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【徹底解説】NFTを販売して分かった7つのこと(2021年5月最新)

Tokyo Otaku Modeの安宅です。いま、いくつかのNFTにまつわるブロックチェーン・プロジェクトを並行して行っている真っ最中なのですが、実際にNFTの生成・販売をしてみることで、いろいろと分かってきたことがあります、今回は、そんな実体験に基づく7のことを書き連ねていこうと思います。

今回も、なるべくわかりやすい言葉で話していくようにしますが、もしかしたら、これまでにくらべて、やや専門的な話が多く出てしまうかも知れません。また、NFT購入する側ではなく、自分たちでNFTを作って、販売するクリエイターやメーカーの視点が多くなると思いますので、あらかじめご了承ください。


#1 NFTは通常商品を売るのと同じ

2021年に入ってから、NFTという新しいテクノロジーで、デジタルデータが唯一無二の限定商品として、世界中の人たちに売れる!という夢のような話が日本を含め世界中に駆け巡りました。

実際に、OpenSeaRaribleといった海外サービスを活用すれば、個人でもかんたんにデータを販売することができます。日本でも、nanakusaChocofactoryといったNFTをかんたんに作れて販売できるサービスも出てきたりと、デジタルな創作物を制作するクリエイターにとって、データをNFT化して販売することはとても気軽になりました。

実際にNFTを販売してみて気づくのは、ただ販売するだけだと、面白いくらいに、「まったく売れない」ということです。

NFTが売れないのは、ほとんどの場合、作品の質が悪いわけではなく、「その作品を買いたいと思ってくれる人にNFTを販売していることが伝わっていない」ことが原因になってことが多いと思います。

NFTは手で触ることはできないけど、いってみれば「商品」なので、商品を売るためには、物理的なグッズを売るときとまったく同じように考えれば良いのです。ざっくりいえば、マーケティングやプロモーションが大切、ということです。

私が関わったプロジェクトでは、最初に、そのNFTが持つ価値を定義することからはじめました。NFTが持つ価値は大きくわけて5つあるのではと思います。

クリエイターや作品が積み上げてきたブランドやストーリーに魅せられて、熱狂的なファンであることを証明するためのファンアイテムとしての価値。

そのNFTを持つと、クリエイターや作品についての特別な体験を受けられる「特典」としての価値。

NFTが持ちうるコレクションや資産としての価値。物理的なグッズでも、プレミアムがつくスニーカーやトレーディングカードなどが分かりやすい例でしょう。

NFTという新しいテクノロジーそのものや、NFTが浸透することで、世界がより平等になるという「思想」を表明する価値。

巷でNFTというのが盛り上がっているから、話のネタとしてや、流行に乗り遅れないようしたいというファッション的価値。

これらのNFTが持ちうる価値のバランスを考えながら、クリエイターや作品によって、どこが強みになるのかを考えると、誰がそのNFTを買ってくれそうかの輪郭が次第に見えてくると思います。すると、NFTを買ってくれる人へどんな風に何を伝えればいいかの方法も、だんだん見えてくるはずです。

NFTが持つ価値を明確に定義することが、NFTを販売するときに行う第一歩なのです。

#2 いまNFTを買っている人はこんな人

定番のイーサリアム上のNFTをいま購入しようとしても、ほとんどの方が脱落してしまうほど、購入ハードルがとても高いことは、よく知られてきていることだと思います。

そうした状況もあってか、私たちが販売したNFTの多くは、国内のクリプトアートコレクターと呼ばれる方たちが過半数以上でした。すでにNFT購入に必要なウォレットやイーサリアムなどの準備が整っていると、買いやすいのですね。

逆に言えば、現時点では、NFTを購入できる人はごく少数しかいないので、一般の人に買ってもらうための工夫を行うことが大切なフェーズということです。

いま定番のイーサリアムでNFTを作ろうとすると、1個作るコストが1万円近くかかってしまいます。すると、売値を原価から考えると、ひとつのNFTが数万円にもなってしまいます。商品としては非常に単価の高いことも、一般の人が買いにくい要因となっています。

一部の熱狂的な人を除き、クリエイターや作品の既存ファンにとっては高すぎて、ほとんど購入にいたることはありません。

そこで私たちは、NFTを作るコストが格安ですむサイドチェーンを活用して、1,000円くらいの低価格で、購入時にウォレットやイーサリアムが不要なNFTを販売してみる検証も行っていく予定です。

