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のらねこ、趣味を“好きでい続ける”が難しい

趣味が長く続いたことがない人って、結構いますよね。
最初は「わぁ、これ好き」とか思って趣味を始めるんだけど、だんだん続けることが苦痛になっていっていつの間にかやめてしまう。
そのうち、“途中で飽きる” 自分が怖くて趣味を始められなくなる。

反面、どんな趣味でもずっと長く続けられ、あっちゅう間にその道のプロに近い実力を身につける人もいます。
そういう人って、どうして同じ趣味を好きでい続けられるんでしょうね?

――いつもお読みいただいている皆様、あるいは初めての方、久しぶりの方、どちら様もありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

がんばりたいけどがんばれない。何事にも熱が入らない。
なぜなら、そもそも生きることが本質的に楽しくないから。

そんなふうに考えがちな人が見つけないといけないのは、圧倒的に楽しいエキサイティングなアクティビティではありません。
“目標管理スキル” です。
目標が管理できていないから全力で楽しむこともできないのであって、目標が管理できていれば何でも楽しむことができるようになるのです。

だとすると、その目標管理スキルとやらはどうやって身につくのか?
この のらねこに何ができる? では、そのノウハウを皆様にお伝えすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ分かりやすく面白くお伝えする趣旨になっております。

現在は “のらトレーナーは新しい習慣作りができる?” シリーズをお送りしています。
僕が目標管理のプロとして提唱している目標管理法であるシルフィウスメソッドを、分かりやすく解説します。

全体の執筆計画:
1. 新しい趣味を始めために必要な3つの期
2. やる気の高さを自分で計測する
3. 目標とは何か
4. 新しい趣味には邪魔者が付き物
5. “好きな気持ち”は自然に高まるわけじゃない(今回)
6. マンネリ防止にはスキルツリーを作ろう
7. しばらくすると“飽きる”人の特徴
8. 自分でハードルを上げすぎてやめる人

過去のバックナンバー


1. 自分で自分を納得させる: セルフバインド

初めて一目見た瞬間に全てが大好きになって、それが一生涯続く――。

そんなビビビ婚みたいな恋愛観を、仕事や趣味にまで求める人がいます。
ビビビッと来ないものには食指を動かすことがなく、ビビビが来るまで永久に、「なんか楽しいことないかなぁ」って待ってるだけの受け身な人達。

で、そういう人は楽しい趣味を見つけたら見つけたで、今度は “嫌な部分をわざわざ探してきて嫌いになる” わけです。

もちろん、「嫌いだからやりたくない」という気持ちは正しい感情です。
ですがそうはいっても、そんな「働きたくないから働かない」みたいな考え方で、世の中やっていけるでしょうか。

無理ですよね。
人間はみんな “生きたいから生きてる” のであって、法律で自殺が禁止されてるから死なないだけ、なんて人は間違いなく少数派です。

普通はみんな生きたいから生きてるんです。

ですがだとすれば、そこに義務など何もなかったとしても、そのためには働かなきゃいけません。
つまり人間はやりたいことをやるためには、やりたくないことも我慢しないといけないのです。
それが生きる原則というものです。

これは、人生のもっと細かい部分にも当てはまります。
たとえ好きで始めた仕事・好きで始めた趣味であろうとも、どうしても好きになれない部分というのは必ずあります。
また、たとえどんなに強く愛する恋人でも、どうしても好きになれない部分というのはあります。

その物事のありとあらゆる面が全て無条件に好きなんてありえません。
仮にあったとしたら、それは好きなんじゃなくて “洗脳” されてるんです。

「好きなことを仕事にしてはいけない」なんて嘯(うそぶ)く人がいるのも、そういう理由ですよね。
好きなことを仕事にすると、その仕事の嫌な部分を見つけたときに全てが嫌いになるから、と言うんです。
でも世の中には完璧なものなんてないわけですから、その人の理屈いくと、人間はやりたくない嫌な仕事ほど積極的に選ぶべき、ってことになってしまいます。

でもそれは「好きな物・綺麗な物だけ見ていたい。嫌な部分・汚い部分は見たくない」という極論思考に過ぎません。
そんな考えでまともに生きていけるわけがありません。

ゆえに、“好きなことと得意なこと、どちらを仕事にすべきか” という問いの答えはとてもシンプルです。
好きなことを上達させて特技に変え、それを仕事にするのが理想です。

もちろんそれ自体は単なる理想論ですが、でも理想論だからって無意味ってことにはなりません。
むしろ理想論とは、叶わないと分かっていてあえて目指すものの総称です。

とはいえ、だからって好きでも何でもない、むしろ嫌いなことに取り組むのはただの苦行。
いつか好きになりたい物事であろうとも、現時点であまり好きでないという事実は覆せません。

