ニューヨークのチャイナタウンで暮らす
魚醤のような八角のような香りが立ち込める街だった。
ニューヨークのチャイナタウンの中にあるアパートメントの一室で、
一階のソファーにアクセサリー作家。二階のロフトマットには私、旅の音楽家が寝ていた。
部屋の中央にはテーブルがひとつ。
セントラルパークが黄金色に染まるはずの季節なのに、気温は30度になる。
クーラーなどは付いていないので、向かい合わせでそのテーブルを囲んで、まるで下着同然の姿になってご飯を食べる。そうでもしないと食べれないほど暑いからだ。窓の外は濃ゆい香り