遠未真幸 Tomi Masaki

小説家。1982年、埼玉県生まれ。ミュージシャン、プロの応援団員を経て『おかげで、死ぬ…

遠未真幸 Tomi Masaki

小説家。1982年、埼玉県生まれ。ミュージシャン、プロの応援団員を経て『おかげで、死ぬのが楽しみになった』でデビュー。2023年、同作で第2回高校生が選ぶ掛川文学賞を受賞。「AかBかではなく、AもあればBもある」がモットーのバランス派。趣味はいつもの道を散歩すること&言葉遊び。

マガジン

  • 後書き集 『おかげで、死ぬのが楽しみになった』

    デビュー作『おかげで、死ぬのが楽しみになった』の後書きをまとめました。作品の執筆過程や裏話を綴っています。定期的に記事を追加していく予定です。

  • 日記 『覚えていたいこと』

    ふとした時につづる日記です。忘れてしまうことは選べないから、せめて自分が覚えていたい瞬間を書き残すことには、きっと意味がある。

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    おかげで、死ぬのが楽しみになった

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    おかげで、死ぬのが楽しみになった

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【後書き①】おかげで、書くのが楽しみになった

※この文章は2023年5月に刊行の小説『おかげで、死ぬのが楽しみになった』のあとがきです。 10代から20代にかけて音楽活動をしていた頃、ミックスダウンという作業が好きだった。録音した楽器(声も含む)を1つの曲として形にするために、パートごとの音量や音の響き方や定位(音の左右の配置)を調整し、バランスを整える作業のことだ。 ボーカル、バックコーラス、ギター、ピアノ、シンセサイザー、ベース、ドラム。耳が1度に認識できる音の数は限られているから、どれか1つを目立たせようとする

    • 【後書き④】執筆を支えてくれた音楽~散歩編~

      散歩は偉大だ。 アイディアが出ない、気持ちが落ち込んでいる、運動不足だ、なんなら3時のおやつも買いに行きたい……これらはすべて散歩が解決してくれる。 一石二鳥ならぬ、一散歩四解決と言っていい。 『おかげで、死ぬのが楽しみになった』というタイトルも散歩中にひらめいたし、作中の迷言たちも散歩によって生み出されたものばかりだ。 自らの足で前に進むという行為が、思考や気持ちさえも前に進めてくれるなんて、ベタだなと思いつつも、結構効果がある気がしている。 だから街中で急に立ち止まり

      • なぜ、70歳が主人公の小説が高校生に響いたのか?

        『高校生が選ぶ掛川文学賞』の選考委員の皆さんからいただいた感想や受賞理由があまりにも嬉しかったので、許可をもらい一部掲載いたします!! ================================== 『おかげで、死ぬのが楽しみになった』への高校生選考委員の皆さんの感想 ・70歳のおじいちゃんたちの話なのに高校生に響く場面ばかりだった。今まで出会った本の中のおじいちゃんで最高のおじいちゃんだった。 本自体が厚くて高校生が皆手に取るとは言い難いが、もっと読んでもらいた

        • 言葉にしようとすること

          ここ1週間ほど体調を崩していて、ようやく回復しました。 遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。 世の中では大変なことが次々におこり、 そのたびにかける言葉がうまく見つけられず、そんな自分をもどかしく思います。 ただそれでも、言葉にしようとすることだけはあきらめずにいたいとも感じます。 言葉を探して相手に想いを巡らせている時間は、 祈りに似ていると思うから…… 2024年1月3日 遠未真幸

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        【後書き①】おかげで、書くのが楽しみになった

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        • 後書き集 『おかげで、死ぬのが楽しみになった』
          4本
        • 日記 『覚えていたいこと』
          11本

        記事

          高校生読書サミットin掛川に登壇します

          第二回高校生が選ぶ掛川文学賞の受賞式も兼ねた 『高校生読書サミットin掛川』が2024年1月20日(土)に開かれます!! 先着順で参加者を募集されるようなので、 ご興味ある方はぜひ申し込みをお願いします! 僕は選考委員の高校生の皆さんとの本音トークや 各世代を交えたシンポジュウムにも登壇させていただきます。 70歳のおじいちゃん達の物語が、なぜ高校生に響いたのか? 「老い」や「死」というテーマは高校生にどう映ったか? 高校生の率直な想いをお聞きしたいなと思っています。

          高校生読書サミットin掛川に登壇します

          「高校生が選ぶ掛川文学賞」を受賞しました!

          なんと!!『おかげで、死ぬのが楽しみになった』が、 第2回「高校生が選ぶ掛川文学賞」を受賞いたしました!! 70歳のおじいちゃん達が主人公の小説が、高校生の皆さんの心に響いた――。 驚くと同時に「物語は世代を超えて届く」という確かな希望を感じました。 さらに選考会議を1時間も延長し、話し合いを重ねて決めてくださったと聞き、自分の作品が選ばれたこと以上に、本が好きで読書の魅力を伝えようと奮闘する高校生達に出会えたこと、彼ら彼女らに選考を託し、信じ、支え続ける掛川の皆さんとご

          「高校生が選ぶ掛川文学賞」を受賞しました!

          長野県上田市でサイン会があります!

          2023年10月28日(土)に長野県上田市で開催される 『第18回ココロの授業講演会』にて 僕のサイン会をしていただけることになりました! 参加者として講演会を聞きにいくつもりだったのですが、 主催の上田情報ビジネス専門学校の比田井和孝先生が、 オススメ本として『おかげで、死ぬのが楽しみになった』をご紹介くださるとのことで、 当日会場にて書籍をご購入いただいた方へ 講演会終了後、ココロを込めてサインをさせていただきます! ちなみに講演会は、 WBC侍ジャパンヘッドコーチ白

          長野県上田市でサイン会があります!

