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イベルメクチンとパンデミック その2


なぜ、イベルメクチンを叩くのか?


FLCCC

武漢で新型コロナウイルスが発生して4カ月後の2020年 3月、アメリカでFront Line COVID-19 Critical Care Alliance (FLCCC) という非営利団体が設立されました。この団体は、イースタン・バージニア医科大学のポール ・マリック医師とウィスコンシン医科大学の ピエール・コリー医師らが中心になり、新型コロナ感染症に関する世界中の論文を審査して効果的な治療法を開発し、情報を共有する為に立ち上げられたものです

FLCCCは早くからヒドロクロロキンとイベルメクチンに注目していました。特にイベルメクチンについては、副作用を起こさずにウイルスを減らす効果が高いことから、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)とNIH(アメリカ国立衛生研究所)、そしてFDA(アメリカ食品医薬品局)へ新型コロナの治療薬として推薦するよう進言しています。

補足:アメリカには、日本の厚生労働省のように国民の健康を一括で統括する組織はありません。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)公衆衛生に基づいた指導をする
  「マスク付けよ」「2メーター離れろ」「ワクチン打て」など
FDA(アメリカ食品医薬品局)食品添加物や薬、ワクチンの販売を審査する
NIH(アメリカ国立衛生研究所) 病気や薬などの研究所を統括する

しかし、政府はFLCCCの進言に耳を貸さず、真逆の決定をします。2020年4月10日、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、動物用イベルメクチンを人の治療用として使ってはいけないと警告し、8月にはNIH(アメリカ国立衛生研究所)が、臨床試験には認めるが、治療でイベルメクチンを使うべからずという勧告文を発表しました。

2020年11月、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の中から、イベルメクチン推進者が現れます。NIH(アメリカ国立衛生研究所)でウイルス学の研究をしていたハーバード大学のジョージ・ファリード教授が、米国上院の公聴会で
「ヒドロクロロキン、亜鉛、イベルメクチンを併用する早期外来治療は有用である」
と証言したのです。しかし、それでも政府は動きません。

新型コロナウイルスが発生してから北半球が迎える初めて冬、ついにFLCCC は行動に出ます。2020年12月4日に記者会見を開催して政府の対応が不誠実だと批判しました。12月8日には、ピエール・コーリー会長が米国上院国土安全保障・政府情報委員会に出席して、イベルメクチンを一刻も早く使えるようにするべきだと発言しました。

この時の動画はyoutubeにアップされ、1週間で10万回以上再生されましたが、翌月に削除されました。

彼はICU病棟で働く現役の医師です。議会の証言の席では、治療の甲斐なく亡くなった患者さんを想ってか、時折言葉に詰まりながらも、新型コロナの治療薬として一刻も早くイベルメクチンを承認して欲しいと力強く訴えています。

以下、ピエール・コーリー医師の発言内容です。

「山のようなデータが世界中から 出てきており、それらはすべてイベルメクチンの奇跡的な有効性を示しています。
昨夜は、アルゼンチンのアイバン・ベントンの主任研究者であるヘクター・カルバハル博士が、800人の医療従事者に予防投与をしたところ、一人も病気になっていないという試験結果を教えてくれました。イベルメクチンを飲まなかった人達は、400人のうち58%が、つまり237人が感染したのです」

「イベルメクチンを飲めば病気になりません。もし感染しても、死亡する確率は非常に非常に小さくなります」

NIH(アメリカ国立衛生研究所)が推薦する新型コロナの治療薬は、トシリズマブやレンデシビル、モノクローナル抗体やワクチンのような、新しくて高価な薬剤ばかりです。なぜ、既存の薬で有効なものを探そうとしないのですか?」
「5か月前に、イベルメクチンの効果を示す30の論文を、NIH(アメリカ国立衛生研究所)へ提出しています。しかし、彼らは未だに送ったデータを無視しています。ICUでは毎日、患者が死んでいます。医療スタッフは疲弊しています。早く、この特効薬を検討してください」


⇩ youtubeでは当日の委員会の動画全編のみ。(コーリー医師の発言は29分から38分まで)


