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「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」は憧れ。

 不気味なものはなぜか惹かれる。顔は違う方向に向けているのに、それでも目だけが追ってしまう、不気味さとはそんな魅力だろう。ぼくは昔から少し不気味なものが好きだ。でも、一つ言っておきたい。度が過ぎる不気味はとても嫌いだ。度が過ぎる不気味は、「なんか変ですよね?わかりますよね!?」って話しかけてきてるみたいで、冷める。不気味ですよってやって不気味とか!ネタバレもいいとこだ。つまらん!!!ぼくは提唱する。どことなく不気味が最高だと!何がどうなるかわからないワクワクが同居できるのだ。ぼく自身も、常日頃から【どこか不気味な青年】でいたいと思っているが、意識して不気味でいようなど笑止千万。不気味さとは、醸し出されなければならない。垂れ流されなければならない。作り出してはならない。だからぼくは、いつか勝手に不気味になるよう願っている。ぼくの知らないところでぼくが不気味になることを祈っている。だってそれが格好いいから!異論は許さない。


そして、不気味かつ面白い映画を紹介しよう。

「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」だ。


この作品は、面白い!!!そして、常にどことなく不気味だ。いや、惹き込まれながら不安になってくる不気味さだ。休日にウォレスは、どこに行こうか悩む。そしておもむろに月を見上げ、「月はチーズでできているらしい」と呟き、食べるために旅立つ、グルミットと共に。そこからロケットの製作に乗り出すのだが、その動き、まさに不気味。だがそれと同時にコミカルでもある。音楽の切れ目、SEの使い所、どれもこの映画の深みを与えている。この作品は軽くない。なのに重くない。ちょうどの重量感。胸に収まるちょうどの重さだ。深く考える必要もなく、誰かを馬鹿にするような軽薄さもない。それがゆえに、ただ二人の行く末が気になり、ワクワクが止まらなくなる。なのに味わい深い不気味さ。これは、心に残る。

いつかぼくもクラッカーにのせて、月を食べてみたい。

ロボットに追われて、危機一髪、ロケットで逃げてみたい。

そして、家が一番だと笑い合いたい。


好きだ。間違いなく。




読んでくれて、ありがとう。




また。




とまお

いただけた時には、本買います。本を。