          自己紹介―好きと弱点― 

          はじめまして。そして、ようこそ。 2023年5月に『おかげで、死ぬのが楽しみになった』という作品でデビューしました、小説家の遠未真幸(とおみ・まさき)です。 ここでは、自分のことを思いつくままに書いてみようと思います。 あなたとの共通点があったら嬉しいですし、もし違うところがあったなら、それもまたいいなと思っています。 遠未真幸 プロフィール小説家。1982年生まれ。埼玉県出身。失われた世代であり、はざま世代であり、プレッシャー世代でもある。 ミュージシャン、プロの応援団

          自己紹介―好きと弱点― 

          「死」は生きることへの応援……その意味とは?

          昨日に引き続き、質問家のマツダミヒロさんとの対談動画(後半)がアップされました! 『おかげで、死ぬのが楽しみになった』というタイトルに込めた思い。 「死」は生きることへの最高の応援……その意味とは? 小説のテーマに対してより深く語っています。 まだ前半を見ていない方は、こちらをどうぞ!

          「死」は生きることへの応援……その意味とは?

          「書けない」ってことを書いたら、少しずつ書けるようになった。

          質問家であり、文筆家としても著書が国内外で累計50万部を突破しているマツダミヒロさんとの対談動画(前半)がアップされました! プロの応援団での活動から、 なぜ小説家の道に進むことにしたのか? 6年半もの間、書き続けることができた理由は? ミヒロさんのしつもんのおかげで、 楽しく、ちょっぴり深く語っています。 ぜひご覧ください!

          「書けない」ってことを書いたら、少しずつ書けるようになった。

          【後書き③】執筆を支えてくれた音楽~執筆中編~

          ※この文章は2023年5月刊行の小説『おかげで、死ぬのが楽しみになった』の後書きです。 執筆する時はいつも音楽を聴いている。というか音楽は欠かせない。 そもそも僕にとって「現実世界」と「物語世界」の間には、雨上がりの通学路にできた大きな水たまりぐらいの距離があいている。 だから以前は執筆を始めようとするたびに、結構な集中力を使い、えいっと向こう側へ飛び移る必要があった。 もちろんうまくいかないこともあって、水たまりに足をつっこみ、靴下まで濡れたあげく、すごすごと引き返すこ

          【後書き③】執筆を支えてくれた音楽~執筆中編~

          出版記念トークイベントの動画公開

          6月に渋谷の大盛堂書店で行われた「おかげで、死ぬのが楽しみになった」の出版記念トークイベントの動画が公開となっております!! イベントをプロデュースしてくださった比田井和孝さん(シリーズ累計30万部の『私が一番受けたいココロの授業』の著者)と本のソムリエである団長さんにお相手していただきながら、創作の裏側や前職(『我武者羅應援團』というプロの応援団)をなぜ辞めたのか、なども本音でお話しさせていただきました。 さらに担当編集であるサンマーク出版の池田るり子さんからも、「編集

          出版記念トークイベントの動画公開

          【日記】村上春樹さんと西加奈子さんに挟まれて

          何気なくTwitterを見ていたら、思わず「はうっ!」と声が漏れた。 原因は紀伊國屋書店厚別店の方のツイートだ。 ちょっと待ってくれ!!! いや、だいぶ待ってくれ!!!!!!!!! いったん落ち着こう。 そりゃ、西加奈子さんの「くもをさがす」と、村上春樹さんの「街とその不確かな壁」がランクインしているのはわかる。当然だ。どちらも今年を代表する作品だし、普段から本を読まない人でさえ手に取りたくなる圧倒的なオーラがある。我が家の本棚でもこの2作は燦然と輝きを放っている。

          【日記】村上春樹さんと西加奈子さんに挟まれて

          【日記】 「三刷重版の重み」

          先日のこと。 担当編集の池田さんから「三刷!!!!!!」と重版決定の連絡をもらった。 当然のごとくスマホを持つ手は震え、「えっ? どういうこと? こないだ重版したばかりだよね?」とつぶやくが、僕の脳内Chat GPTはだんまりを決め込む。 池田さん曰く、新聞広告を見たシニア世代の皆さんが書店に足を運び、購入してくださっているらしい。それに加えて、最近は自著への感想をネットにつぶやいてくださる若い世代の方も増えてきた。 じわじわと、でも着実に本が届き始めていることを実感し、同時

          【日記】 「三刷重版の重み」

          なぜ小説家の道を選んだのか?

          伊丹の書店「ブックランドフレンズ」の店主である河田さんとの対談動画が公開となりました!! 小説家を志したきっかけ…… 主人公を全員70歳にした理由…… 河田さんが20年以上書店を続けてきた中でたどりついた「読書」の意味…… 小説を愛する者同士、楽しく深くお話できて、幸せな時間でした。ぜひご覧ください!! photo 遠未真幸

          なぜ小説家の道を選んだのか?

          【日記】 「難しいから選ぶ」

          午前中は曇り空。 たまに太陽が顔を出すと、世界が一気に華やいで、心が弾み出す。 こんな時、太陽のありがたみを感じる。 でもできることなら、晴天続きの4日目あたりでも太陽に感謝できる人間になりたいと思う。 当たり前にこそ愛を。 日記をつける行為はその感覚を養うための訓練でもある。 仕事場で作業した後、 尊敬するライターの知人と久しぶりにお会いした。 デビュー作の報告をして、近況を語らう。 話の中で「今まで色々な創作活動をしてきて、小説がダントツで難しいです」と弱音がこぼれた。

          【日記】 「難しいから選ぶ」