⇩ ニコニコ動画では視聴可

⇩ Alzacker先生のページには文字起こしがあります


ピエール・コーリー医師の願いも空しく、アメリカの公の機関は、頑なにイベルメクチンを認めようとしません。それどころか、イベルメクチン叩きはますます酷くなります。2021年の夏には全米のテレビやラジオでは「イベルメクチンは馬の薬だ。飲む奴はバカだ」というようなフレーズが繰り返し流されました。ついには、「ある州の病院に馬用のイベルメクチンを飲んで死んだ男がいる」というフェイクニュースが作られました。

⇩ 2021年夏ごろの米国のテレビ番組

⇩ 血管内で馬が暴れるイラスト

なぜ、イベルメクチンは効果を否定され、処方薬として使わせてもらえないのか?
テス・ローリー博士に起きた「事件」を知ると、その謎が解けます。


テス・ローリー博士

テス・ローリー博士はイギリスの医師、医学博士で E-BMC Ltd という医学系研究コンサルタントの会社を10年以上経営しています。この会社は、WHOや英国の保健省などへデータに基づいた助言を提供しています。公の政策と直結するので、 彼女は、製薬会社や保険会社はもちろん、他の団体との利害関係を一切持っていません。

2020年のクリスマス前、ローリー博士は友人からのメールでピエール・コーリー医師の動画を初めて視ました。そして、数十のイベルメクチンの論文を自分の専門的視点から検証し、イベルメクチンは新型コロナを終わらせる「ゲームチェンジャー」になると確信したのです。

こちらの動画が判り易いです。

⇩ アメリカのテレビおよび映画のプロデューサー、デル ビッグツリーとテス・ローリー博士との対談


でも、50分あるので時間がない方の為に要約します。

       ⇩ デル ビッグツリー
「あなたは、このパンデミックをどう見ていたのですか?」
テス・ローリー博士
「私は、医師として何かできることがないかと、ずっと思っていました」


       ⇩ テス・ローリー博士
「イベルメクチンはWHOの必須医薬品で、とても安全な薬です。 しかし、新型コロナが始まってから、突然、仕様が制限されるようになりました。
同僚やWHO、英国、米国の保健省にイベルメクチンの効果を伝えれば、すぐに誰でも使えるようになると思っていました。イギリスの保健省やWHOにイベルメクチンが治療薬として有効だと伝えましたが、返事はありませんでした」


⇩ 「そこで、私(ローリー博士)はピエール・コーリー医師に連絡を取り、イベルメクチンの効果を広める為に協力すると申し出ました。すると、コーリー医師からアンドリュー・ヒル氏を紹介されます。 ヒル氏はリバプール大学に席を置くイベルメクチンの研究者で、WHOのコンサルタント業務に携わっていましたし、もちろん、コーリー氏の主張に賛成していましたので適任だと思ったのです」

⇩「私(ローリー博士)はヒル氏にメールを送り、WHOやNIH(イギリス保健省)を動かす為に一緒にやりましょう、と提案しました」


⇩ 「コーリー医師、マリック医師、ヒル氏と私は、クリスマス休暇を返上してイベルメクチンに関するレビュー(書簡、論文のようなもの)を書き上げ、1月初旬に3人が英国保健省で発表しました」

⇩ 「しかし、何日経ってもNIH(イギリス保健省)からの連絡はありません。そこで、私(ローリー博士)は、そのレビューに自分のレポートを添えた手紙を、ハンコック保健相のオフィスへ郵送しました。ジョンソン首相には個人的なビデオレターを作って送りました。それでも返事はありません」

⇩ 「コーリー医師、マリック医師は、NIH(イギリス保健省)から返信がないことに、とても落胆していました。そこで、私(ローリー博士)は、別のアプローチのレビューを書こうと思いつき、ヒル氏へ誘いのメールをしました。でも、実はその時には、ヒル氏はイベルメクチンに否定的な論文を既に投稿していたのです。WHOのコンサルタントという立場で利用して、です」

⇩ 「ヒル氏が投稿した論文は、イベルメクチンの高い有効性を認めながら、『正確で大規模なランダム化された治験を行わなければならない。それまではイベルメクチンの使用を推薦しない』と結論付けていました」

ヒル氏の論文は通常の形式とは異なり、引用した論文の名前がヒル氏と同列に書かれていた。引用論文の多くはイベルメクチンは有効と結論付けていたにもかかわらず、真逆の結論を導いていた。しかも、著者の承諾を得ないまま引用していた。これはまるで、ヒル氏が自分の責任をごまかしているように見える。

