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夏の思い出_ha' matchaチーム集結 in Biarritz, France

こちらオランダは季節代わりを迎えています。忘れないうちに夏の思い出を今週は綴っていけたらと思います。

8月の頭にha’ matchaを一緒に開発を進めた、デザイナーのセバスチャンと監修者の石州流伊佐派9代目の磯野宗明(読み方:そうめい)さんが集う機会ができました。

 2020年のコロナ禍で、友人の磯野さん(宗明さんの息子)が、夏休みに滞在した屋久島の共同生活の中で、いつも入れてくれる朝食・夕食後のお抹茶がきっかけで、初期の発想が生まれた、ha’ matchaシリーズ。「家元でもお茶碗で気軽に立てるんだね。いいんだね。」と聞くと、「伝統的な茶道を、伊佐派も日常というテーマを追っていきたい」という返事を聞いてから、日常食器の波佐見焼と何かできないかな、というスイッチが入りました。

石州流伊佐派は武家茶道という武士の間の修養・人格形成のための修行の一環として、武家や大名の間に広まったと言われています。(詳しい説明はこちらから)
女性の花嫁修行のイメージが強い茶道のイメージを、老若男女問わずお弟子さんを持つ磯野さんのお話を聞いて、現代の多様性を感じたことから、茶道を日常に落とし込むテーマにどんどん引き込まれていきました。

Ha’のシリーズは元々、「自然と日常」をテーマにして立ち上がったブランドで、第一弾は花器、第二弾は特にトピックはあがっていませんでした。こんな考えを今持っているが、抹茶をha’ の次のテーマにするのはどうだろうと、セバスチャンに話を振ると、「自然・日常・健康」という言葉に、非常に興味を持ってくれたことを覚えています。(まだ、会社には説明前段階)

野点セットや、お抹茶セットはよく目にしていますが、茶道の家元が開発の段階から深く関わるような製品はその当時も見たことがありませんでした。磯野先生には、茶道の歴史、茶道について、所作や道具のことを、何度も時間を設けてもらい、細部まで教えてもらいました。セバスチャンに正確に伝わるように、編集者・翻訳家のオーストラリア人のベンさんにも一緒に出かけてもらい、数ヶ月かけて、セバスチャンに提出するレポートを英文で作成しました。先生のお話を聞くだけで、いつも心が軽くなり、明日への勇気がもらえるような時間をたくさんもらいました。

その後、2年の開発を経て、2022年の6月にデンマークのコペンハーゲンで開催される3daysofdesignで抹茶シリーズをローンチし、その年の秋には、日本でも販売が始まりました。(プロダクトの開発背景はまた別の機会に)

さて、話を初めに戻すと、セバスチャンと磯野先生は直接会ったことがなかったので、どんな機会に会えるのか、まさか今年の夏にチャンスが巡ってくるとは。
ヨーロッパの旅程を聞くと、磯野さんの旅程にスペインのサンセバスチャンがありました。ふと、隣のビアリッツという街でセバスチャン一家は毎年夏を過ごしていたのではと、頭をよぎり、聞いてみると、「8月頭はちょどいるよ!ぜひ会いましょう!」と日程も決まり、一同集結したという流れです。チャンスは生かしてこそ!セバスチャン一家、磯野家、我が家とビッグパーティーになりました。日本の話、フランスの話、バスクの話(セバスチャンの奥様はバスク出身のフランス人)、それぞれの今後の話など、あっという間のランチタイムでした。

お皿もテキスタイルも、ガーデンの木々もフレンチバスクを象徴する風景とのこと
バスクポーセリン(緑と赤と白)

「自然と日常」このテーマがセバスチャン、磯野さん、東京西海を結びつけてくれたことに嬉しく思います。「初めまして」「ようやくお目にかかれました」重みのある言葉を交わす様子を見て、忘れられない夏の思い出の一つになりました。

エマニュエルさん(セバスチャンの奥さん)が教えてくれたバスク織のファクトリーショップ。
壁の色合いもよかったです。

次回は、パリに新しくできたIrasshaiの話をしたいと思います。ここでは磯野先生がお抹茶の立て方を伝授してきました。

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