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テレワークのいい点・悪い点、今後めざすべきテレワークMIXとは


4月7日から約1ヶ月半。東京都の緊急事態宣言がやっと解除されましたね。全国的にテレワークの導入が広がり、企業・従業員の方々は対応に追われた方も多いかと思います。
テレワークになって良かった点・悪かった点など、続々と声が挙がっていますね。みなさんの職場ではいかがでしょうか。

■テレワークについての世の中の声

1.好意的な声
①効率的に仕事が出来る(通勤時間短縮、無駄な会議の削減、無駄な会話を省き業務に集中できる)
②ワークライフバランスが確保できるようになった(家族との時間、プライベート時間が増えた)

2.マイナスの意見
業務に関すること
①ITスキルが低い人が遅れをとってしまう、またその対応に追われる
②テレワークにもかかわらず、出社すべきだという空気になる
③コミュニケーションがうまくいかない(チャットが不得意など)

環境関連
④在宅では仕事に集中できない(子供たちや家族と一緒で、など)
⑤在宅のネット環境(家族が動画を見ていると回線が遅くなるなど)

テレワークが成功しているかどうかは、業務内容や環境によって異なるため一概には言う事は出来ませんが、SNSやインターネットで、みなさんの声や参考になると思った記事を拾ってみました。

・家庭の中にオフィスがあるということ

・在宅勤務65%が「育児で仕事中断」 両方はムリと悲鳴

“都内の自宅で在宅勤務をする会社員。すぐに子どもに呼ばれるため、デスクで仕事をすることができない”

・使いこなせない人が取り残される、出社しなければという空気が流れる


・コミュニケーション不足

・テレワーク 働きぶりの“見える化” (社員が「着席」のボタンを押して仕事をしている間の、パソコンの画面がランダムに撮影され、上司に送信される仕組み)など、について


■テレワークの起源と日本

テレワークがいつ始まって、どの程度・どのように日本企業に浸透しているのか知りたいと思い探ってみたところ、総務省の情報通信白書関連のページにはテレワークの歴史に関する資料が沢山ありました。

平成10年版の情報通信白書によると、そもそもテレワークの起源は、元を辿れば1970年代のアメリカにあるそうです。
リンク:平成10年版 通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h10/pdf/H10_05_C2E81BECF.pdf

もともとアメリカでは、
①企業内の業務分担が明確で、仕事の評価が成果中心であること
②経費削減の観点から、可能な業務についてはアウトソーシングを行うことが通常であること
③国土が広く時差もあるため、共働き夫婦等が在宅勤務やサテライトオフィスを希望ことが多かった
④排気ガスによる大気汚染が深刻な問題であり、自動車通勤を抑制する必要があった
という理由で、テレワークが発達してきたそうです。

一方、日本におけるテレワークの先駆者はNECで、1984年から90年にかけて、東京・吉祥寺にサテライトオフィスを設置したのがはじまりだそうです。結婚や出産を機に優秀な女性社員が退職してしまうのではなく、比較的通勤しやすい場所にサテライトオフィスを設け、都心の本社オフィスと同様の業務環境を準備するというものだったそうです。
(下記写真は、日本のテレワークの第一号と言われるNEC吉祥寺サテライトオフィスです。1人あたりの面積も広いし、パーテーションもあり、集中できて仕事がはかどりそうだなと思いました)

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出典:「テレワークの動向と生産性に関する調査研究報告書」(平成22年3月 総務省 情報通信国際戦略局 情報通信経済室)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h22_06_houkoku.pdf

日本でのテレワーク浸透状況はどうでしょうか。
総務省の最新の通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業の割合は平成30年(2018年)の調査で19.1%だそうです。グラフを見ると2018年に導入している・導入を予定していると回答した企業がともにぐんと上がっているのが分かります。

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出典:「通信利用動向調査 平成30年調査」(令和元年5月31日公表・総務省)

また、平成28年(2016年)調査からは、新たに「テレワークを導入しない理由(複数回答)」という項目が設けられています。(「テレワーク未実施で導入予定もない企業」に対しての質問項目です。)
過去との比較をグラフにしてみました。

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圧倒的に「適した仕事がない」の割合が多いのは変わりがなく、二番目に多い理由「業務の遂行が厳しい」もおそらく「テレワークに適した仕事ではない」に理由が似ているように思えます(業務内容がそもそも遠隔対応ができないなど?)。

