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「フルリモート勤務ができるか、できないか」が世界を分断する

「なんだ家で仕事できるじゃ~ん」と気づいた日本人たち。
在宅勤務のすばらしさをかみしめる人もいれば、そうでない人もいますけど、わたしは在宅勤務大歓迎で、フルリモートで時間にとらわれない働き方がしたい人です。

最近の退職理由は「在宅勤務じゃなくなるから」が主流か?

今日、会社を最近辞めた人と会って話していたのですが、同時期に私と同じ理由で会社を辞める人がもう一人いるといわれました。

私が会社を辞める理由は
「会社が提示してきた週3出社義務(6月以降は週5出社)&コアタイム勤務(10時~15時)を厳守していたら、大学院で授業が取れないから」です。

もう一人辞める方もほぼ同じ理由。ご自身で取り組まれてることがあり、在宅勤務であればそれと並行してできるが、出社するのであれば、在宅勤務ができる会社に転職するとのことらしい。

そして、私が今日会った最近会社を辞めた人も「在宅勤務と聞いていたのに入社したら全然在宅勤務じゃなかった」というのが退職の理由でした。
最近会社を辞めた方は、地元(not東京)に戻っても在宅勤務の仕事なら続けられるなと思いご入社されたのですが、結局待てど暮らせど全く在宅勤務にならない&仕事量多い!ってことでご退職に。

ここにすでに3名の「在宅勤務大好き」勢がいるのです。
もちろん会社で働きたい人もいるだろうけど、私はもともと会社のイベントとかもそこまで好きじゃないし、しょうがないから参加する(評価にかかわりそうなので、、、)ってタイプでした。
なので、会社の人とワイワイってタイプではないし、会社のために残業とか絶対やだわって人なので、在宅勤務は誰にも会わず、不快感なく仕事ができており非常に気に入っていたんですよ。

大前提として、「自宅でできる仕事を自宅でやる」というのは、エッセンシャルワーカーとして絶対に実店舗や施設に出社しなくてはならない人たちの感染リスクを下げるためだと思っています。
私の妹は、全国チェーンのカフェの店長をやってます。コロナ禍でもテナントで入っている商業施設そのものがクローズしない場合は営業しました。やはり妹のように「絶対店舗にいかないとできない仕事」をしている人たちの安全を確保したいという気持ちもありました。

しかし!会社は!
「緊急事態宣言も出てないし、ほかの企業も出社してるし、うちも出社したほうがいいと思う」と言い出しました。

世間に流されないでくれますかね!

そんなん、周りがどうやってるかとか関係ないですよね。
企業がエッセンシャルワーカーの人たちの安全を考え、自社の社員を在宅勤務にすることで街中の混雑緩和することは必要な社会貢献だと思います。
自宅にいればマスクをしなくてもいいし、会話もslackやZoomを活用するので面と向かって話す機会はなく安全です。それを私たちは2年間かけて、学んだではないですか!

何故、今、出社したがるのか?!

みなさんの働いてる企業で、出社したがってる人ってどんな方々ですか?
弊社は50代以上の方が、出社したがってます。
それ以下の社員は出社したくない、在宅がいいと思ってる人が多そうな感じです。

私が上司から言われた意味の分からない出社の理由は下記です。

・世間がもう出社してるから
・私が何をやってるかわからないので、とりあえず出社して
(=監視したい。出社すればさぼれないはず、みたいな意味だった)
・そもそも在宅勤務は「持病のある人」と「介護や育児などの必要がある人」以外には許可してない。
→私は2020年の3月末に「じゃぁ、しばらく在宅勤務で~」と言われただけで、上記の説明を受けていないし、2022年3月末まではこれに当てはまらない社員もすべて在宅勤務だったのに、突然4月1日に「来週から週3で出社して~」と言われた!

まぁまとめたら、

「在宅勤務はさぼり!仕事は面と向かってコミュニケーションをとらないといけないもの!出社するのは当然!コロナ?もう収まったでしょ!」

ということを言っているわけです。

でも、思い出してください。
最初のころ、数人だった感染者が、数十、数百と増えていくだけで恐怖でしたが、今や東京の感染者数は毎日数千人規模です。

それって収まってるの?!

少なくはなってきてますし、このGWも観光などをする方も増えていますよね。個人がそのような選択をするのは、個人で判断するべきだと思いますが、会社の判断には従業員は従う義務が発生しますよね。
そうなると、ひとりひとり考え方が違う中、出社の強制というのはできないのでは?と思うんです。
上層部は「数千人なんて大したことないし、弱毒化してんでしょ?」と思っていて、若い世代は「数千人”も”感染してるのに、満員電車で出社?!」とびっくりしてるわけです。
上の世代の価値観を若い世代に押し付けないでって思うんですよね。
(もちろんそう考えない上の世代の方もいらっしゃいます!)
持病がなくても、満員電車に乗ることが不安に感じる社員はいるだろうし、会社でワクチン接種していないかもしれない社員と面と向かってコミュニケーションをとることが不安と思う人だっているかもしれない。
まだ、みんなが「安心して会社に出社できる」というレベルではないと私は思っています。
それが、やはり現在の転職のきっかけにもなりえるのだと、身近な人の話から感じました。

人のライフスタイルと何を大切にするかが変化した

もちろん、私は大学院、もう一人の辞める予定の方はなんだかの個人の活動、そしてもう一人は実家からリモートしたいと、それぞれの退職は「自分が決めたライフスタイル」の結果ではあります。

