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ぶどう類との断絶とその後の話

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これをご覧いただいている皆様は
「よるのびょういん」というタイトルの
絵本を知っていらっしゃるだろうか。
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絵本といってもその本は全編モノクロ写真と
平仮名の文章で構成されており、
突然腹痛に襲われた男の子が
救急車で夜の病院に運ばれるという話。
(調べたらもう絶版らしい)

そんな絵本に、衝撃的な一節がある。
男の子が病院に運ばれ、
遅れて夜勤先から病院に到着した
男の子のお父様が言い放った一言がこちら。
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「まえからいってただろう、
ぶどうのたねをはきださないと
盲腸になるって!!!!!!」
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今この歳で初めて聞いたとしたら多分何とも思わないはず。しかし、当時未就学児だった私に絶大なトラウマを与えるには充分すぎる一撃だった。

以降わたしの頭には、「ぶどう=盲腸」という図式が深く深く刻み込まれてしまい、どんなに美味しいと言われても口に入れる事を拒絶するようになってしまった。
ある程度年月が経ち、ぶどうの種なんか飲み込んでも盲腸にならないと頭で解っても、種無しぶどうの存在を知っても、とにかくぶどうの形状をした果実全般を受け入れる事が出来なくなった。

そしてぶどう類を食べる事が出来ないまま私は大人になった。
もうずっとこのままぶどうが食べれなくても特に何も人生損しないし、別にいいや〜とすら考えていた。

そんな私に転機が訪れたのは昨年の夏。
前年の秋にAmazon primeで配信されていたバチェロレッテジャパンにまんまとハマった私は、そのままバチェラーシリーズにのめり込んだ。
その中でも好きだったのは、シーズン3に出演していた岩間恵さん。
私はそのナチュラル美人な見た目と、強気でバッサリした性格が好きで、友人とされているラジオも聴いているしSNSもよくチェックしていた。

その日も岩間さんのInstagramを見ていた。
岩間さんの実家は山梨県でぶどう農家を営んでいて、収穫シーズンのシャインマスカットを載せられていた。その写真に私はなぜか無性に惹かれた。
そのシャインマスカットは粒が大きくて実がはち切れそうなほどぱんっぱんに成っていた。

「あれ、シャインマスカット、美味しそう…」
そんな事生まれて初めて思った。
その時から私の心はシャインマスカットに支配され、次の日行ったスーパーで陳列されていた大粒のシャインマスカットを衝動買いしてしまった。

帰宅。シャインマスカットを食す。
その時はもう自分の中にあの悍ましい数式などまるで最初から存在しなかったかのように消え去っていた。
「え、なにこれ美味しいやん」
私が人生で初めてぶどう類の何かと心を通わせた瞬間であった。
瞬く間にシャインマスカットはわたしの大好きな食べ物へとホップステップ飛ばしてジャンプした。

なぜわたしはあの時のInstagramの写真のシャインマスカットにあんなに心惹かれたのだろう。
おめぐの為ならエンヤコラと、頑なに譲らなかった神戸住みという条件をどっかにやってしまい、妻を愛でるコメントを今でも毎投稿欠かさないシーズン3のバチェラー、友永真也さんと同じ現象にでも陥ったのかもしれないな。

ちなみにちゃんとしたぶどうはまだチャレンジしていないが、何となく今なら食べれる気がする。

今年のふるさと納税は山梨県のぶどうか、
シャインマスカットにしようと思った。

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