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子供にも大いにスマホを使わせよう『第4の波』

タンザニア在住ライターのほりともです(@tmk_255)です。

最近読んだ、おススメの本を紹介します。

『第4の波 ~ 大前流「21世紀型経済理論」』


元マッキンゼー日本支社長だった大前研一氏の書籍です。よくお名前を聞きますが、初めてこの方の書籍を読みました。日本政府への提言がたくさんあり、日本の将来を不安にさせる指摘も。

タイトルの「第4の波」とは、著者の親友でもあったアルビン・トフラー氏というアメリカの社会学者が「農業革命は第1の波、産業革命は第2の波、情報革命が第3の波」と呼んだことから、大前氏がこれから来るのは第4の波としています。

この第4の波は、AI・スマホ革命によるサイバー革命としています。そのため、これからは「構想力」という「無から有を生むことのできる人」が富を独占する時代になるとしています。

子供のスマホ問題への著者の提言は、小さい子供を持つ私にはちょっと驚きでした。子供の長時間スマホが問題視されているが、著者はスマホを取り上げることに反対。大いにスマホを使わせた方が良いと。

今の子供たちが大きくなった時にスマホがベースとなる生活は避けられないので、スマホを使って何かを創造するクリエイティブな能力を育てる方向に考えを転換しなくてはいけない。つまり「スマホばかり見てないで宿題をやれ」ではなく「宿題をするなら、スマホを使って新しいことに挑戦させよう」

他、印象に残っているところをいくつか。

・21世紀は、大企業や公務員などの「看板」ではなく、自分で仕事を作る時代=「中身」の時代になる。そういう仕事の多くは、スマホ1つで付加価値をつけることができる。

スマホ1つで世界を動かせる時代:AI・スマホ社会では、24時間世界のどこにいても誰でもサービスを利用できる。国境がないスマホ社会では、エアビーやウーバーのような企業があっという間に世界を動かす。第3の波では、時間から解放されたが、第4の波では、時間だけでなく場所からも解放される。

・イタリア人に学ぶ:イタリア人は「死ぬときに貯金ゼロだったら人生は大成功」と考え、リタイア後はバケーションざんまい。予定より長く生きた場合はどうするのかと聞かれれば、「年金で食べていく」と答える。

・どんどん無趣味になる日本のシニア:日本のシニアはどんどん無趣味になっている。著者はよく友人から「大前さん、いつも遊んでいるみたいだけど一緒に連れて行ってよ」と言われるので、オートバイのツーリングなどに連れていくと、みんな1日でくたびれてしまう。多くの日本人は遊び方を知らない。これが人生100年時代の大きな問題。

・日本政府が何をすればよいのかはこの3つ。
①(日本人の)将来不安をなくす 
②個人資産を市場に還流する 
③(日本人が)人生を楽しめるようにする

・「お金の不安」を解消する専門家を増やせ:多くの人が「いざという時き」にお金がないといけない、と考えるが、「いざという時」が定義できていない人が多い。「こういう場合には国の補助金があるので受けるとよい」などと一つずつ手とり足とり教えないといつまでも安心できない。日本が目指すべきは、老後が不安でいざというときの備えをしていた人たちが、貯金を取り崩して消費や資産運用できるようにするイメージ。

・世界は今、第4の波をいち早くとらえて、AI・スマホ社会に適応した企業や個人が優位にたっているが、日本はいまだに工業化社会を守るための規制を続けており、新しい時代の人材も育っていない。

GAFAなどには共通のメンタリティがある。それは「AからZまですべてを支配する」というもの。だからグーグルは社名を「アルファベット」にした。アマゾンのロゴの下には矢印があるが、あれはAからZまで指している、これもグーグルと同じ発想で、世界最大の小売店になること。フェイスブックは「メタ」になったが、これもメタバースからきており「メタ(超)+ユニバ―ス(宇宙)」と、地球より大きな宇宙を越えた全てを見据えている。こうやって第4の波に向けて強化しているのだ。

・自分を変える方法は3つしかない。
①時間配分を変える 
②付き合う人を変える 
③住む場所を変える

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