見出し画像

涙するということは良いことでも悪いことでもない

台湾で中文を学んでいる日々ではいろんなことがあります。先日、別のクラスの日本人の生徒が「あまりにできなくて、先生に相談しながら泣いちゃってね」と。私は自分自身涙腺が弱い方なので「えーそうなんだ。そういうこともあるよね」と言って終わったんです。そしたら、後日一緒に話を聞いていたほかの日本人生徒たちが「人前で泣くなんてありえない」「勉強ができないだけでどうして泣くのかわからない」「日本でも泣く奴は総好かん食らう」と言っていて驚きました。

泣く人は甘やかされて生きてきている?

 良く「泣く人って、泣くことを許されて生きてきた、甘やかされた人だ」という人がいますが、そんなことはなかったりします。私には4歳上の姉がいます。今でこそ身長は私の方が大きく育ちましたが、幼い時は姉はクラスで一番後ろに並ぶような成長の早い子、私はクラスで一番前に並ぶ成長の遅い子でした。その姉が喧嘩の時には全体重をかけて私を殴ってくるのです(良く吹っ飛ばされてました)そして、泣くと「泣くなっ!!!」ともうひとビンタ。でも涙が止まらないのです。止めようと自分ですればするほど、出てきてしまいます。親も「泣くな」と言ってきますし、自分でも止められないし、もうパニックです。そして、最後には過呼吸になるというのを繰り返してきました。
 心はちっとも強くならず、大きくなっても泣いてしまう私です。
 いろんな人に「どうやったら泣かなくなれるかな?」と相談してきましたが、具体的な解決策はなく(舌を噛んでこらえるが今までの一番具体的な解決策ですね。後は心を鍛えろとか具体性に欠けるアドバイスでした。)40年たった今でもよい方法は見つかっていません。涙止まるツボとかさ、涙止まる薬とかさ、無いの?

そもそも、涙腺の強い弱いってあると思う

 これは私の持論ですが、そもそも涙腺が強い人間、弱い人間がいると思うのです。私、キッチンから離れた部屋にいたときに目が痛くなってボロボロ泣いてたら、母親がキッチンで玉ねぎ切ってましたもん。母はこの時涙一つこぼしてなかった。ちなみに玉ねぎは冷蔵庫に冷やすと若干涙が収まります。(それでも泣きながらみじん切りしますが)

まぁ、心の強い弱いもありますが・・・

 そして、涙腺同様、ストレス耐性があるなしで、泣きやすい人泣かない人分かれると思います。そう書くと「泣く人は心の弱い人だ」となるかもしれません。でも、すぐ泣く人は意外と心が折れない人だと思います。よく涙を流すとストレスが癒されると科学的にも証明されているなんて言葉も聞くじゃないですか。良く愚痴を言う人もそうですが、良く泣く人も、感情や不満を小出しにできるので意外としぶとく心を保って生きていけると思います。

なぜ泣く人を許せないのか

 もう一つ触れておきたいのが、なぜ、泣いている人を許せないと思うのかです。
①慰めないといけないから面倒
②泣いてその場を自分の都合の良いように動かそうとしているから
③なぜこんなところで泣くのか理解ができないから
④みっともないから
 そんなところでしょうか?

泣いた人はほおっておけばいい

 でも泣くのが許せないと思うなら、上に書いた①から④、ぜーーーーーんぶ他人事なんでほおっておけばいいです。
 泣いている人を見ても、めんどくさけりゃ慰めなくてもいいんです。「それって人としてどうなの?」と思うなら、「そばにいた方がいい?そっとしておいた方がいい?」と聞いてそれに従えばいいのです。そばにいることになっても声もかけずそばにいるだけでいいのです。
 泣いてその場をやり過ごそうとする人の場合も、何も言わず待てばいいのです。いつか泣き止むわけなので、その時にまた「で、さぁ」と話題を戻せばいいのです。思い通りにさせなければいいのです。
 なぜ泣いているのか理解しなくていいのです。だってその人と自分は違う人だから理解できなくて当然なんです。そっとその場を離れましょう。
 みっともないのは自分じゃなくてその人だから、みっともなくても問題ありません。そっとその場を離れましょう。
 他人事なのに、なぜイライラするのでしょうか?それは自分も本当は泣きたいのに泣けないなんてこともあるのかもしれません。姉と私が大人になってから、姉が突然「しょうこは良く泣けていいね。私はちっとも泣けない」と言ってきて「ああ、姉にもそんな感情があって、泣く私につらく当たっていたのかなぁ?」なんて考えたものです。でも、泣く人は泣かない人をすごいと尊敬しているし、うらやましいと思うことすらあります。人は結局その人にしかなれないので、他者をうらやましいと思ってもそれは無駄なことなんですよね・・・

泣きたくないのに泣いてしまう人へ

 また、人前で泣きたくないのにどうしても涙が出てしまう人へ。私もそうです。できれば誰もいないところに行って泣いて戻ってこれたらいいのに、タイミング的に離席できないときもあるじゃないですか!我慢してるのに涙がこぼれてしまう・・・悲しいし、恥ずかしいし、人からみっともないと思われる・・・
 いいじゃないですか、泣いたって、だってそういう気分なんだもの。あなたにとってはそうなんだもの。他の誰がどう思おうと、あなたは今泣きたかったのです。あなただけはそれを受け入れていいのです。
 少し泣いて落ち着いたら、なんで泣きたかったんだろう?私の気持ちの何が阻害されたんだろう?どうだったらよかったんだろう?を考えてみましょう。そこには自分が大切にしたかったことが隠れていると思いますよ。
 そうやって、やっていくうちに少しずつ涙の回数が減っていくし、泣く時間も格段に短くなっていきます。

最後に。泣きたくない人も、泣く人を見るのが嫌な人も、お互いなるべく両立する多様性のある社会だといいなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?