子供の頃からずっと、月にはうさぎがいると思っていた。そして、それがいないとわかった時のショックは、相当なものだったらしい。
　実際どうだったかは覚えていないけど、ごはんもおやつも手につかなくなっていたというから、相当なものだったに違いない。

　あれ以降、私は自分で思っていることを疑うようになった。
　ショックを受けるのにも関わらず、である。
　海底に竜宮城はあるのか。天国はあるのか。地獄はあるのか。結局ツチノコなどのUMAはいるのか。トイレの花子さんはいるのか等々…

　怖いもの見たさのような興味を持っていたから真相に向かって突き進むことができた。
　一日の授業が終われば図書室にこもりきり、様々な資料を漁った。
　親を説得してあちこちの現場へも連れていってもらった。

　解決したものもあるけど、その多くはどれも満足した結果に至っていない。

　次の謎は、この世に呪いはあるのか。
　それを調べていたら、思わぬ所へ辿り着いてしまった。
　呪いを生み出す魔女たちの集団。

　そして私は、潜入調査をする羽目になった。というか抜けられないのだ。
　そして、私は今日も先輩の指示の元で呪いを生み出している。

　こんなはずじゃなかったのに。いつか、この調査結果を発表して仕返ししてやる。

(完)(511文字)

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