トマ

小説を投稿中。 プロフと固定記事もぜひご覧ください。 Xで最新情報など、いろいろ発信中。

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マガジン

  • [連載中]突然ショートショート

    突然に書きたくなった小説です。 突然読みたくなった時にも、ゆっくり読みたい時にもどうぞ。

  • [完結]私、悪魔になっちゃいました

    ある日突然、私が悪魔に─!? ふとしたことで2足のわらじを履くことになった不思議なOLの物語。 全13話。

  • [更新終了]バスごと。

    ジブンの大好きなもの「バス」について、いろいろ書こうと思っていました。 現在は「トマさん雑記帳」で読み物を、Xで画像を投稿中。 (ヘッダー画像はイメージ図ですからご了承下さい)

  • [更新終了]トマログ

    ジブンの撮ったバスの記録。 現在は更新を終了しました。バス画像はXで投稿しています。

  • [更新中]トマさん雑記帳

    日々、ジブンの思う事や、ジブンの考えている事のあれこれを書いています。

最近の記事

  • 固定された記事

どこから読んでも楽しめる!ジブンの小説をご紹介します

 どうも、バスオタ小説家のトマです!初めましての方もいらっしゃるかもしれませんね。  初めましての方はジブンのプロフィールもぜひご覧ください。 はじめに  今回の雑記帳枠では、ジブンの小説をご紹介していきたいと思います。  目的は「どれを読めば良いのかの水先案内」。 ジブンの作品は基本、どこから読んでもいいように制作していますが、今回は初めての読者さんはもちろん、いつも読んで頂いている読者さんにも分かりやすくこれをまとめてみようと思います。 「私、悪魔になっちゃいました

    • 突然ショートショート「雪解けアルペジオ」/毎週ショートショートnote

       私たちが昔やっていたバンドの、元ギタリストと会った。今はから揚げの店をやっているという。  10年前、私は彼を含めた複数人でバンドをしていた。  ところが、彼のトラブルでバンドは解散して全員バラバラになり、以来一度も連絡を取っていない。  今回、共通の友人を通じて、向こうから「会おう」と誘われた。  会うのは10年ぶりになる。定休日のから揚げ店で、彼は待っていてくれた。 「どうだった、あれから」 「新しいバンドで元気にやってるよ。メジャーデビューも決まったし」 「…そ

      • 突然ショートショート「春ギター」/毎週ショートショートnote

         桜の季節はすっかり終わり、今はつつじが見頃だという。  季節の変化があるのはやはりいい、とか思って清掃作業をしていると、長いベンチの下に忘れ物らしき何かを見つけた。  引っ張り出すと、それは大きなギターケースだった。  風雨にさらされていたのか、ケースは一部分だけ汚れていた。  よく今まで気づかれなかったなと思いつつ、交番に持っていこうとすると、ケースのチャックの辺りに何かが挟まっているのが見えた。  少しだけチャックを開けてみると、その何かを上手く抜き取ることができた

        • 突然ショートショート「鏡のバス」

           いつもの世界とは違う不思議な世界をずっと旅してきたという友人と出会い、ラーメン屋のカウンター席で共に話すこととした。  中学、高校と同じ学校で過ごした彼は、進学先の大学で『不思議同好会』なるサークルに入り、そこで名前通りの不思議な体験をしたという。  僕は別の大学にいたので、中々会うことはなかった。  なので今回は、偶然かつ久々の出会いだった。 「えーと、そうだ。『鏡のバス』って話、知ってる?」  彼が話題を持ってきた。 「知らない。…同好会でやったやつとか?」 「そう

        • 固定された記事

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        • 突然ショートショート「雪解けアルペジオ」/毎週ショートショートnote

        • 突然ショートショート「春ギター」/毎週ショートショートnote

        • 突然ショートショート「鏡のバス」

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        • [連載中]突然ショートショート
          160本
        • [完結]私、悪魔になっちゃいました
          13本
        • [更新終了]バスごと。
          5本
        • [更新終了]トマログ
          5本
        • [更新中]トマさん雑記帳
          76本
        • [完結]明かり差す for「毎週ショートショートnote」
          22本