けど、いつから会社は個人のライフスタイルまで規制できるようになったんでしょうか?
「会社のルールに従う社員」しかいらないって、切り捨てていくつもりでしょうか?ちなみに私は置いておいて、私が今日会った会社を辞めた人も、もうすぐやめる予定の人も、めちゃくちゃ優秀な方でした。会社にものすごく貢献してくださった方です。
その2名の人材を、企業は「在宅勤務をみとめたくないから」という理由で切り捨ててるわけです。
それって会社にとっていいことなんでしょうか?
在宅勤務や柔軟な勤務体制を許可すればいい話です。
ちなみに弊社は従業員数10名程度なので、個々の管理ができないということはないと思いました。

人によって今最も力を入れたいことって異なるはずなんです。
例えば育児中の方はやはりお子さんを第一に考えたいですよね。
会社のことは二の次です。当たり前です。お子さんを守れるのは保護者の方しかいません。それを「会社のほうが大事だから、、、」と二の次にしていたら、大変なことが起きるかもしれません。
でも会社はいい顔しないですよね。
「○○さんの息子さん、体弱くてすぐ熱だすから、こういう仕事を任せられないね」と、本人が希望している職ではないものを無理やりやらせているケースも目にしました。キャリアって会社が勝手に操作していいんですかね?
本人の意思はどこに?と思ってしまいました。

今、本人が何に夢中なのかを会社が規制するの?

私の場合は、大学院なわけですが、それを言うと「この人は仕事にフォーカスしない人」という評価になるのはなんででしょうか?
大学院に通っているというと「それどう仕事に活かせるの?」となんでも仕事に活かせると思わないでほしい。
例えば西洋史でイギリスの庭園について学んでる人が、「イギリスの庭園について学んで、それってマーケティングにどう活かせるの?」と言われても、回答できないですよね。
世の中なんでも「大学や院で学んだことはすべて今やってる仕事に活かせる」と思ってるのがびっくりです。

週5・フルタイム・オフィス出社というスタイルは私が思うにすでに過去のものになっているんですけど、「出社してる社員=えらい」みたいのってどこから来るんですか?ああ、でも「たくさんサービス残業してる社員=えらい」って思ってるもんな、日本は。。。
そこに価値を見出そうとしている時点ですでに「古い体質」であることを自覚してほしいなと思います。
私は働き始めてからずっと「仕事に人生を支配されたくない」と思っていましたので、有給は当然の権利で100%消化しました。

けど、そういう人がいてもいいのでは?
すべての人が仕事にフルコミットするわけないんですけど?って思うんですよ。
やることはちゃんとやってますから、それでよくね?と思うんです。

優秀な人材は自由を求めて消える

こちらはFuture Forum Pulseの調査結果を、Slackアライアンス本部 シニアディレクターの水嶋ディノさんが解説したものです。この調査は、日本、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ、イタリアのナレッジワーカー1万人以上を対象として、2022年1月~2月に実施されたものだそうです。

この結果を受けて、水嶋さんは「企業が人材獲得競争に勝つ方法」を、下記のように述べていらっしゃいます。

  • 従業員を管理する目的だけでオフィス回帰を進めることを考え直し、従業員の自律化を進めつつ「選択の自由」とのバランスをとること。

  • 経営層だけでなく非経営層においても働く「時間」の柔軟性を拡大していくこと。

  • 新しい働き方の実践では失敗もありうる。最初から完璧を目指すのではなく“今より良い状況”=進歩を目指して、従業員の満足度を向上させていくこと。

本当そうだなと。
結局満足度が下がれば別の会社に転職してしまうと思うんですよね。
コロナ禍を機に、それに気づいた会社もあれば、
緊急事態宣言が終わったらもとに戻るべきと、社員の気持ちも考えずに強要する会社もあるわけです。

大学院生になって気づいた社会のいびつさ

正直、大学院生をやってみなかったらこの「週5・フルタイム・オフィスへの出社」という3点セットが社会の中の大前提になってたことに気づけていなかったようにも思います。
また、何を大切にするかという点についても「大学院優先」という点だけで、「この人は仕事に本気じゃないんだな」みたいな印象を与えることも理解できなかったと思います。

企業は社員を信じたほうがいいし、社員に寄り添うべき

社員を信じられないってやばくないですか?
在宅勤務でさぼってるだろう!って思うのは勝手だけど、結局やることやってりゃそれでよくないですか?ここは厳しい寮かなんかですか?
学生でもないのに、生活全般に文句言わんでくれ。
在宅勤務になったら、そういう可能性あるけどやることやってればOKってことでよしとすりゃいいじゃん。

あと、社員の会社以外の人生ことに対しても理解を示さないってどういうことだろうかと思うんですよ。
それは子供とか介護とかそういうこと以外の社員の興味関心についても、です。例えば、「勤務時間を変えれば働き続けることができる」とか「平日1日どうしても出れないけど、その分を土日にやりたい」とか、「時短or週4勤務にするけど、同じ成果だすから給料は同じ額で」とか、いろいろその人に合った働き方を会社が合わせていけばいいじゃないですか。
なんで、「会社のルールはこれなんで!ルールに沿ってできないなら辞めてください」っていうの?
本当に不思議です。

時間で縛って、時間縛りをクリアできれば、ちゃんとやってたっていう証拠になるの?
ならなくね?
どんなに遅刻せず会社に来てる営業の人でも、結論から言えば契約取れないやつは無能じゃん。
毎日遅刻してて、直帰です~とか言ってさぼりまくってても、月の契約件数トップなら、よくない?
だから時間って意味ないでしょ。

というわけで、
悔い改めよ、です、日本企業。変わればいい人くるって!

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