東京タワーは剛で、スカイツリーは光一。
天ぷらうどんは剛で、きつねうどんは光一。
トラックは剛で、フェラーリは弘一。
この世のものはすべて堂本剛か堂本光一に分けられる。

これは千原ジュニアとケンコバが弾丸トークを繰り広げる「ニケツ」という番組で、ジュニアが言っていた言葉である。しっくりとくるようなこないような、でもわからなくもない感に操られた私。翌日、ランチのカレー南蛮を注文しそれを目の前にしてもまだ堂本どっち説は離れなかった。

桜新町にある田中庵は、大正三年創業の老舗蕎麦屋。一度行ってみたいと私の興味を引かせたのは、このお店の名物でもある"チーズ天カレー南蛮蕎麦"。カレー南蛮にカマンベールチーズ天をぷかぷか浮かべちゃいました！というテクニックに完敗。みんな大好きカマンベールをみんな大好きカレーに浸して食べるなんて、学年のマドンナか。

割り箸を割って…いざ、食べる。

カレー南蛮は、甘くなくピリッと辛い…甘いカレーは剛だからこれは光一だと思った。次にお待ちかねの、ぷかぷか浮かぶカマンベール天を食べたらまさかの剛だった。コクがあるからだ。反対に、光一はクセがないチェダーだ。

甘口カレーは剛で辛口カレーは光一。
カマンベールは剛でチェダーは光一。

この世のものはすべて剛か光一に分けられるはずなのに、この2つが組み合わさった料理はどういうこと？！何者なんだ！？とよく考えてみると…

キンキやん。

分けるどうこうじゃなくて、2人で１つやんKinKi Kidsって。ハッとした。

剛と光一だけじゃない、世の中には分けられないものも存在する。一見相反するようなものがお互いの良さを少しずつ出しながら絡み合って、最高の状態に到達する。料理って編集みたいだ…。

田中庵 名物チーズ天カレー南蛮蕎麦、
ごちそうさまでした！