一方、「情報漏洩の心配」「導入メリットがわからない」は減っており、テレワークに対して前向きな意見が増えていることがわかります。「文章の電子化が進んでいない」がぐっと増えていますが、電子化をしたほうがいいのにしていない、という意見の表れだと見ることもできそうです。

その他の増えている項目は、「コミュニケーションの問題」と「評価制度面での問題」に大きく二分できそうです。

「社内のコミュニケーションに支障」「顧客等外部対応に支障」
→コミュニケーションの問題
「社員の評価が難しい」「人事制度導入に手間」「給与計算が難しい」
→評価・評価の仕組みの問題

リモートだとできないor難しい、社内での対面コミュニケーション社員の実績評価に問題を抱える企業が多かったからこそ、前者はビデオ会議ツール、後者は実績管理・人事管理ツールなど、数々の便利なソフトが世に出てくるようにもなりました。そういったツールでも解決できないこと、それがオフィスが必要な理由につながっていくのではないでしょうか。

そんな事をつらつら思う中、下記の2017年の記事は非常に参考になったのでご紹介します。

■参考記事 推奨が正しいのか? 米IBMの「テレワーク廃止」から考えたいこと(2017年の記事)

“ヤフーの場合、テレワーク禁止を発表した後にわかったことは、ずさんな勤務実態だ。テレワークを利用していた社員が勤務時間中に副業していたり、自分の会社を立ち上げていたり、ということが明らかになった。”

“IBMの場合、オフィスコストは削減できたが、チームワークやコミュニケーションが欠如したことのデメリットの方が大きいと捉えたのだろう。~~ フルタイム在宅勤務は、個人の仕事は効率良く担えるが、他の人たちとのコラボレーションや協力体制を築くことにはハンディとなることは事実だ。”

“社員同士が頻繁にフェイスツーフェイスのコミュニケーションが取れる”“イノベーションは、人同士の何気ない会話や直接に顔を合わせている時に生まれるため、その機会を増やすオフィス勤務が、今のIBMには重要なのだ。”

グーグル、アップルやフェイスブック等も、積極的にテレワークを進めてはおらず、“会社に来たくなるようなオフィス作り”をしているという事も書かれていました。

引用が多くなってしまいました。上記記事の事例の前者のように「社員の管理・監視」を理由にオフィスに集めるような流れはあまり嬉しくないですよね。業務が適していて適切なマネジメントがあればリモート業務のほうが実績が上がる場合もあるはずです。

仮に管理が必要だと会社が判断した場合でも、”オフィスの存在意義「コミュニケーション」や「パフォーマンスを引き出す」こと” →”だからオフィスでの勤務が必要”そういう風に社員に伝わるほうが成果が上がるように思えます。


■今後めざすべきテレワークMIXとは

緊急事態宣言が明けましたがまだまだ安心とは言えない状況で、今後同じような事が起こる可能性もゼロとは言い切れません。また、しばらくは満員電車や過密オフィスは避けるべきだと思いますし、そのためにはテレワークMIXが理想ではないでしょうか。
無理のないテレワークMIXを社内で実現するために、3つのポイントを挙げてみます。
※会社のいち組織単位を想定

1.数値化・ドキュメント化の徹底(グループウェアやクラウドツールで実現)
2.非同期コミュニケーション(締め切りは重要だけどガチガチに時間管理はNG)
3.オフィスの活用(気軽なコミュニケーションができる情報交換の場として)

もちろん、業務内容によってテレワークでは出来ない事もあると思います。
まずは業務の棚卸をして、これはテレワークで良いというものを列挙してみてはいかがでしょうか。
業務プロセスの見直しや改善につながるに違いありません。

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出典:「テレワークの動向と生産性に関する調査研究(平成22年)」(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h22_06_houkoku.pdf

■業務内容視点だけではなく、向き不向きも重要。

正直テレワーク賛成の従業員さんも多いはずですが、パフォーマンスがテレワークで上がるという人だけではないはずです。一人で家にいたほうが集中できる人もいれば、そうでない人もいる。テレワークの向き不向きはある!という視点
業務単位で、そして技術的にもリモート対応可能な仕事であったとしても、それが個人のスタイルに合っていなければ成果は上がりません。

部署全体で、会社全体で、成果を上げられるように、それぞれのリモートMIXスタイルを模索していけると良いですね。

-STAFF K


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