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夕焼けの見える港で

「綺麗な夕焼け…よし!」

そう言って私は スマホのカメラを起動した。

基本的に 一発撮りである。

何故なら その写真は その瞬間でなければ メモリーの中に 納められないからだ。

「オッケー!」

一人納得して 早速 贈りたい人に ネットワークを通じて 飛ばす。

同じ景色をいつか見たい。

これは その前段階だ。

来るのか どうかも 怪しいところではあるのだが。

諦めなければ 訪れると信じている。

今にも 沈みそうな夕日を眺めながら 秒針は進んでいく。

会いたい。

いつからだろう 彼女に 純粋な想いを抱き始めたのは。

なんて 一人 感傷に浸ってみたりする。

拒絶反応など微塵もないまま 私の中に巣をつくって 見下ろしている。

それだけで 心臓は躍動して 脈拍数を上げる。

この文章を 書いている途中で 返信がきた。

「綺麗だねぇ。」

心のグラスがオーバーフローしている。

今日も 良い休日だった。

後は お母さんと 料理をして 他愛のない話をして 早めに床につこう。

風邪気味のまま 彼女にお礼には 行けないから。

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