        記事

          突然ショートショート「潜入調査」

           子供の頃からずっと、月にはうさぎがいると思っていた。そして、それがいないとわかった時のショックは、相当なものだったらしい。  実際どうだったかは覚えていないけど、ごはんもおやつも手につかなくなっていたというから、相当なものだったに違いない。  あれ以降、私は自分で思っていることを疑うようになった。  ショックを受けるのにも関わらず、である。  海底に竜宮城はあるのか。天国はあるのか。地獄はあるのか。結局ツチノコなどのUMAはいるのか。トイレの花子さんはいるのか等々…  

          突然ショートショート「潜入調査」

          突然ショートショート「のびのび」

           まだまだ寒さの抜けない日のことだった。私は人事異動で欠員の出た別の支店へと回されることが決まり、都心からぐっと離れた小さな街へと移住することとなった。  上司は「のびのびやれて君に素晴らしい職場である」という。  いわゆる左遷か、とも聞いてみたが「それは違う」とのこと。  今までの仕事は主に大企業を相手にした機械製品の営業だったが、今度はガラリと変わって中小企業や町工場が相手となる。  移住の準備などで時は流れ、いよいよ転勤先での最初の日がやってきた。  暖かくなって

          突然ショートショート「のびのび」

          突然ショートショート「雨と辞書」

           雨の音を聞きながら目が覚める。朝日が差し込まないと、何とも起きた実感が湧かない。  私がトレーニングを始めてから、もう10年になろうとしている。  パジャマのまま朝食のグラノーラとコーンポタージュを食べて、顔を洗ってから歯磨きをしながら鏡の向こうに映る私自身を確かめる。  どこか眠気がまだ取れていないように感じる。  どこか彩度に欠ける窓の向こうを眺めながらトレーニングウェアへと着替える。  傘を差して家を出る。晴れていたら自転車を使うのだが、傘差し運転は危ないし、レ

          突然ショートショート「雨と辞書」

          突然ショートショート「応援のパワー」

           誰かを応援したいという気持ちがあった私は、部活に入ってチアリーダーになった。  そしていつしか、私の応援で誰かがその人なりの目標に向かって動き出していくのが楽しくなってきた。  私はその後も、どんな日でも誰かを応援することを続けた。部活とは別に、個人でのボランティアとして。  街の名物みたいな存在になって、それが何とも誇らしかった。  大学生になっても、個人でのチアリーダーは続けた。  むしろそっちの方が楽しくなり、大学にあったチアリーディング部には入らなかった。

          突然ショートショート「応援のパワー」

          突然ショートショート「ユートピア」

           日々の仕事に疲れて、人間関係やプライベートにも疲れた私は、『ユートピア』を求めて旅に出た。  今生きているこの世界に本当にあるのか、と半信半疑になりつつ、家を出て自転車に乗る。  一番頼れる交通手段だからだ。  日の出ている西のほうに向かって自転車を漕いでいく。  少しずつ日は傾き始め、気温も低くなってきていた。そこに自転車を漕ぐ時の風が当たるので、体感温度はとても寒い。  交通量の多い道路の自転車レーンに入る。路肩に青い矢印が書かれただけの。  正直な気持ちは、心細

          突然ショートショート「ユートピア」

          突然ショートショート「一石二鳥の勘違い」

           放課後の地下運動場、それはスポーツアーマーバトル部に所属する私のフィールドだ。  時間になれば更衣室で制服を脱ぎ、全身を覆うプロテクターつきのタイツに着替え、靴を履き替え、メガネを度のついたウェアラブルゴーグルへ掛け替え、ヘルメットを被る。  学校の地下には広大な運動場があり、いつもここで私たちの練習が行われる。  運動場は他のクラブと場内を半分に分けて使っていて、エレベーターを降りると、その地下空間には既にバドミントン部が練習をしている音がよく響いていた。  私たちの