⇩ テス・ローリー博士
「一般の人には、この論文の不自然さはわかりません。著名な科学誌に掲載され、WHOの名前が付いた論文がイベルメクチンに否定的な結論を出せば、どの国も、どの機関もイベルメクチンを使ってみようなんて思わないでしょう」


⇩ 「ヒル氏は、自身のツイッターで『イベルメクチンの効果は疑いようがない。予防に使える薬だ。さあ、承認の備えて準備しよう』 と呟いていたんです。同じ時にこんな論文を出すなんて、矛盾しています。私(ローリー医師)はヒル氏に会わなければ、と思いました」
「彼はなかなか電話に出ず、結局、zoomで会うことになりました」

 ローリー氏は、ヒル氏とのzoomを公開している。 日付は2021年1月18日

⇩ ローリー医師「毎日、1万5千人が亡くなっている。イベルメクチンを使えば80%の人の命が救える。なぜ、あんな論文を書いたの? 私達の仕事はデータを視ることよ。正しい仕事をして欲しいのよ」
 ヒル氏はローリー医師と目を合わせようとしない。

⇩ のらりくらりと言い訳を続けるヒル氏に、ローリー医師は「誰かの圧力を受けているのか?」と質問する。名前を聞き出そうとするがヒルは言わない。 痺れを切らしたローリー氏が、彼の雇用主であるUnitaidなのか?と質問すると、彼はYESと答えた

⇩ ヒル氏はイベルメクチンの専門家でリバプール大に席を置いているが、独立した研究者ではなく、Unitaidに雇用されている。UnitaidとはWHOと協力関係にある非政府組織で、理事はビル・ゲイツだ。
Unitaidはヒルの論文の公開の6日前に、リバプール大へ4000万ドル(53億円)を寄付している。新しいワクチンの研究を始める為で、計画には注射型のイベルメクチン薬の開発も含まれていた。

ローリー医師「私は、ビルゲイツは慈善かではなく実業家だと思っています」


⇩ zoomで話した時には、ローリー氏はUnitaidの資金援助のことを知らなかった。
ローリー氏「みんなが良いことをしようとしているのに、あなたが全てをぶち壊しのよ」
ヒル氏「それは見解の相違だよ」
ローリー氏「違う。どうしてあなたが夜眠れるのか、私にはわからない」

⇩ あれから1年以上が経ったが、未だにイベルメクチンの処方は違法だ。

⇩ ローリー氏「イベルメクチンは感染後に後遺症で苦しむ人やワクチン後遺症の人にも使われています」
イベルメクチンは感染を予防する薬です。もしも、イベルメクチンとヒドロクロロキンが早期に承認されていれば、ロックダウンやマスク、緊急承認された治療薬や実験的なワクチンも必要なかったのです」


ローリー氏は2022年の1月にヒル氏へ手紙と短いビデオレターを送った。
その翌月、ヒル氏は問題の論文を撤回したが、既に世間の人々にはイベルメクチンは駆虫薬と刷り込まれていて、その洗脳は解けない。

2022年3月の時点で、ヒル氏からの連絡は未だにない。

⇩ ヒル氏の論文は撤回されたことを報じたニュース

補足

* Unitaidはj慈善団体を模していますが、実態はWHOの出先機関。特にワクチンに関する分野で活動をしている。主な資金源はビル&メリンダ財団など。

* ヒル氏が投稿した論文は、複数の論文を検証して結論を出すメタ解析(メタアナリシス)と呼ばれる手法で書かれています。一般的に、メタアナリシスの論文は単発の論文より信頼性が高いので、この論文のインパクトは非常に大きなものでした。

イベルメクチンは日本由来の薬であるにもかかわらず、ほとんどの医師や学者はイベルメクチンの効果に否定的でした。根拠に挙げるのは医学誌に載ったヒル氏の論文で、FLCCCやピエール・コーリー医師の発言には無頓着でした。

ここまで読んでいただければ、イベルメクチンが新型コロナウイルスの治療薬と予防薬になることはお判りになったと思います。では、イベルメクチンを飲んでおきさえすれば大丈夫なのでしょうか?
いいえ、事はそう簡単ではありません。次へ続きます。

イベルメクチンとパンデミック その2 (終わり)

その3、へ続く


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