興味も湧いてきたので参加して良かった。 今回の内容については哲学的な部分が多く、抽象的な理解にとどまってしまっている。抽象的な部分については具体例などがもう少しあると良かったかもしれない。 現地にいたことで議論を聞いたり実際に質問をして自分の理解を深めることができて楽しかった。

最後に

当団体ではいつでもメンバーを募集しています。どなたでも加入できますのでこちらからぜひ申請してください。
一緒に学びを深めていきましょう!

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