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2つの嘘と対処法

嘘をつかれると、信頼を裏切られたように感じます。しかし、それは人間関係の終わりを意味するものではないのかもしれません。

私たちは皆、色々なところで、ちょっとした嘘をつくことがあります。

人は1日に平均1〜2回の嘘をつき、最も一般的な嘘は、人間関係を維持するための「白い嘘」であることが、マーストリヒト大学、ポーツマス大学、パドヴァ大学の研究で示唆されています。

また、シカゴ大学、ケンブリッジ大学、アリエル大学などの研究では、成人の59%が1日5回ほど嘘をつき、女性よりも男性の方が嘘をつきやすいと推定しています。

嘘は嘘なのかもしれませんが、例えば、相手の髪型がとても酷いことを言わないという嘘と、不倫の事実を隠すという嘘が異なるように、被害や影響の大小、意図の違いはあります。

ただし、人間関係で言えば多くの場合、嘘の規模には関係なく、相手の嘘を疑えば、その相手との人間関係を維持することが困難になるでしょう。

今回は、「嘘と信頼」を主題とし、その対処法などについて詳しくお伝えしていきます。

2種類の嘘と意図

嘘をつくことを正当化するわけではありませんが、嘘は様々な可能性を考慮した結果の、複雑な社会的行動であると考えられます。

嘘には無害なものから破壊的なものまで存在し、基本的に嘘をつく意図は、嘘の影響に勝ることはありません。

しかし、嘘の意図と、その人の思考を考慮する価値はあるのかもしれません。

デューク大学、ジョージメイソン大学、ダラム大学の研究者は、嘘は2つの主要カテゴリーに分類できると仮定しています。

1.人間関係を守るための嘘
・プロソーシャルな嘘
・他思考の嘘
・白い嘘

2.自分を守るための嘘
・反社会的な嘘
・自己志向の嘘

人間関係を守るための嘘

シカゴ大学、モナッシュ大学の研究では、彼氏から貰ったあまりテンションの上がらないプレゼントを、友人に「これ気に入ってるの」と伝えるような人間関係を守るための嘘は、多く普及していることを示唆しています。

人間関係を守るための嘘の背後にある意図は善意であり、それは誰かの気持ちを守るか、何らかの形で誰かに利益をもたらすことを目的としています。

これらは、一般的に「白い嘘」と呼ばれるものです。

自分を守るための嘘

対照的に、自分を守るための嘘は、不正を隠すためにカバーストーリーを作るなど、自分に有利な状況を操作しようとする試みです。

この種の嘘の背後にある意図は利己であり、基本的には利他的ではありません。

「欺瞞と社会的つながり」についての研究によれば、自分を守るための嘘は、社会的つながりの低下に関連することを示しています。

自己愛性パーソナリティ障害や、反社会性パーソナリティー障害を持つ人は、1日に5回以上嘘をつくような症状もあります。

アンジェロ州立大学、デントンテキサス女子大学の研究では、そのような人は人口の8〜13%で確認されていることがわかっています。

嘘をつかれた時の対処法

人は当たり前に嘘をつくかもしれませんが、嘘がバレると、人を傷つけたり裏切られたりするのも当前の話です。

タイムマシーンを使わないと嘘を元に戻すことはできませんが、嘘をつかれた時、その嘘を非難したり相手と縁を切る前に推奨できるいくつかの対処法が存在します。

1.ソースを考慮する

人は嘘っぽい情報を聞いた時、「私を傷つけるのではないか?」という思考をし、その思考から相手に対して自己防衛としての反応を示します。

そのような時は、自己防衛の反応する前に、相手があなたにとってどのような人なのかを自問してみましょう。

あなたをサポートする相手と、あなたを落ち込ませるような相手とでは、その反応の仕方に違いが出るはずです。

2.嘘のタイプを検証する

少し慣れが必要かもしれませんが、嘘をつかれた際に、先述した「人間関係を守るための嘘」と「自分を守るための嘘」のどちらかを検証すると良いかもしれません。

3.ジャーナリング

誰かがあなたをガスライティングしている場合、あなたは相手から自分自身を疑うように仕向けられています。

そのような場合はジャーナリングをして、情報を整理してみましょう。

嘘をつく人の中には、あなたのリアルを破壊することに長けている人もいますので、ジャーナリングは自分の視点に根ざした情報整理テクニックとして優れたツールとなります。

4.議論をすると決めたなら

嘘についての議論をする前に、あなたが理解したい主なポイントを特定し、そのポイントを相手に言う練習をしておきましょう。

人は感情が高まると集中力を失い、主題が脱線しがちになりますので、事前にリハーサルをすることによって、議論の結果に差が出るはずです。

5.第三者に共有する

もしかしたら、すべては単なる誤解かもしれません。

嘘について相手に立ち向かうことに決めたら、その嘘を第三者に共有してみましょう。

第三者の見解によっては、その後の展開が大きく変化する場合があります。

6.バウンダリーセッティング

バウンダリーセッティングは、人間関係においてとても重要ですが、特に嘘によって壊れた人間関係には必須事項です。

ポイントは、相手があなたのバウンダリーを尊重しない場合、どのような対応をするのかを明確にしておくことです。

7.回復のための時間

白い嘘から反社会的な嘘まで、嘘の幅は広く、その嘘に対する反応も同じように多様です。

あなたは嘘への対応にイライラしたり、疲れてしまうかもしれません。

その場合は、あなたの心に時間を与え、相手とは距離をとるようにしましょう。

ストレスとなっている頭の中の思考と感情は、呼吸法(ブレスワーク)、グラウンディング、ジャーナリング、信頼のおける相手との会話などで解消することができます。

8.専門家によるサポート

セラピストやコーチからは、素晴らしい対処法や根本的な問題解決、あなたとは違う視点のアドバイスなどを受けることができます。

人間関係が修復不可能と感じるまで耐えたり、他者に相談するのは最終手段だと思う必要はありません。

プロによるサポートは状況に応じて特化しており、問題さえ解決すれば、それでサポートを終えるだけです。

9.信頼を再構築する時間を与える

嘘をつかれることは、悲しみのプロセスを開始することかもしれません。

しかし、相手が自分の嘘について認め、説明責任とあなたの心の傷を理解しているなら、それは良い兆候です。

その場合、最も有効な解決策は、相手に時間を与え、距離を置くことです。

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