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追記:[ホ占]丈夫に随え

上の記事の追加分です。

『易』は、第一には統治の指針ですから、有事に際して、「丈夫に随え」というのは当然のこと。
 第二に、個人の処世の指針でもあるわけですが、その点でも、有事に政府や軍に随ったほうがいいというのは、それまた当然。

 ただ、健全な社会には二割の批判勢力が必要で、国民全員が無批判になれば、今度は政府が暴走する。脅威は外国勢力だけではありません。

 外国の侵略から守る兵士が尊いのと同じように、政府に目を光らせ批判の声を上げる個人の勇気も尊い。両方が必要。有事になれば、両方が命がけです。
 もちろん、外国勢力による分断工作や煽動工作もあるでしょう。でも、政府や軍にだって工作は絶えず行われています。政府や軍ならすべて信頼できるという簡単な話はありません。

 ともかく、何事もキャッチフレーズに賛同するのではなく、中身を吟味せねばなりません。といって、一般人がいろんなことを勉強するのはそれまた非現実的なことなので、これはという批判的意見が参考になると思います。

 たとえば、陸上のミサイル基地は真っ先に狙われる、そんなものが抑止力になるはずがないという声があります。やるなら潜水艦配備だと。もっともな話に聞こえませんか? そういう一石が投じられてはじめて問題点がわかります。
 ただ、深読みすれば、陸上配備のミサイルは、相手国にとっては脅威にならないわけで、「戦うつもりはありません」というメッセージなのかもしれません。それも十分ありそう。
 しかし、その場合は、じゃあ何のためにミサイルを陸上に並べるの? ということになる。そこに問題の核心があるのかも知れません。

 といって、そこでその予算を福祉に回せとか、減税しろとか、そういう
ことしか云えないのなら、それまた話にならない。事情があるから、そういうことにしているわけですから。こちらにも話し相手になるだけの資質が求められる。さもないと、カヤの外に置かれ続ける。

 でも、国民がカヤの外で政治音痴のままだと、民度はいっこうに上がりません。それでは愚民政策と同じ。それもまた国難。

 どうすればいいか?
 関心を持って考え続けること。考えが独りよがりにならないよう議論すること。それを積み重ねていくしかないんじゃないでしょうか。

 目前に迫っている有事についても
 戦争に、良い戦争はないかもしれませんが、悪い戦争はあるんです。戦争すれば、国が守れるという法則などありません。

 大東亜戦争は、勝ち目がある戦争だったのでしょうか?

 そういう議論って、聴いた覚えがありません。
 大義があったという話は聞きます。しかし、だからといって勝ち目のない戦争をやるというのはおかしい。何があったのか? 我々の知らない事情があったと思われますが、未だに知らされていない。

 さもないと、今度は大丈夫だという話になりませんよね?

 ちなみに、今は大東亜共栄圏のような大義も語られません。
 このままだと侵略されて属国になる? というのが今の理由なんでしょうか? しかしそれも語られません。仮想敵国もはっきりしない。R国を敵視しているのに、強化されるのは南でしょ。
 仮想敵国がC国なら、経済戦もあるわけです。C国から買っているものが買えなくなったりC国に輸出が出来なくなって、それでやっていけるんでしょうか?
 また国土を攻撃されなくても南を海上封鎖されれば、原油の輸入も大ピンチ。だから大東亜戦争の時には、南方を押さえようとしたわけですが、今は到底無理。

 ただ、こんな話も枝葉で、上で検討されているのはそんな話ではないと思われます。何が本当の問題なのか、それすらも一般国民は知らない。

 今日はこんな話を聞きました。
 防衛費の増額でも、完成品買うのと、開発や製造費に使うのとでは、話が全然違うと。完成品買うのは、その場しのぎで将来にはつながらないそうです。それどころか、メンテの費用や老朽化したときの処分費まで延々と請求され続けるおそれもある。購入費だけでは済まないと。それが一つ。
 もう一点は、日本に今、必要なのは研究開発費であって、本来なら兵器よりもそちらに回したいところだが、それが出来ないのではあれば、せめて軍事関連の研究開発費として予算を確保して欲しい。それなら、未来への投資になると。

 そういう話を聞くと、「防衛」が連呼されているわりに肝心の国力のことが脱けている気がする。本当に実現したいことは別なんじゃないかという気がしてきます。C国なんて今、ロロナで大混乱でしょ。R国もククライナで手一杯。いったい何が差し迫っているのでしょうか? わたしの云ってることおかしいですか?

 この記事は、占いで出た「丈夫に随え」という意味の深意を探ろうとするものですが、思えば、この国の国民が政府に逆らったことなんてあったのでしょうか? 特に、バブル以降の三十年の間、政府を脅かす活動なんて一度も起こっていません。
 
そして、その三十年間に何が起こったかというと、国際競争力の急速な低下。先進諸国の下位に転落するという失政です。この閉塞状況の打開に「随う」ことが決め手になるとはとても思えません。よくてジリ貧。悪くすれば、再起不能になるおそれすらありそう。
 軍隊に侵略されなくても、借金漬けにされて乗っ取られるという亡国のリスクもある
はずです。

 まあ、わたしはバカなんで、見当違いならいいんですが。


 占いの話に戻ります。
 つい床屋談義のようなことを語ってしまいましたが、そんな与太話をしながらも見えてきたことがあります。それを最後に示して終わります。

 メッセージには常に裏があるもので、「丈夫に随え」というのは、いわば「表」のメッセージ。その裏には、たぶんこう書かれている。

「『丈夫に随え』というのは、保身第一の政治家、個人のためのアドバイスです。実現したいことがあるなら、覚悟を決めておやりなさい……」


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