ソフトウェアの「テスト」よりも「品質保証」をやりたかったのか?

 1日しっかりと働いて帰宅すると、家事に追われて投稿する余裕がなく、土日は子供達と遊んだり習い事に付き添ったり買い物に行ったりで投稿する余裕がなく、すっかり放置してしまいました。

 派遣会社の正社員として、ソフトウェアの第三社検証を行っている企業へ派遣されて1年6ヵ月ほど、仕事の面では充実した日々を送ることができています。ただ、やはり色々な問題点もあり、ここに目を向けると、「私がやりたかったことはソフトウェアのテストではなく、品質保証とかプロセス改善とか、そういう所だったのでは?」とも考えてしまいます。

 もう40歳を超えたおじさんですが、派遣で働いているので、派遣先の社員の方がリーダー(というか窓口?)としてステークホルダーとのやり取り等を行い、私は作業的な面を主に担当しています。1年ほどソフトウェアのテスト設計、テスト実行を担当して思ったことを箇条書きにしてみます。

  • 開発者とのコミュニケーション、ほとんどないけど大丈夫?

  • 要件定義書、曖昧な書き方とか辻褄が合わない部分とか、同じようなことが色んな所に書いてあるとか、そもそも要求に書いていないとか(会話すると出てくる)、ひどくない?

  • テスト実行フェーズでスケジュール遅延が発生したとき、やっつけになってない?(とにかくスケジュールに間に合わせるんや!とにかくテストやるんや!今日は徹夜やで!)

 元々、ローエンド向けの小さいマイコンでOSなしで動くソフトを作っていたのですが、開発規模は一人で十分足りるくらい小さく、要件定義フェーズでの疑問点や不明点も一人でお客様とやり取りして明確化したので、ソフト開発していたときには「要件定義が良くないなー」なんて思わなかったのですが、ソフトウェアのテスト設計をしていると
「要件定義が曖昧だなー、あれ?ここにも似たようなことが書いてあるけど、これは前に書いてあるこれと同じか?いや、表現が違う部分があるから違うことを言っているのか?」
なんて、要件定義書に振り回されることもしばしば。数100件と指摘しても、それが要件定義書に反映されることはなくプロジェクトが進行していきます。開発者と会話をする機会がありました。
「あの要件定義でちゃんと設計できてます?」
「いや、ちょっと曖昧な所とか書かれていない所が多くて…」
ダメやん!!

思ったこと

 そもそも設計始める時点から品質を保証するような取り組みができていない(その要件ってちゃんと把握できますか?どうやって確認することができますか?)。この状態でドンブラコッコとテスト工程に流れてきたとして、上流で作りこんだ不具合を摘出するにも限界がある。完成品に対して「ちゃんと仕様通りだよね?」を確認するために最後のテスト工程は必須ではありますが、ソフトウェアの品質に対する効果としては気休め程度でしかないのかなー、と思っています。

 最後の最後、「これでOKだったらリリースだ!」という工程で「こことここ、あとこことここも仕様通りじゃないんですけど」なんてことになったら、手戻りハンパないですよ。プロジェクトのスケジュール調整とか、リソース調整とか、色々と大変なことになります。

テストを始める前には、バグがない(少ない)状態でないと、品質的にはNG。このためには要件定義から品質保証(テスト)の視点でプロジェクトに関わり、インプット(要件定義書)の妥当性の確認と、これをインプットとした設計工程のアウトプットの妥当性の確認を行っていく必要があるのでは?

 ということを思いました。で、これを行うにはレビュー(静的テスト)とステークホルダーとのコミュニケーションをメインにやっていくことになるので、テストと言えばテストですが、世間的には「品質保証」、「QAコンサルタント」とか呼ばれている人達の仕事なのかな?だとしたら、私がやりたいのはそっちなのかな?とか、色々と思っている今日この頃です。

 先述の通り、もともとは組み込みソフトの開発を行っていて、その開発規模の小ささ故にテストまで全て開発する人間が担当する、ということになっていました(もちろん、私たちが作ったセンサーモジュールや無線通信モジュールなどを使うシステムでは、システムテストは行われていると思いますが)。テストってものすごく性格が出て、人によって視点とかやり方が全く異なって面白いんですよね。

 とても心配性で、毎日毎日夜遅くまで同じようなことを何度もテストしている開発者を目にして、「開発者の人達に、"この人がいるから安心だ"と思ってもらえるような、品質に詳しい人になれたら、もっと世の中の役に立てるかなぁ」と思ったことがきっかけで、今に至っています。

 そして、企業間の都合や私の個人的な事情で、今の仕事を続けることができなくなりそうです。ソフトウェアのテスト、品質保証を続けたいのであれば、もう会社を変えるしかないようです。色々な所で色々な思惑があって、今回は私にとって最悪の方向に倒れた形、とでもいいましょうか。40歳過ぎて「ソフトウェアのテストをやりたいんだ!品質を守りたいんだ!」と言って、雇ってくれる会社を探すことになりそうです。

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