NFTが真の意味で社会に浸透していくには、ごく一部のクリプトアートコレクターだけでなく、こうした一般的な既存ファンの購入が増えることが求められているのだと思います。

#3 NFTの価格はどう決まるか

NFTも含めて、モノやサービスの価格は、需要と供給のバランスによって決まります。そのモノやサービスを欲しい人がたくさんいて、売る人が少ない場合、価格が上がる、これだけのシンプルな仕組みです。

もうひとつ大事な視点として、現代は、似たようなモノやサービスがたくさん供給されやすい仕組みになっていて、すべての商品はだんだん一般化していきます。供給が多くなると自然と価格は下がっていきます。

世の中に出た当初は50万円くらいしたパソコンが、いろいろなメーカーが作って売られるようになったので、いまではスペックの高いパソコンでも数万円台で購入できますよね。これは需要に対して供給が満たされていったから、価格が下がったのです。

いまの世の中のモノやサービスの価格は、「そのモノやサービスを提供するのにかかるコスト」から逆算していることがほとんどです。供給するライバルが存在するから、価格競争で勝つために、利益が出てギリギリ成り立つ価格までさげざるを得ない、というのが供給する側から見た視点なのです。

さて、ここまで書いてきて、鋭い人はピンときた人もいるかもしれません。NFTで提供するモノやサービスは、こうしたライバルがでないように供給をしくのが理想です。

最近NFTを発売して話題になったハイブランドのGUCCIのNFTは、分かりやすい例になると思います。GUCCIのコアファンからすると、仮にほかのブランドのNFTが販売されていても、GUCCIが売っているNFTにだけ特別な価値を感じるので、ライバルを寄せ付けないわけです。

ハンターハンターという漫画に出てくる世界に、限定100本しかないゲームソフトがあり、1本その世界では58億ジェニー=約50億円もするのです。ゲームソフト1本にとてつもない金額がついていますが、これは実際に現実でも起こり得る可能性があります。

例えば、スクエニの大人気RPG「ファイナルファンタジー」の次回作が、もし世界で100本しか発売にならなかったら、どうしても遊びたいお金持ちだけが買える金額でも、本当にこれくらいの金額で売れるかも知れません。

これらを計算式で表すと、

ブランドの価値=モノやサービスの売上合計
売上合計÷供給数=1つあたりの販売価格

ということで、超人気ゲームソフトの供給を極端にしぼると、一部の超富裕層でしか購入できない金額になりうるし、逆に供給を大量に行うことで、数千円台で遊べるゲームソフトが生まれるのです。

どれくらい供給するかで、ひとつひとつの商品の売値は変わってきますが、売上を合計すると、そのブランドが持つ価値が分かるのです。

NFTはこの供給を1つに限定したり、100万個に限定したりと自由に設計できるので、どういうファンが買ってくれるかが明確になっていれば、買ってくれる金額に供給量を調整することができるわけです。

#4 大手企業が本腰、NFTは社会浸透フェーズに

2021年3月のNFTのピークと比べると、いま現在はやや過熱がおさえられているように見えますが、伝え聞く情報だけでも、いまは嵐の前の静けさ的な状態です。特に、大企業ほど本気になっているように感じます。

NFTというのは、「電気」の発明に近い革命的なテクノロジーなので、「電気」を使ったいろいろな電子機器が出てきて、大きなメーカーがどんどんできてきたように、ほとんどの業種でNFTが絡まない領域はないといえるほど、巨大なインパクトをもたらすことが確定的です。

ただ、このテクノロジーは革命的であるからこそ、法務・税務・会計・環境面への配慮など、さまざまな面でリスクを避けながら進める必要があります。

インターネットやスマホが登場したときに、いぶかしがりながらなかなか一歩を踏み出せなかった企業が、あっというまに新興IT企業にリードを取られたと同じ轍をふまないように、むしろインターネット企業よりも早く、非インターネット企業のスピード感をもって前向きに進めている印象もあります。

NFTはあらゆるデジタルデータに応用が効くため、今後、そうしたデジタルな商品を購入する消費者は、好むと好まざるに関わらず、自然とNFTを保有する未来が訪れることになるのです。

