マガジンのカバー画像

たかがハーモニカ、されどハーモニカ

21
ハーモニカライフ連載コラム、『たかがハーモニカ、されどハーモニカ』 ハーモニカ専門店コアアートスクエアの店主、岡本吉生氏が発信するハーモニカ徒然草!
運営しているクリエイター

記事一覧

幸福に欠かせない第一の財宝【コラム】

われわれ老人は、自分のことをどうにかするだけで手一杯だ。自然が与えてくれた楽しみは、老い…

「赤とんぼ」の町で酒盃を交わす

「赤とんぼ」という歌がいつも心にあって、昔を思い出したりするたびに頭のなかで歌っている。…

【コラム】「六甲おろし」を演奏した日w

阪神タイガースが巨人に4対3で勝って18年ぶり6回目のセ・リーグ優勝を果たした。18年間、一…

【コラム】運慶の話、そして演奏すること

夏目漱石に「夢十夜」という夢の話を集めた異色の短篇があって、その一つに運慶が出てくる。護…

【コラム】心ふるわす本物の作品

佐伯祐三の18年ぶりの本格的な絵画展が東京ステーションギャラリーでやられているというので、…

【コラム】焼け跡に裸電球がポッと

年が明けた。わが身辺も世界も、とてもじゃないが「めでたい」などと書けない気持ちがまさって…

【コラム】古いものは、古臭いものなのだろうか

日本ハーモニカ芸術協会主催の「秋のハーモニカまつり」に行った。コロナが心配されるなか、なんとかリアルコンサートでやれた。前半は師範や準師範に合格した人たち、後半は複音ハーモニカコンクールの優勝者と3組のゲスト演奏で構成されたたっぷり4時間を超えるコンサートだった。 複音ハーモニカの日本的奏法を駆使した、その多くは佐藤秀廊編曲の独奏。さすがに日々の精進を重ねて師範、準師範にたどり着いた人たちの演奏だけに一音一音に思いの込められた丁寧な演奏が続く。20名ほどの奏者の演奏を陶然と

【コラム】8月2日はハーモニカの日

「8月2日はハーモニカの日」というプロジェクトが始動した。といっても特に大イベントを立ち…

【コラム】大切なものの順番に【ハーモニカ】

「古稀」という言葉は杜甫の詩の一節から生まれた。昔は七十年も生きる人は稀だったらしい。古…

【コラム】10穴ハーモニカ教室の出発!【ハーモニカ】

 不安は、22歳の若い深沢剛さんに講師を引き受けてはもらったものの、タウン紙に受講者募集の…

【コラム】28年前の深沢くん【ハーモニカ】

 10穴ハーモニカの深沢くんが三味線の尾上秀樹さん、ギターの朝井泰生さん、ピアノの安齋孝秋…

一樹を愛し、一刻ハーモニカを愉しむ

『たかがハーモニカ、されどハーモニカ 』 第10回 一樹を愛し、一刻ハーモニカを愉しむ いま…

盆栽も音楽も、心を見つめる鏡

『たかがハーモニカ、されどハーモニカ 』 第9回 盆栽も音楽も、心を見つめる鏡 冬を堪えた…

「足し算の時間」を生きる

『たかがハーモニカ、されどハーモニカ 』 第8回 困難な時代だからこそ 若き美学者の伊藤亜紗さんが、刊行されたばかりの『ひび割れた日常』という人類学者や作家とのリレーエッセイ集の中で、「引き算の時間」と「足し算の時間」という興味深い話を書いている。 「引き算の時間」とは、未来のある地点から逆算して現在の意味やなすべきことを決めるような時間のあり方で、社会生活を営む上では合理的な時間観念と言っていい。これに対して「足し算の時間」とはある意味では生理的で、いまという時間を積み