だったらどうするか。
簡単です。

“好きになれる理由” を探せばいいんです。
現時点で嫌いなことをがんばる前に好きになってしまえば、嫌いなこともちゃんとがんばれるって、そういう理屈です。

それはまるで曲芸のようですが、でも誰にでもできるようになる方法がちゃんとあります。
その方法を僕は ≪セルフバインド≫ と呼んでいます。
(ビジネス本業界では他に ≪自分事化≫ ≪腹落ち感≫ ≪センスメイキング≫ とも呼びますが、全て同じです。同じ意味の言葉がいっぱいあるってことは、それだけ大事ってことです)

好きなことしかがんばれないと言うのなら、まず先に好きになってからがんばればいい。
至極シンプル。

これは、“自分の中にがんばるべき理由を作る”ことによって、自分を「ここはがんばっておくべきだ」と納得させる作業のことでもあります。

2. セルフバインドを避けるデメリット

セルフバインド。
理屈としては簡単でも、でも実際やるとなるとちょっと難しそう。

第一、「嫌いな物事を無理やり好きになるなんて、そんなの本当の “好き” じゃない」と感じる人もいるでしょう。

ですが、人間は誰でも、どんな物事に対しても、好きな面と嫌いな面を持っているはずです。
どんな人でも、好きな物事の中に一部嫌いな部分があるものであって、全てが好きなんてありえません。

  • 料理は好きだけど揚げ物は怖いので作りたくない

  • ギターは好きだけどセーハコードは嫌い

  • 英語は好きだけど聴き取り練習は嫌い

  • 生きていくのは好きだけど働くのは嫌い

そういった嫌いな部分について、「嫌いなものが嫌いなのは当たり前なので、好きになる努力なんてしません」という人は、どうなるでしょう。

言うまでもなく、周囲から『何事にも中途半端な人』と思われてしまいますよね。
そして「あいつは何でも中途半端だから」というイメージが定着してしまうとすると、今度はそれがだんだん「あいつは何もできないヤツ」に変わってくるんです。
でしょ?

つまり、セルフバインド(自分事化、腹落ち、センスメイキング)ができないってことは、つまり “何もできない” ってことなんです。

3. セルフバインドのやり方

だとすると、今現時点ですでに実際に嫌いなのに、それを好きになるなんてどうしたらいいんでしょうか。
これについては、自然にできる人もいるみたいなんですけど、普通は自然に身に着けられるスキルじゃないでしょう。
僕はできるようになるのにガチ30年かかりました。

ここでは、僕が一番説明しやすいと思う順序で説明してみます。

STEP1. 好きになりたい物事をジャンルに分解する

現時点で嫌いなもの、好きになりたいのはやまやまだけどどうしても嫌いなものを、人間は往々にして十把一絡げに『嫌いなもの箱』に放り込んでしまいがちです。

でも、「嫌いなものは嫌い」と言って見ようとしないから、いつまでたっても好きになれないのです。
ですから、まずは好きになりたいその何かを、ジャンルに分解します。

たとえば、「ドイツなんて好きでも何でもないのに行かなきゃいけなくなった! 2年くらい単身赴任!」って状況。
このときドイツを、『ドイツ』という塊で捉えていたら、好きになりようなんてありません。

じゃなくてドイツというのは、『歴史』『文化』『工業』『商業』『政治』『芸術』などのジャンルに分解できるはずです。
別にドイツに限らず、どんな国でもそうだけど。

あるいは仕事。
「他にできることがなくて営業職を選んだけど、この仕事だってどうにも好きになれそうにない」って状況。
営業職という仕事を『営業職』という塊で捉えているから何もできないわけで、なのでこれを『リード構築』『アポ取り』『開拓』『サポート』『飛び込み』『セールス』などのジャンルに分解します。

分解の仕方は何でもいいんです。当てずっぽうでも構いませんし、現時点で見える範囲でいいんです。

もしくは趣味の定番ギター。
「ギターそのものは大好きなんだけど、セーハだけはどうしても嫌。とにかくやりたくない」って人、いませんか?
僕もですよ😏

セーハ単体はギターの要素としては十分に小さく感じるかもしれませんが、これですら『コード理論』『押さえ方』『コードチェンジ』『痛みの克服法』などの小ジャンルに分解が可能です。

現時点ではまだ嫌いなそれらを、小さな部品に分解する。
これが好きになる第1ステップになります。

STEP2. 分解したジャンルをランク付けする

で、分解したら、次はそれを “好きになれそうな順” に並べ替えるんですけど、このときコツがあります。

世の中には、『リストアップしたあらゆるジャンルが圧倒的に全部嫌い』ってことだって、ありますよね。
そんなときは、好きになれそうな順じゃなくて『しいていえば、好きになれる気がする順』でいいんです。