まるで、インターネットが一部のマニアのものだった時代から、小型化し、マシンパワーも増し、手に取りやすい形のスマホに進化して、人類全体にいきわたったように、スマホという最強のデイバイス&インフラの上に乗っかることができるNFTは、一気に広まる土壌が整っています。

いまは、その浸透しだす始まりの段階で、まだGoogleトレンドなどからのリサーチでは、イノベーターやアーリアダプター層の10%にも満たない人たちの間で熱狂が生まれているだけで、キャズムを超えて社会に浸透していくのはまだこれからなのです。

#5 NFTの価値をどうやって伝えるか

イーサリアム上のNFTを一度でも購入した人は理解できると思うのですが、どんなにデジタルに価値があると信じ切っている人でも、いざウォレットにNFTが入っているのを見て、このNFTが本当に数万円以上の価値があるのか、一瞬わからなくなることがあるのです。

イーサリアムの場合、イーサスキャンというブロックチェーンにちゃんとデータが刻まれているかを確認できる検索サイトがあります。たしかに、自分が買ったNFTのコントラクトアドレスというNFTをつくるときに必要なプログラムのアドレスや、NFTをつくったアドレスから、自分の手元のアドレスに、NFTが移転したという英数字の羅列のログは確認できるものの、この数行のログが、何万円以上の価値を証明していることを、他の人に説明するのはなかなか難しいと思うのです。

いまのところNFTは、高級時計のように、所有しているだけでその価値をわかりやすく表現できるものではないのです。

これは私たちが物理的なモノやサービスが中心の世代に生まれてしまったことがすべての原因だと思います。手で触れるモノには価値があって、手で触れないものには価値が少ないと直感的に感じてしまいます。デジタルデータは、インターネット上でコピーし放題だから、タダで手に入ることに慣れすぎてしまったのです。

越境ECで、世界中のアニメファンへ物理的なファンアイテムを売っている身からすると、数万円以上するようなNFTのデータを一般的なECのような形で販売するのは、とてもチープに感じてしまうので、工夫が必要だと感じます。

物理グッズでも数万円以上するファンアイテムの場合、その商品の価値や魅力をしっかり伝えるためのランディングページを作り込みます。

物理グッズは購入後に手元に届くので、まだ価値を伝えやすいものですが、手元にデータでしか届かないNFTならなおさらそうした工夫が大切になってきます。

ここで、イーサリアム上の数万円以上するNFTを販売するときを想定して考えてみます。工夫のポイントはおもに2つあります。

1つ目は、購入前や購入時にNFTを紹介するときです。どんなにお金持ちの人でも、価値がなさそうなモノは買うだけ損なので心が動きません。手に取れないデジタルなNFTだからこそ、そのNFTの魅力や価値をしっかりリッチに伝える工夫が求められるのです。

ここでおすすめなのが、「メタバース」という仮想現実の世界をインターネット上に再現して、立体感や奥行きをもたせた3D空間のビジュアルで、NFTがまるでそのまま世界に存在するかのように、直感的に価値を伝える工夫をすることです。

現実に例えれば、購入前に住宅展示場で、実際の住まいの環境を五感で体験することで、住んだあとの想像力をかきたて、価値を確かめてもらうようなイメージです。

最近では、VRゴーグル無しで、ブラウザだけでメタバース空間を再現できる技術も発達してきたので、NFTを紹介するランディングページは、メタバースで表現していくのは今後のトレンドとなっていくでしょう。

2021年4月に行われた、Crypto Art FesでNFT活用のクリプトアートの様子を動画に収めたものを紹介します。

いかがですか。このCrypto Art Fesを体験したあとに、展示されたアート作品購入したい人がたくさん現れたというのは、ごく自然なことのように思えます。単なるECサイト上で買うお買い物体験とはまったく違う、リッチでワクワクすることが伝わると思います。

工夫のポイント2つ目は、そのNFTを持っていることで特典がつく設計です。NFTを持っていることで、そのNFTのクリエイターや作品の舞台裏などが映像で見られるなどの工夫は、無数に考えられます。

