見出し画像

天才ではない私たちが世界をアップデートする方法

21世紀も四半世紀が過ぎようとしている現在、私たちはかつてのように「世界は一直線に進歩していく」とは考えられなくなった。あれは近代の夢だった。しかし素朴に進歩とは言えないにせよ、世界はこれまで数多くのアップデートを繰り返してきたことは確かだ。それはどのようにして可能だったのか?

それは、歴史に名を残している哲学者や思想家あるいは科学者などの天才たちがそれぞれその当時の固定観念を打ち破り、新しい考え方や新発見を成し遂げ新常識を打ち立ててきたからだ。

そういった数多くのアップデートのうちで、私が子供の頃もっとも感銘を受けたのはアインシュタインによる相対性理論の発見だった。
「時間と空間は、実は一体の時空間と呼ぶべきもので、重力はその時空間が歪むことで発生している」などという直感=固定観念を打ち砕く理論は、理科が大好きな少年の心を大きく躍動させたものだ。

少年は心躍らせたまま、
「世の中に対して、圧倒的な、誰もが舌を巻く、腰を抜かすほど驚くようなすばらしい貢献をしたい。それは、世の中の土台・根本に関わることで、だからこそ最も効果的であるような貢献だ。それは、世の中のその問題の捉え方(マインドセット)を変える仕事になるだろう。」
という志を立てた。

あれから半世紀。
壮年になったかつての少年は、自分が天才ではなかったことを受け容れ、世界の固定観念を打ち破るような発見を自ら行うことはもう無理だろうと感じている。では少年の志は挫折したのか? いや違う。すでに発見されているにもかかわらず知られていない「新しい考え方」を世界に広める仕事がある。

これは多くの人が思い当たると思うのだが、自分の専門分野では新常識になって久しいことが一般社会にはほとんど知られていないまま、ということはないだろうか?
世界は天才だけでできているのではない。その新しい考え方を広めていくことで、天才ではない私たちも世界のアップデートに貢献できるのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?