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自分を知る まま・ここっと11

すぐに解雇宣告されてしまい、仕事が長続きしない女性の話です。
解雇の理由は何か。答えは、「朝、起きれないから」。常習の遅刻癖でした。
社会人として致命的な悩みを持つ彼女は、解雇されるたびに自己嫌悪に陥る日々。

そんなある日、ひょんなきっかけで病院へ行きます。
受けた診断は、脳の器官に欠損が見られることから、時間というものを認識する事が難しいという脳の病気でした。
その時は驚いたものの、その日から彼女は自分を受け入れる事ができるようになりました。

「そうか、自分が怠けてるせいじゃないんだ」

採用面接の際には、自身の特性を説明します。
「ウチの会社は始業のタイミングはあなたに任せる代わりに、決められた時間でパフォーマンスを発揮してくれれば問題ないよ」という出会いがあり、
一生懸命に、自分らしく働ける職場を手にする事ができました。

世の中には、10秒に1回、奇声をあげてしまうトゥレット症という病気があります。
街なかで、隣で急に奇声をあげる人と出会ったら、僕らは怖くて距離を取ります。
そんなトゥレット症の男性は、Uber eatsの配達員をしています。
彼は自分の病気を知っているから、ご飯を配達する際に、お届け先にメールを一通送ります。

「私はトゥレット症という病気で、ご迷惑をおかけするかもしれません。ご了承ください」とか、何とか。

そんなメールをもらったお客さんは、もれなく皆さんが彼に理解を示しそうとするし、優しく応対くださるそうです。

自分を救ってくれる「つながり」を持つことは簡単ではないかもだけど、自分を知り相手を知った先に、豊かなコミュニケーションが待っている気がします。
「誰ひとり取り残さない」社会は、そんな思いやりの先にある気がします。

まずは知ることから。あなたは、決して一人じゃない。

※親子向けSDGsコラム 2023冬号 加筆修正

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