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泊綜合食品の3代目に就任しました。最初の仕事は、社長の肩書きをなくすことでした。

2024年4月1日より泊綜合食品株式会社の代表取締役に就任しました。
実は3年ほど前から「65歳にもなるし、そろそろ交代したいんだけど」と先代からの要望もあり、代表交代は視野に入っていたのですが、なんとそのタイミングで私の妊娠、出産があり。

早々に産休復帰をし、子供も保育園に入り2歳を過ぎたこともあり、このタイミングで代表を交代することになりました。先代は会長となり、社内に残りつつですが、代表ではなくなりました。

この春から代表に就任しました

noteを始めた時に、私自身の自己紹介をしたのですがここで改めて。
私は漬物屋の一人娘として、同じく一人娘だった厳しめの母と、今でいう陽キャラの父、創業者である祖父、家事を一手に引き受ける祖母のもと、漬物一色の中で育ててもらいました。

小学校の夏休みは、すいか漬けの仕込みのバイトや、出荷する段ボールの準備のお手伝い、配達に付いて行っては先々でお菓子をもらう小学生でした。40年近く昔のこと、伝票や納品書の郵送は当時手書きだったので、取引先の宛名を書くことで漢字や全国の地名を覚えたものです。いわゆるワープロでの入力を覚えたのも会社のお手伝いから。
もちろん食卓には漬物があり、何か他人にお礼をしたり、お土産を持って行くのも漬物な毎日でした。

そんな会社を築いた祖父は、もともとは農協の職員として「青果を通して地元の活性化を!」と動いた人です。そして昭和49年に、より本格的に取り組むために会社を設立。名前には祖父の故郷の「泊村」から「泊」を使って、泊食品とつけられました

故郷である泊(とまり)村で作られていた大根を関西の市場へ出荷していました

昭和4年生まれ、ボクサーというなかなかに破天荒だった祖父は、私が大学生の時になくなりましたが、いわゆる人ったらし。

鳥取の農業を元気づけ、鳥取の美味しいものを全国のたくさんの人々へと届けたいという愛情と情熱を持った人間で、たくさんの人を巻き込み、繋ぐことで、鳥取だけでなく、地元色豊かな全国の漬物をお届けしたいという想いで各地の漬けものの卸売りを始めました。これが現在の食品卸事業の原点となっています。

古い写真の先代はいつもいききとしています

そして先代はその想いを受け継ぎ、専務であった母と自社製造という形へ進みます。私が小さかった頃から、よく試作品を作ったり、色んな農家さんのところへ交渉に行っていました。
母も祖父の血を受け継いだなかなかパンチの効いた人だったので、今でも母のことは色んな方から「お母さんは強かった」と言われます笑

キャラ強めの母は専務でもありましたが、みんなから「あけみさん」と呼ばれていました。家族経営であるがゆえに、みんな苗字ですので私自身も肩書の取締役ではなく「いずみさん」と呼ばれます。社内だけでなく、社外の方でもほとんどの方がそう呼びます。

そこで、今回の代表取締役の交代を機に、泊食品からは「社長」という役職をなくそうと考えています。トヨタではないですが、『肩書』でなく『役割』で仕事をする。

小さな会社なので、社員の肩書も限られてきます。

そして、小さな小さな会社の中では、みんなが協力して、尊重することが何よりも大事です。
社長交代の打診が父からあってから、今日までに私が勧めてきたことは組織作りの在り方です。組織作りなんて言葉が全く似合わないくらいかたくない会社なのですが、仲が良いからこその見直すべき部分を探ってきました。

これでもお澄まし顔に近い方な社内のいつもの風景

そもそも社内で写真を1枚撮るだけでも大騒ぎな社内です(笑)
撮影に来てくださったカメラマンさんが「これ、いつもですか?」と不思議がられるくらい社内は賑やかなのです。

それが、われわれの会社です。

私が代表取締役になろうが、社長が会長になろうが、社長という肩書きがなくなろうが、会社の中でのみんなの役割や立ち位置は今までとほとんど変わることはありません。

見てください、この写真。
今にも笑い声が聞こえてきそうなこの写真。

会社を訪れる方々がみな元気な会社ですねと、言ってくださいます

祖父がつけた「泊食品」から、先代の父がつけた「泊綜合食品」。
そうなのです。
私たちの会社は「綜合」食品なので、漬物に限らず、どれだけ世の中が変わっても、創業から続く思いは変わらないのと同じように、生産者さんとの繋がりをたいせつにしつつ、全国各地にある色んな「おいしさ」を追求し、鳥取の食の発信者となっていきます。

そして、祖父が作った会社も、今年で50周年を迎えます。
さらなる挑戦をしていこうと思いますので、今年の企画も楽しみにして下さいね。

泊綜合食品 代表取締役 岸田いずみ

笑い声の絶えない会社を続けていきます


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