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哲学本紹介

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読んだ哲学本を紹介しています。
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記事一覧

丸山眞男著 「現代政治の思想と行動」を読んで

日本の思想に関して、何冊か興味を持ち読んだ本がある。このうち一冊を紹介したい。まず丸山眞…

歩く魚
2週間前
19

題:マーク・ルラ著 佐藤貴史・高田宏史・仲金聡 訳「シュラクサイの誘惑  現代思…

哲学者とその政治行動に関する冒険的なエッセイである。分かりのよい文章で哲学者の思想の紹介…

歩く魚
1か月前
15

トマス・ホッブズ著 角田安正訳 「リヴァイアサン 教会国家と政治国家の素材、形態…

トマス・ホッブズは16世紀生まれのイギリスの政治哲学者である。『人間同士は闘争状態にある…

歩く魚
2か月前
18

題:シャルル・ペギー著 大野一道訳「社会主義への洞察 もう一つのドレフュス事件」…

本書の内容を簡単に説明すると、フランス陸軍の砲兵将校なるドェフェス大尉がドイツへのスパイ…

歩く魚
1年前
7

題:ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ著 杉村唱昭訳「政治と精神分析」を 読…

久しぶりにドゥルーズとガタリの本を読む、もうドゥルーズの著書で読んでいないのは、「シネマ…

歩く魚
1年前
16

題:レイ・カーツワイル著 NHK出版編「シンギュラリティは近い 人類が生命を超越…

題名にひかれて読んだ本である。今まで脳科学など科学本を読んでいるが、本書はそうした科学の…

歩く魚
1年前
13

題:モーリス・メルロ=ポンティ著 滝浦静雄 木田元訳「行動の構造」を読んで

メルロ=ポンティの主要な著作物を読むのは初めてである。落ち着いてしっかりと地に足をつけた文章は奇をてらったところがない、きっとまじめで一貫した論理的な思考の持ち主なのであろう。でも、なぜか、訳文のせいだろうか、ベルグソンの文章ように美文調でもないし、ドゥルーズの文章ように論理的な難解性や誌的抒情性を含んでいずに、意気込んで読むこともできず、少々飽きがきてしまう。それに丹念に読まなければ難しくなるのである。きっとメルロ=ポンティの思想の重要性に対してそれほど脚光を浴びないのは、

題:モーリス・メルロ=ポンティ著 菅野盾樹訳「知覚の哲学 ラジオ講演1948年」…

モーリス・メルロ=ポンティの名前は知っていたが、この著作物を読むのが彼の著作物を読む始ま…

歩く魚
2年前
16

題:フッサール著 長谷川宏訳「現象学の理念」を読んで

フッサールの著書を読むのは初めてである。現象学とは様々に述べられかつ応用されているが、そ…

歩く魚
2年前
27

題:ゲオルク・クニール、アルミン・ナセヒ著 館野受男、池田貞夫、野崎和義訳「ルー…

確か、どこかで良いと紹介されていた本である。読んでみると簡潔に書かれているが密度が濃くて…

歩く魚
2年前
1

題:ホルクハイマー、アドルノ著 徳永恂訳「啓蒙の弁証法 哲学的断片」を読んで

一度難しくて途中で読むのを止めた本である。文章がとても分かりにくかった。でも、さらっと読…

歩く魚
2年前
13

題:ニーチェ著 原佑訳「権力への意志」を読んで

この「権力への意志」は上下巻で、あわせて1000頁あり、それもアフォリズム(箴言もしくは…

歩く魚
3年前
20

題:阿満利麿著 「宗教の深層 聖なるものへの衝動」を読んで

知らない著者であまり期待していなかったが、読んでみると宗教意識としての聖なるものへの衝動…

歩く魚
3年前
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題:スピノザ著 畠中尚志訳「デカルトの哲学原理」を読んで

デカルトの「哲学原理」を読んではいないが、スピノザゆえに敢えて本書を読んでみる。デカルトの思想に、スピノザの解釈・批判が加わっていて、理解するのはなかなか難しいが、スピノザの考え方が、特に神についての記述が論理的でありながら、高揚としていて神に魅入られたスピノザの姿を見出すことができる。どうしてスピノザは神にこだわるのだろう、そうした疑問を持つが、自然界のさまざまな調和が神秘的にもたらされること、そしてこの神秘的な調和に自ずと身を委ねることが人間にとって最善であることを確信し