私たちが実現した仕組みとして、『メタバース劇場』といって、特定のNFTを持っているオーナーだけが入場できる仮想空間上の劇場を作成し、いわば映画のチケットのような感じで、NFTオーナーだけが映像特典を観られるようにしたのです。こちらも動画をご覧ください。

体験がとてもリッチで、現実の世界でいえば、テーマパークに入るためのパスポート的な機能をNFTにもたせることができ、付加価値を分かりやすく伝えられるのです。

#6 海外と国内の温度感の差と環境問題

私は3年前にもNFTプロジェクトに携わっていました。当時との大きな違いは、海外よりも日本国内の大きな盛り上がりを感じるところです。当時は海外7割、国内3割だった盛り上がりが、今は海外1割、国内9割というくらい反響の温度感が違います。

ちなみに、アート領域だと、金額感含めて海外のほうが真の盛り上がりを見せているのですが、こうした一部の暗号資産長者が作り出している超高額のクリプトアート系を除けば、実は日本国内ほどの熱狂は感じません。いろいろな理由が考えられるのですが、確実にこの熱狂に水を指しているのが、「NFTが環境問題に悪い」という一部の批判だと思います。

NFTはブロックチェーン技術によって生まれたものでありますが、同じブロックチェーン技術を生み出したビットコインとはまったく別物のイーサリアムというブロックチェーンで生み出されたものです。

さて、ビットコインが電気消費量がとても多く、環境破壊を起こしているという批判が最近でも起こっていますが、ビットコインの機能を、金(ゴールド)や銀行といった同じ機能と比較すると、圧倒的にビットコインの電力消費量は低いのです。

さらに、NFTに目を向ければ、現時点でもイーサリアムはビットコインの電力消費量の1/10程度であり、イーサリアムの電力消費量はNFT以外にもDeFiやDAppsといった別の用途にも使われているので、実際にNFTに使われているであろう電力消費量はもっと少ないのです。

また、ビットコインの電力消費量が高い要因になっている、PoWという電力消費量が高いほどマイニングに勝ててビットコイン報酬が得られるアルゴリズムを、イーサリアムはイーサリアム2.0ではPoSという、電力消費量の大きさに関わらず、ブロックチェーンが動く仕組みがすでにできあがっています。すでに稼働もしていて、数年以内に移行する予定になっています。

環境破壊をもっと正確に測るならば、NFTをデジタルグッズと考えるならば、物理的なグッズをつくるときの環境破壊への影響とくらべないと、アップルトゥアップルにならないはずなのですが、厳密な比較なしで印象で「NFTは環境に悪い」と語られているのす。

ただ、残念ながら、海外ではこうした声の大きい人たちの影響か、「NFTというのは良くないもの」という印象がついてしまっているので、日本国内とは温度差があることもお伝えしておきたいと思います。

特に、グローバルに人気があるクリエイターや作品やIPがNFTに挑戦するときには、こうした批判を受ける覚悟は持って行うべきです。特に、SDGsの取り組みをしている企業にとっては、ツッコミどころをあたえることにもなりえるので要注意です。

#7 本気でNFTを売る道は2つある

ここまでの話をまとめると、2021年の現時点でNFTをしっかり売ろうとしたときに、誰に売るべきかが浮き彫りになってくると思います。ざっくり2つの購入候補者がいるのだと思います。

ひとつは、クリエイターや作品やIPなどの既存ファン向け。これまでの物理的なファンアイテムと同じく、500円〜5,000円くらいの価値を提供するように低単価で販売し、代わりに供給量を多めにします。

また、NFTを持つと特別な体験の仕組みを用意することで、そのNFTが持つ付加価値を高められます。クリエイター自身のインタビューやライブをしたり、作品の外伝やミニストーリーなどを提供したり、NFTを持っている人だけが楽しめる体験を設計するのです。

また、現時点で、NFTを販売するうえでは、一般層に届けるためにかつ購入をいまのEC並のかんたんさ、つまりクレジットカード決済やコンビニ決済で購入できるようにすれば、NFTが一般の方でも手にしてもらうことができるようになると思います。

購入候補者のもうひとつは、国内外のクリプトアートコレクターに響くアート的な作品を、世界に向けて販売することです。

かつて、日本の浮世絵がヨーロッパでアート的価値を持って絶賛されたように、日本には独特のテイストの世界から注目をあつめる世界観があります。日本発ならではの作品テーマなどを組み合わせて、世界のアートコレクターに響く作品づくりなども検討してみると良いかも知れません。

