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「安全のために」挨拶しなくていい日本

マンボ!

タンザニア在住ライターのほりとも(@tmk_255)です。

タンザニアでは、いろんな国の友達と出会う機会があり、世界各国の文化の違いを日々ひしひしと感じています。特にアメリカとタンザニア、そして私の国である日本の違いを比較する機会が多いんですが、これがなかなかおもしろいし、我が「日本」のことを新しい視点で見ることができます。

今日は、日本らしさや日本の良さを改めて感じさせた最近の私のタンザニアでの体験についてご紹介します。

「安全」のためにあいさつをする

タンザニアでは、道で知らない人ともあいさつをします。

例えば、息子を幼稚園まで連れていく朝の5分の通園途中。歩いて通勤しているおばさん、子供を連れた若いお母さん、バイクに乗ったお兄さん、犬の散歩をしているおじさん、こんな人達と普通に「おはよう」とあいさつします。知り合いではありませんが。

ある時、タンザニアの友達に「タンザニアは、知らない人も道であいさつしてくれるて、みんな優しい」そんな話をした時。その友達がこう言うのです。

「そうだね。でも、あいさつは、身をも守る意味もあるの。もし道で、ひったくりにあうとか事件に巻き込まれた時に、みんなにあいさつしておけば、あなたを仲間とみなしてくれて、助けてくれる。だから、あなたも、自分の身を守るという意味でも、あいさつはできるだけしておいたほうがいいよ」

町の人はみんな声をかけてくれる

こんな風に言われました。『あいさつ=自分の安全のため』こういう発想がなかったので、ちょっと驚きつつ、なるほどね~、と思っていたら…

横でこの話を聞いていたアメリカ人の友達が「それはあり得ない!」と入ってきました。

「知らない人にあいさつなんて、そのほうが危険だわ。私は子どもには、知らない人に話しかけちゃいけないって教えてる」

彼女は、アメリカの大都会シカゴ出身なので、土地柄ということもあるのかもしれません。アメリカでも、知らない人にあいさつしてくれる人はいますもんね。

それでも、この「知らない人にあいさつするか」「しないか」の議論は、お国柄が見えておもしろいですよね。

日本だと、そもそも、「身を守るために」という視点で、あいさつをしようとは考えませんから。

同性愛者の話は最大のゴシップ

ある時、タンザニアの友達とよく行くカフェで待ち合わせして行ったら、彼女が他の友達と集まって、こそこそ話をしています。気になって、なんかあったの?と聞いたところ…。

「ほら、あなたも知り合いのあの彼女いるでしょ。あの子、ガールフレンドがいるらしくて、レズだったのよっ。二人のデート現場を目撃しちゃって、みんなでびっくりしてたのよ~!女性と女性だなんてありえない!」

同性愛はタンザニアではまだ法律的に認められておらず、社会的にもタブー。だから、ゴシップのネタにもなりやすいようです。私に教えてくれた友達も、なんだか興奮冷めやらずで「男性ならわかるけど、女性と女性って、びっくりよね!」と私に熱く訴えてきました。

町を歩く女性たち

それを聞いた私。いつもよく見かけるあの素敵な女性が、女性と付き合っているんだ、確かにちょっと意外、とは感じました。

次の日、そのことを一緒にランニングしていたアメリカ人の女友達に伝えてみたのです。

「ねえねえ、●●さん知ってるでしょ?彼女、ガールフレンドがいるんだって~。レズの方みたいだね」

「あ、そうなんだ」という彼女からの返事で会話は終了。

あまりにも反応がないので、あれれ?と思い、その日の夜に、アメリカ人の夫にも教えてみたんです。

「ねえねえ、●●さん、同性愛者なんだって~。知ってた?」
「知らなかった。そうなんだね」夫からの返事もこれだけ。会話は終了。

なんだか、「女性と女性が付き合っているらしいよ!」という秘密のはずのネタを話題にした私がばかみたい…。

「同性愛者」が特別でもなんでもない「普通のこと」であるアメリカ人、最大のゴシップネタになるタンザニア人、そのはざまで、反応に困っている日本人の私。

あなただったら、どんな反応をしますか?

オブラートに包むのは日本だけじゃなかった

タンザニアのレストランは、よく待たされます。ご飯が出てくるまでも長いけれど、お会計でも待たされます。

こんな時にスマートに「お会計、早くして~」って伝えるには、どう言えばいいんだろう?そう思って、タンザニアの友達に聞いてみました。すると、こんな返事が。

「すみません、私、急いでるんですが…」
「あの~、そろそろ行かないとなんですけど…」

タンザニアのレストランはよく待たされる

かなりオブラートです。日本みたいじゃないか。そう思っていたら、横でこれを聞いていた、アメリカ人の友達が一言。

「それじゃ伝わらないよ。『会計を早くもってこい!』じゃだめなの?」

タンザニア人の友達は苦笑しながら、「そんなにストレートには言わないかな…」と。

集団の中にいたら一人だけ目立つようなことはしない「出る杭は打たれる」的な文化のあるタンザニアでは、人との快適なコミュニケーションが大事で、苦情はしっかりとオブラートに包んで伝える傾向にあるようです。

タンザニアからは遠~い、私の国、日本を思い出させてくれました。

まとめ

海外生活の楽しさは、こういった自分の国の良さに改めて気づいたり、
自分の文化を客観的に見直せる体験かなと思います。

身を守るためにあいさつしよう。
あの女性が同性愛者とは、びっくりだよね。
オブラートに包んで伝えてね。

こんな風に言われたら、あなたはどう感じて、どんな風に反応しますか?

ぜひ、あなた自身と日本というあなたの国を客観的に見てみてください。
新しい発見があるかもしれません。

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