見出し画像

摂食障害【5つの予防法と6つの対策】

摂食障害は、一般的には"無理なダイエットなどによって発症する"と思われていますが、それはあくまでも1つの要因で、実際は様々な要因によって引き起こされる特徴的な食事行動を伴うメンタルヘルスの状態です。

摂食障害を持つ人の信念はゆるぎなく厳格で、その信念は人生に大きな影響を与え、命を脅かす危険性もあります。

前回の記事では、摂食障害とはどのようなものか、摂食障害の原因、なりやすい人についての要因などを挙げていきました。今回は、摂食障害の予防と対処法についてお伝えしていきます。

摂食障害の予防法と対策

摂食障害を防ぐには、考え方という抽象的な変化と、ライフスタイルなどの物理的な変化の両方をおこなうことが効果的です。

また、自分自身の食事や運動、周囲の人々やメディアなどによって、自分がどのような習慣を形成しているかを再認識する必要もあります。

遺伝的な素因を変化させることは難しいかもしれませんが、心理的、社会的な要因の対策法は必ず存在しますので、摂食障害についてよく理解し、より良い予防、対策を実践していきましょう。

摂食障害【5つの予防法】

1.健康の目標を設定をする

新年の目標、誕生日の目標など、目標を設定する時は、"自分が健康であること"をその目標に入れることを忘れないようにしましょう。

メディアや周囲の人々は、厳しい減量の目標や、激しい運動スケジュールを薦めるかもしれませんが、それをまるまる真似する必要はありません。

もしも計画した目標の達成において、あなたが不健康になってしまうようであれば、その目標はもう一度考え直したほうが良いでしょう。

2.クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは、簡単に言うと"物事を批判的に捉えて判断すること"で、もう少し分かりやすく言えば"物事の本質を見極め、論理的に思考をすること"となります。

日本語では"批判的思考"と訳されますが、"批判"と言うとネガティブに聴こえて誤解を生みますので、ここではクリティカルシンキングと記載しています。

多くの場合、SNSなどの情報によって、摂食障害の兆候は強くなってしまいます。なぜなら、人は必ず外から得た情報によって影響を受けるからです。

X、インスタグラム、TikTok、フェイスブックなどで、自分がどんな人をフォローしているかを改めてチェックし、彼らの発言が自分の健康に対して安全であることを確認しましょう。

3.周囲の人々に注意する

人はSNSの情報やメディアだけでなく、親や先生、上司や同僚、友人や恋人など周囲にいる人々からも影響を受けます。

まわりの人が最新のダイエットの方法や、誰かの体型や体重などについて話し始めたら、「話題を変えませんか?」と優しく言うか、自分がこの話題によってどのような影響を受けてしまうのかを、丁寧に説明してみましょう。

4.気の合う人と一緒に食事をする

気の合う人と食事を共にする行為は、乱れた食習慣に秩序を与え、健康的な食事のパターン化につながります。また、相手と会話をしながら食事をすることで、人間関係を良くしたり、食事に関する不安などを解消する効果もあります。

5.ロールモデルを探す

もしもあなたの食習慣が周囲の人々によって形成され、それによって摂食障害の可能性を感じるのであれば、新しく食習慣のロールモデルを探して、そちらに変更をすると良いでしょう。

その際、ロールモデルの功績や信頼性と食習慣は別のものとして評価と判断をする必要があります。

摂食障害【6つの対策】

1.白黒思考のチェックと変更

摂食障害は白黒思考によって、より深刻化していきます。自分自身が白黒思考でないかを改めてチェックし、そのようであれば白黒思考について具体的に学び、考え方を変更していきましょう。

白黒思考を変更することは、摂食障害の勢いを抑え、食事についての考え方を整えていくのに効果的です。

2.ゆっくり症状と向き合う

長期的な摂食障害の症状に悩まされている人は、その状態が回復しないことに強いストレスを感じているはずです。しかし、しっかりと摂食障害を改善していくには、回復に備え知識をつけ、時間をかけてゆっくりと自分の症状に向き合う姿勢が必要です。

3.自己評価や自尊心を高める

メンタルヘルスの問題の対策や対処法について多くの書籍や情報では、"自己評価(エフィカシー)や自尊心を高めましょう"というようなことが書かれています。

そうは言っても「ネガティブなことばかりが浮かんできて、むしろ自己評価(エフィカシー)や自尊心が低下してしまう」という人には、とてもシンプルな方法があります。

それは、1分間に1度「私はすごい」と心の中もしくは声に出して言うのです。とりあえずなら嘘でもかまいません。(脳にはそれだけでも効果十分です)

起きている間が16時間であれば、1日に約1000回「私はすごい」と言うことができます。それを繰り返していくだけで、自然に自己評価(エフィカシー)や自尊心が向上していきます。あまりにも効果があるので、横暴にならないよう注意しましょう。

4.食事瞑想

食事中に瞑想をすることにより、心が落ち着き、自己評価(エフィカシー)や自尊心が向上すると、摂食障害の症状をコントロールしやすくなります。

食事瞑想中は、テレビやスマホを見たりせずに、食べることだけに集中しましょう。

その食材がどこからきたのか?
食感はどうか?
何回噛んで飲み込んでいるか?
香りは?
舌はどのように動いているか?
どの歯でよく噛んでいるか?
喉や食道、胃に食べ物が通る感覚は?
お箸やスプーンの動かし方は?


上記のように、食事をするという身体の動きに意識を向け、体中の連携を感じる練習をすると良いでしょう。

5.サポートを受ける

ひとりで摂食障害の克服にチャレンジしているうちに、何かの壁にぶつかったり、より悪化していると気づいた場合は、自分の納得できる理論や治療をおこなうことのできる専門家などからサポートを受けることもひとつの選択肢となりますので、視野に入れておきましょう。

6.状況を客観的に見る

少し時間をとって、自分の食事や食習慣について再考してみましょう。その際、考えることに慣れていない人や上手くできないと言う人は、下の記事にある瞑想の方法を練習してみると良いでしょう。

おわりに

私の経験と摂食障害の人を専門に扱うセラピストの意見を参考にしてお話をすると、まず第一に、摂食障害はなるべく早い段階で治療を開始することが望ましいという共通認識があります。

なぜなら、摂食障害に苦しんでいる期間が長ければ長いほど、その回復プロセスは、より複雑になる可能性があるからです。しかし、摂食障害の状況がどんなに深刻であったとしても、治療を諦めるべきではありません。

自分自身で様々な知識を身につけ、セルフケアを覚え、他者からのサポートを受け、気の合う人や専門家たちからのケアを受け入れるよう意識をしていただきたいと思います。

ここまでご覧いただきありがとうございます。

この記事が参加している募集

最近の学び

サポートは、さらに良い記事を執筆できるように研究費として活用いたします☺️✨️ いつもありがとうございます💖