          突然ショートショート「一石二鳥の勘違い」

          突然ショートショート「店員の秘密」

           意味もなく街をぶらつくと、新たな発見が生まれることがある。  例えばこのお店。普段は忙しくて通ったことのない路地の中にある小さなレストランなのだが、実は秘密があるのだ。  木製の扉を開けると、上につけられていた鈴がチリンチリンと音を鳴らす。  店員として働いている彼と目が合う。 「いらっしゃいませ。空いているお席へどうぞ!」  優しいしっとりとした声の彼にペコっとお辞儀をしてから、私は店のやや中程の位置にある席に座った。  横からはキッチンで料理を作っているのが見える

          突然ショートショート「店員の秘密」

          突然ショートショート「ちょっとだけ」

           とある駅で電車を待つ。電車が出発してすぐのことだ。  乗車位置の行列の先頭に並べることぐらいしか利点がない。およそ5分程待たされる。  その時間、何をするか。取りあえずスマホを起動してみるが、最新のニュースは見尽くした。  ゲームをしようにも、隙間時間でできるようなゲームはダウンロードしていない。  スマホをバッグの中にしまって、電車のくる気配の無い線路を見つめてみる。  こうしていると、実に静かで、ちょっとだけフラッとなら降り立てそうな気もする。  危ないこととはわかっ

          突然ショートショート「ちょっとだけ」

          突然ショートショート「桜回線」/毎週ショートショートnote

           新生活が始まるのを前に、新しい街に引っ越した私は、不思議なプランを契約した。  その名は『桜回線』。新参入の会社が始めた世界初のサービスで、新生活にピッタリだという。  ちょうど今日、家に『桜回線』を引く工事が終わった。  諸々の準備も済ませ、早速ネットを使おうとスマホのWi-FiをONにするが、中々繋がらない。  設定を開いても、家の中にあるはずのネットワークが見当たらない。  故障かと思ってコールセンターへ電話しようとすると、部屋の中に突然、桜の香りが漂ってきた。

          突然ショートショート「桜回線」/毎週ショートショートnote

          突然ショートショート「満月ガスバス」/毎週ショートショートnote

           満月が空高く昇る日、どこかから行先不明のバスがやってくるという。  あくまで都市伝説の域を過ぎない話であるが、私はそれに似たような経験をしたことがある。  満月の日の夜。山道を歩いていると、目の前の視界がガスを撒かれたように白くなってきた。  しかし、不思議なことに臭いのようなものはしなかった。  いつの間にか周りをガスに囲まれてしまったためにやむなくそのガスの中を進んでみると、いつもの山道に出た。  何だ、変わらないのかと安心していると、後ろから普段はやってこないはず

          突然ショートショート「満月ガスバス」/毎週ショートショートnote

          突然ショートショート「三日月ファストパス」/毎週ショートショートnote

           夜の住宅地、街灯によって力無く照らされる市道を歩く人影があった。  サラリーマンの遠藤。年齢31歳。職業は不動産会社営業マン。  毎日遅くまで忙しく働き、夜はあっという間に寝てしまう…という流れが繰り返される中を生きている。  彼は、一度でいいから楽になりたいとよく思っていた。  一方その願いが叶うことはないことを悟りつつ、今日も家へ続く道を歩いていた。  歩いていると、何かを踏んづけてしまったような感触がした。  拾い上げてみると、そこには『三日月ファストパス・持参人

          突然ショートショート「三日月ファストパス」/毎週ショートショートnote

          突然ショートショート「18禁と曲がり角」

           いわゆる『18禁』と呼ばれるビデオが落ちていた。否、正しくはDVDなのだが。  しかしこんなものを一体どうすればいいのか、わからなくて困ってしまう。  「何も拾わなければいいのに」というのは間違いだ。何故なら、落ちていたのが私の家の前だったから。  拾わないで放っておくと私がまるで『18禁』と仲がいいかのように思われてしまうかも知れない。  何より家の前に物が落ちていること自体印象が良くない。なので取りあえず拾った。  チラッとパッケージを見たが、表にはとても声に出して

          突然ショートショート「18禁と曲がり角」