もしくはそれすらもできそうにないくらい嫌いなものは、『しいていえば、勉強してやってもよいと思う順』で構いません。

そうやって、やる気が出そうな小さな粒を、なんとか探しだすわけです。

STEP3. 理解する

最後に、STEP2. でランク付けしたものの中から堂々1位に輝いたものを、まずは『理解』します。

無理に好きにならなくていいです。
まずは『理解』します。

どうやって理解するのか?
通常は、そういう系統の本を買って読むことになるでしょう。
中古本屋バンザイ。市営図書館ありがとう。
そんなものを新品価格で買いたくはありません。

でも『理解』の仕方はそれだけじゃありません。
Web検索したり、週刊誌を読んだり、YouTubeで動画を見たり、詳しい人に直接話を聴いたり、いろいろ方法はあると思います。

方法なんて何でもいいんです。
とにかく情報を雑多に集めることが大事。
情報を集める方法論自体を人に聞いても構いません。

たくさん情報を集めて、まずは『理解』するんです。
好きになろうと努力する必要もありません。
機械的に『理解』するだけで十分。

なんでそんなことやるのかってぇと、これは “楽しい” という感情が、『もともとは理解できなかったことが、新たに理解できるようになった』という感情だってことが分かっているからです。
つまり人間ってのは、『理解』ができれば、その理解したことそれ自体を「楽しい」と感じるのです。

「十分に『理解』したけどそれでも楽しくない」なんて人がいたら、それはただ意固地になってるだけ。
ありえません。

今まで分からなかったことを「やっと理解できた!」と感じると、自然に「楽しい」という感情が浮かんできます。
これは機械的な動作ですので意識的には止められません。

その結果、“今は別に好きじゃない” ことであったとしても、「その部分については楽しい」と感じられるわけ。
楽しいと感じられれば、「その部分については好き」と言えますよね。

まずは “好きになれそうな部分” だけでいいんです。
嫌いな部分を無理して好きになる必要なんてありません。

最初は “その部分だけは好き” で十分です。

たとえば僕は野球というものが大嫌いです。
なんなら野球好きなんてみんな、人にボールをぶつけてあざ笑うか怒鳴るだけのクズばっかりだし、まともな野球選手なんてテレビの中のフィクションだとすら思っています。
これは僕自身の実際の経験によって作られたイメージです。

でも、だとしても、『野球ルールの発達の歴史・文化との関わり』を調べることだけは好きです。
野球なんて見るのもやるのも絶対に嫌なんだけど、そういう調査だけは、たまに気が向いたらやることもあります。

好きになる第1歩としては、最初それくらいで十分です。

STEP4. 好きな部分を広げる

もちろん、僕は野球に対して第2歩目を踏み出す気はないのですが、でも仮に野球についてもう1つ何か『理解』をすれば、もう1つだけ好きになることはできると思います。

なぜなら好きな部分が1つできると、“次に好きになれそうなところ” が見えてくるからです。
もしくは1つだけ好きな部分ができたことで、STEP2. で作ったランキングに変動があるかもしれません。

もし僕が野球についてもう1つだけ何か『理解』するとしたら、スポーツ心理学の勉強とかになるかもですね。
本を買って読む、と。

で、そこが好きになったら、そしたらまた『次に好きになれそうなところ』『しいていえば勉強してもいいと思う部分』を探して『理解』するわけ。
そうすると、“好きな部分” がまた1つ増えますよね。

実際には、僕にとっての野球といった、圧倒的に嫌なものを無理にやることはないでしょう。
なので新しい趣味を増やすときは、もっと簡単なはずです。

とはいえ、ここで1つ疑問が。。。
もしそうやってがんばって『理解』していったとすると、やがて「全部好き」の境地にはたどり着けるのでしょうか?

4. 物事に“全部好き”はない

彼女から「あたしのどこが好き?」と聞かれて、「全部好き」と答える男を信用できるでしょうか?
そんな男性は口下手かペテン師か、どっちかしかありえないでしょう?

僕の場合は幸いにして口下手なだけでしたが、結婚前は嫁さんにも色んな意味であれこれと疑われたこともあったようです。
こと恋愛において口下手は罪ってことダネ。

それと一緒。
物事に “全部好き” “とにかく好き” “圧倒的に好き” なんてありません。

“凄く好き” は、数多くの “小さな好き” の積み重ねでしかないのです。
だから、好きになれない物事は、1つずつ順番に好きになっていくしかありません。
世の中には、特定の物事がとにかく大好きで愛してやまない人もいますが、彼らだって最初はその世界に “これだけは好き” から入っているのです。

そして、“好き” が十分にたくさん増えたとき、あなたは自然とその物事に全力で取り組んでいることでしょう。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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