いわゆる大衆向けのアニメ・漫画・ゲームといった領域の作品でも、アーティスティックな描き下ろしのイラストや映像をNFTとして販売することで、世界に広げるための一歩となりえます。

ここからが大事なのですが、ここまで書いてきた、2つの購入候補者へのNFTの販売は、実は、どのようにNFTを作って販売するかは、まったく違うやり方になり、しかも、ブロックチェーンの思想も考慮しながら、技術も把握して、よくよく決定していく必要があります。

ざっくりいえば、一般の人にひとつ500円から5,000円くらいNFTを売るには、定番のイーサリアムというブロックチェーンでは、2021年時点ではNFTにするコストだけで、ひとつ1万円近くになって赤字になってしまうので、別のブロックチェーンを選択する必要があります。

別チェーンの選択肢は

1. Polygonなどのサイドチェーン
2. FLOWなどのプライベートチェーン
3. コンソーシアムチェーン
4. Polkadotなどの別チェーン

のようにいくつかあり、いずれもメリット・デメリットが存在したり、思想的な部分でも違いがあります。短期的、もしくは中・長期的にどうビジネスを展開したいかでも意思決定が変わってきます。

話をシンプルにするために、一番選択で悩みそうな、サイドチェーンに絞って説明します。

サイドチェーンは、定番のイーサリアムのすぐ脇にあるブロックチェーンで、ざっくりいえば、ブロックチェーンに毎回記録するのではなく、一定量のデータがたまってから、ときどきブロックチェーンに記録しにいくことで、いま高額となっているトランザクションフィー、通称・GAS代を1円以下にすることを実現したものです。

いまイーサリアムをそのまま使うと「1万円」くらいしてしまうので、1円以下はとても魅力的です。

ちなみに、イーサリアムも数年後にはいまの高額なGAS代はもっと低い金額になるはずなので、時間が解決してくれるはずです。とはいえ、数年待ちきれない、早めにNFTに触れておきたいというクリエイターや企業は多いと思うので、現時点でGAS代を抑える選択肢として、サイドチェーンが解決法のひとつになるのです。

デメリットは、「操作」と「概念」が、イーサリアムよりも難しくなることです。私もそうだったのですが、そもそもイーサリアムを購入するときに、暗号資産取引所の口座を開設して、メタマスクなどというウォレットの概念を理解して、自分のウォレットアドレス宛にイーサリアムを送付して、NFTを購入するときに、なぞのGAS代を支払う、ということ自体を理解するのは、インターネットやパソコンに多少詳しい人でも、すべてをクリアしていくのはかなりの困難です。

しかも、サイドチェーンに接続するには、ここまで乗り越えたあとに、さらにもう2つくらいの設定を行って、はじめてサイドチェーンに繋げてNFTを購入・受け取り・表示ができるのです。

また、サイドチェーンの場合、イーサリアムでGAS代の支払いにイーサリアムが必要なように、例えば、Polygon(Matic)というサイドチェーンの場合、GAS代はMaticというトークンで支払う必要が出てきます。Maticは公式サイトにアクセスすることで、一定量を無料で獲得できたりもするのですが、Maticがないと、NFTの購入や送受信ができない、と直感的に思いつく人はほとんどいないので、使い勝手がまだまだ厳しいのです。

国内外のクリプトアートコレクターに響くアート的な作品を、世界に向けて販売することのメリットは、コレクターに作品が響けば、高額な取引が成立する可能性があることです。ただ、アート領域の世界なので、単に絵がうまいだけではない、作品のコンセプトがまったく新しかったり、注目を引くストーリーや演出など、一般商材とはまったく別の評価を受けることになる点が難しさといえると思います。また、コレクターが集まるコミュニティはクローズドな世界で行われているので、「今日からアートやります」というような新参者が作品を広めていくのは、容易ではないことは想像に難くないでしょう。

このように、本気でNFTを売る道は2つあり、たしかに道は開けているのですが、いずれも簡単ではないことは理解いただけると思います。私たちも近いうちにこの2つの方向のそれぞれのチャンレンジをしていきますので、挑戦してまた分かったことがあったらレポートしたいと思います。

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