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好きな人に会いに行く 乙女のカリスマ嶽本野ばらさま


電話バトル

2月 嶽本野ばら先生の新刊「ロリータ・ファッション」の情報が解禁された

私が野ばら先生のファンになってから初めての新刊発売である

それだけでも嬉しい知らせだと言うのにその後池袋ジュンク堂でサイン会を開催するということを野ばら先生のTwitterにて知る

なんと、なんと嬉しいことでしょう
私は野ばら先生の作品に出会って救われたのです
今日まで生きてこれたのです

憧れで大好きな私にとって神様のような方に直接お会い出来るかもしれない
そう考えただけでドキドキしてふわふわします
サイン会なんて次いつ開催されるか分からない…
毎月金欠だというのに私はそのサイン会に参加するという選択肢を選びました

サイン会に参加するぞ!と決めたからと言って誰でも参加できる訳ではありません
熾烈な電話戦争を勝ち抜き参加資格を得ねばならないのです

電話予約開始当日 受付開始の時間になった瞬間電話をかけます
通話中… やはり野ばらちゃんファンは熱量がすごい
通話中…通話中…通話中
結局繋がったのは受付開始時刻より30分ほど過ぎたくらいでしたが無事サイン会の参加が決定しました


勝負服

サイン会へ行けると決まったからと言って安心してはいけません
乙女のカリスマ 嶽本野ばら先生のサイン会へ行くのですからその場にふさわしい服装をせねばなりません

やはりロリィタかVivienne Westwoodに身を包みたいと思いました

気軽に行ける範囲にロリィタブランドの店舗もVivienne Westwoodの店舗もございませんのでオンラインショップから探すことにします

私は悩みに悩み抜いて、今までずっと憧れながら手を出せていなかった「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」のお洋服を探すことにしました

いつかBABYのお洋服を着るならこんなものがいいと今まで思い描いていたイメージを呼び起こします

赤のエリザベス、水色のハートエプロン、薄ピンクのワンピース…

私はまずやるなら懐古ロリィタと決めておりましたので無地の布地にレースやフリルがたっぷりあしらわれたジャンパースカートを探しました

1週間以上のオンラインショップの画面とにらめっこしてやっと決めた1着は黒のジャンパースカートです

スカート部分には太めのトーションレースが3周縫い付けられておりその上に薔薇柄のケミカルレースが3周
胸元とウエスト部分に黒のリボンが付いたロリィタの中ではシンプルなデザインながら重厚感を感じさせる1着です

次にVivienne Westwoodのアクセサリー
手持ちはオーブデザインの華奢な指輪、
ゴールドのオーブチャームがついたチョーカー、
文字盤にオーブがプリントされたピンクの腕時計、
立体の大きなオーブがついたネックレス

その中から指輪と大きなオーブのネックレスを組み合わせることにしました

欲を言えばロッキンホースバレリーナを履きたいところでしたが私の財力では手に入りません
おまけにジャンパースカートをお迎えしたことによりHPが削られています

それでも自分なりに勝負服を決定することが出来ました


ファンレター

お洋服が決まりましたら次はファンレターをしたためます

私は今までファンレターというものを書いたことも無くサイン会というものにも参加したことがないためどんなことを書いたら良いのか想像もつきません
やっぱりファンレターなしでもよいのでは…などという考えが過りましたが野ばら先生のアベマブログからとある過去の記事を見つけます

「ファンレターに就いて」とタイトルされた記事にはこんなことが書いてありました

「こんなの送ってしまって
迷惑……とか、
思わなくて大丈夫です。」

「僕のことは
貴方のゴミ捨て場だと
思って欲しいのです。
捨てる場所のないゴミでも
捨てずにおけば
貴方自身が疲労し腐ります。
僕はゴミの処理に慣れていて
ゴミがわりと好きです。」

「貴方が僕を
呼び寄せ
必要としたのではなく
僕が貴方を呼び
必要としたから
貴方と僕との関係はあります。」

こんなにあたたかく受け止めてくれる野ばら先生にファンレターを書かないわけにはいきません
この記事を読み終わる頃にはファンレターを書きたくて堪らなくなっていました

手紙には新刊発売とサイン会開催に対するお祝いや野ばらちゃんの作品に初めて出会った時のこと、初めてBABY,THE STARS SHINE BRIGHTのお洋服を着るということ、そして1番大好きな小説「世界の終わりという名の雑貨店」に対する思いを綴りました

