あなたに会えて良かった 【Day8:アムステルダム】
アムステルダムで迎える朝。天気は曇天。
中央駅の北部から無料のフェリーが出ており、向こう岸へ。
そして展望台のようなところからアムテルダムの街を見下ろす。
近くにあった映画ミュージアムへ。
同年代のウズベキスタン人の映像作家、
Saodat Ismailovaさんの映像に陶酔。
お昼にようやくオランダ料理にありつける。The Pantry。
ここがこの旅で、一番、僕にフィットした最高のレストランだった。
マダムは最高にキュートな人で、どんなに店が忙しくても、気さくに話しかけてくれた。たぶん日本にいたら常連になること間違いないくらい。
だけど、そう、これはもう一期一会なのだと実感する。
ヨーロッパでは一人で食事をする人をほとんど見かけない。「おひとりさま」なんていう日本の食文化は海外からすると珍しいのか。でも、オランダの人は優しく迎え入れてくれた。
愛があれば、美味しい食事があれば、
幸せを感じて生きていられる。
そしてアムステルダム国立美術館へ。
てっきりマウリッツハイス美術館にあるとばかり思っていたフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」がまさかここで出会えるなんて。
嬉しすぎて、15分くらいずっと鑑賞していた。
写真にすると魅力が1/10000くらいになってしまうけれど、300年以上経ってなお色褪せない輝き、美しさに陶酔した。あぁ、来て良かった。ゴッホにはないまた別の魅力がある。
そしてミッフィ好きな家族のために、
オランダ生まれのミッフィのお店へ。
しかしなぜか休業。定休日ではないことも調べてはいたが。仕方なく駅の中の文具店で家族へのお土産を買うことに。
大雨が降ってきたので、最終日は宿泊先グランドホテルのBARラウンジにて夕食。
こんなふうにして、まもなく旅は終わろうとしていた。
今回のヨーロッパの旅は
ほぼ真冬の曇天と小雨続きの旅ではあった。
もっと晴れていれば、もっと季節が暖かくなっていれば、
より見栄えの良い写真もたくさん撮れただろう。
旅情を誘うような写真が少なくて残念ではあるけど
それは、ぜひ、いつかあなたの目で確かめてほしい。
僕もまたいつかアンネ・フランクの家とともに楽しみをとっておきたい。
最後の夜にルクセンブルクで買った「LIFE ユーザーマニュアル」を読んでいた。
そこに「fate=運命」という章があり、
そこに「アル・マクトゥーブ」という言葉を見つけた。
アラビア語で「書かれている」という意味。
そう「運命はすべて書かれている」。言うなれば「Let it be」(なるようになる)ということだ。
この旅はもう終わるけど、きっと、今回の旅で観たもの、感じたもの一つ一つが「点」となって、また新しい何かに出会うとき、もう一つの「点」が生まれる。それがいつか「線」になっていたと気づく日が訪れる。そうなると、マクトゥーブをいくらか実感できるかもしれない。
「あの時のヨーロッパの旅があったから、
あの時姪っ子と話したことがあったから、
あそこでの出会いがあったから、
あの時の出来事があったから」という具合に。
線につながるもう一つの「点」に出会える時、きっと直感でわかるに違いない。そして、こう思いたいんだ。
あなたに会えて良かったと。
それがもしかしたら、
僕が旅する本当の理由なのかもしれない。
(最終日Day9へ)
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