いつもお友達とお話する時私は嶽本野ばら先生のことを「野ばらちゃん」と呼びます
はじめましてですが野ばらちゃんと呼ぶことをお許しくださいと最初に書き、手紙の中で私は野ばらちゃん、野ばらちゃんと呼びかけます

便箋は4枚になりました
文章を書くことが苦手な私にとって手紙で4枚というのは滅多にないことです
これ以上長くなると読むのが大変だろうからと4枚に収めたのでそんな遠慮がなければ10枚近くにおよんでいたかもしれません
それほど愛が強かったことに手紙を書いて気付きました



向かう道中

当日の朝早めに起きていつもより濃いメイクを施しました
青のカラコンを入れ、赤いアイシャドウを塗り、真っ赤な口紅を引き、まつ毛にマスカラを塗りたくりました(いつもはまつ毛いじらない)

髪は縦ロールに巻き、インナーカラーを目立たせます

大きめのトートバッグにパニエとジャンパースカートを皺にならないように丁寧に畳み詰め込みます

電車に乗り込み東京へ向かいましたがゴールデンウィーク初日ということもあって通勤時間じゃないのに満員電車
私がせっせと巻いた髪の毛が揉みに揉まれぐしゃぐしゃになります
悲しくてもここで挫けてはなりません
ラブホテル巡りが趣味の私は新宿で降りホテルいいじまへ立ち寄り身支度を済ませました
(ホテルいいじまの記事は少々お待ちください)

お気に入りの大きな襟がついた白ブラウスにBABY,THE STARS SHINE BRIGHTのジャンパースカートを重ねます
小さなリボン縦に3つがあしらわれた黒のオーバーニーソックスと厚底の黒いローファーを履いて
頭にはラフォーレ原宿で買ったATELIER PIERROTのヘッドドレスを飾り
最後に黒のフリルもりもり日傘をさします
ネイルは薔薇とハートの柄

これは初めてにしては上出来なのでは
荷物が多くなりすぎると困るのでパニエは1枚になってしまいましたがそれでもふわりと広がったスカートに気分が上がりくるくると回ってみたりします

支度が整いましたので池袋へと向かいましょう

池袋に着いたのは13:30頃
集合時間は15:00なので少しお茶でもしてそれまで待つことにしました
訪問したのは「パフェテラスミルキーウェイ」
ずっと来たかった場所です

ですがこちらも大混雑
30分ほど並んで待ちやっと入店することが出来ました

注文したのは季節限定の「苺ちゃんスペシャル」と名付けられたパフェ、ブレンドアイスティー

下からスポンジ、ソフトクリーム、カスタードクリーム、ストロベリーアイス、練乳、コンフレークが重ねてあります
上にはカットされた苺や星型のクッキー、マシュマロが飾られています

こんな素敵なパフェが何種類もあるのです
全制覇したくなってしまいます

パフェを食べる間、野ばら先生のサイン会ではどんな話をしたいとかどんなロリィタさんたちが来るのかなとかどんな声かなとか考えてワクワクを大きく成長させました

ミルキーウェイをあとにし会場である池袋ジュンク堂へ向かいましょう


サイン会

道に迷いながらも池袋ジュンク堂に辿り着きサービスカウンターにて予約した「ロリータ・ファッション」を購入します

この本の装丁すごいのです!
表紙は白で遠目から見ると無地っぽいのですが近くで見るとエンボスでレースが浮き出るのです
表紙を外すと水色とピンクのタータンチェック柄です
小口にはピンクのストライプとリボンが印刷されています



なんと細かいのでしょう
こだわりが詰まった装丁に読む前から圧倒されます
そして表紙側の帯には「オメーラとは背負ったフリルの数が違うんだよ」
背表紙側には「可愛いに命捧げます」
裏表紙側には「ロリータ永遠のバイブル」
「そのお洋服に袖を通した瞬間、泣いてしまうんだ。生きている為に必要なものだから」
泣かせに来ている…

価格は3,400円と少々お高くなっていますがこのボリュームと装丁で納得です
(野ばら先生の本ならたとえ1万超えてても買っちゃうだろうけど)

店内にはロリィタさんたちがちょこちょこいらしてやっと野ばら先生に会えるのだとやっと実感が湧いてきます

9階イベントスペースに移動して開始時刻まで待つ
並べられた椅子に着いた順番に席に着く
もう既に他の参加者たちが座っていてその多くはロリィタさんだった

Innocent Worldの上品なグリーンのワンピースのクラロリ、
Malice MizerのMana様を思わせるMoi-même-Moitiéの深い青と黒のゴスロリ、
Angelic PrettyやMetamorphosetempsdefilleのオリジナルプリントの甘ロリ、
MILKのいちご柄ワンピース、
服飾学生と思わしき女の子の手づくりドレス、
ロッキンホースバレリーナを履いた方多い
みんな自分なりの可愛いを身にまとっている

でもやはりBABY,THE STARS SHINE BRIGHTの御洋服を着た女の子たちが多いように感じた
レモンイエローのジャンパースカート、同じシリーズのエリザベス色違い(赤と黒)、下妻物語のポスターで深キョンが着てたようなピンクのワンピース

それぞれの可愛いがあるかとは思うがここにいる女の子たちに共通していたのはその気品と野ばら先生の作品を愛しているという熱量である

もちろん男性の方もいらしてYohji YamamotoやVivienne Westwoodを着ていた

開始時刻になり店員さんが拍手でお迎えくださいとアナウンスする

すると会場後方から野ばら先生が手を振り、ピースをし、軽やかな足取りで可愛らしく可憐に登場したのである

Vivienne Westwoodのジャケットを羽織り、足元には黒のロッキンホースバレリーナ、指輪ももちろんVivienne Westwood
パーマした髪は伸ばしてあり、後ろでちょこんとひとつにまとめられている

本物だ!実物だ!
なんだか夢を見ているようだけれどこれはやっぱり現実なのだ

動悸が止まらなくて体温が一気に上がって胸がぎゅうっと苦しくなった

パーテーションの中に参加者が1人ずつ入り、3分程野ばら先生と2人きりで会話をしたり握手をしたり最後にはツーショットで写真を撮れちゃうのだ!

最初に入った女の子が涙ながらに思いを伝える

後に続く参加者も結構泣いてる方が多かったが待っている間、私は泣かないぞ写真撮影があるものなんて思っていた

が、自分の番が来てパーテーションの中に入る
と途端にさっきまで伝えようとぐるぐる頭の中で考えていた言葉はどこかへ吹っ飛び頭が真っ白になる

はじめましてと挨拶して「ロリータ・ファッション」と為書きが書かれた参加券を手渡す

サインペンを走らせる野ばら先生の手元に見蕩れる
丸みを帯びた可愛らしい文字
私の名前を呼んで名前を書いてくれている

サインされた本を受け取り必死に言葉を並べようとしたが上手く出てこない

「世界の終わりという名の雑貨店」が一番好きですと伝えたのだがタイトルを口にした途端涙がこぼれる

野ばら先生は静かに私の言葉を待ってくれるがそれでも上手く出てこない

その時「世界の終わりという名の雑貨店」の女の子が主人公を前にするとお喋りが出来なくなるという感情がようやく分かったのだ

そう感じたことを伝えると横に来て方を抱いてくれた 手を握ってくれた
私は体温が上がり手も汗ばんでいたがそんな恥ずかしさよりも嬉しさが買ってさらに涙を零してしまった

「写真の時は笑顔ね」と野ばら先生が言ってくれてツーショットを撮り始める

皆様基本スマートフォンで撮っていたが事前に店員さんに確認を取ってチェキで撮ってもらった
そしてなんとチェキにサインまでしていただいた

これは…夢?!
そんな素敵な時間を過ごし会場を後にする

1階で昨日発売のユリイカ5月号嶽本野ばら特集を購入し私は宝物が入った鞄を大事に抱えて駅へ歩き出した

もっと上手くおしゃべり出来たらと思ったが今回はこれでよかったのだ
野ばら先生は涙ながらに伝えた私の気持を優しく受け止めてくれたと思うから

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