見出し画像

バレンタインのエリ ①

エリ先輩とはワタシが新卒で勤めた会社にて出会った。

そう、、、時を戻そう。

1995〜2000頃の話だ。

当時関東圏に住んでいたワタシは都内の中小企業に新入社員で入社。同期は大卒、短大卒、高卒、総勢20名ほどだった。

その内女の子は4人。1人は短大卒の子で傘下の子会社へ。大卒同期3人娘は本社に配属になり、ワタシは経理、チャイは人事、ミクは総務とそれぞれ課が分かれた。
経理課はワタシを入れて11名。当時女性のパートさん1人しかおらず女性はワタシとパートさん2人のみ。
オジサンばかりだし、初めての大卒採用で、本当に優しく育ててもらった。結婚してやめても未だにこの会社時代は良い思い出だったりする。
オジサンばかりの経理課は全く問題なかったが、
チャイが配属された人事課に、
とんでもない魔女のような先輩がいた。
その名はスズキエリ(仮名)

当時私たちは23歳、エリは転職採用の35歳。この会社で数年過ごしている中堅どころだ。

チャイの居る人事課は課長、係長含め6人。その内女性は、同期のチャイ含め3人、、、
転職組のエリ先輩とツル子先輩、2人とも既婚・子どもなしの35歳だった。
口には出さないがライバル関係だったように思う。
男に媚びるタイプのエリ先輩とカラッと気さくなツル子先輩。
まぁ合わないのも致し方ない。真逆のタイプ。

そして、学生時代、見聞きしたことのない世界がエリ先輩の周りで展開していたのだ。
まず、エリ先輩は都内在住、ダンナさんは◯◯省の若手の国家公務員だ。毎晩残業続きで帰宅も遅く朝も早い。
エリ先輩は子どももいなかったしダンナさんも家に殆どいないのでそれはそれは自由を謳歌している状態。
バブルで入社した世代だけに奢られ慣れしていて、毎晩社内の色んなオジ様と飲みに行っていた。
まぁ、夕飯を飲み会の奢りで済ませてたとも言う。
ワタシタチが新入社員として入社した頃から、副社長のオンナらしいよ、、など、まことしやかな噂は後を絶たない状況だった。まぁそれだけ派手に遊んでいたのだ。
課も違いフロアも違ったので、エリ先輩とワタシが話すのは、、もっぱらチャイちゃんの所に用事をしに行ったり、おしゃべりしに行ったりする時のみだったが。

チャイとミクとワタシ3人娘は仲が良かったのでランチや飲みに行くたびにエリ先輩の動向をチャイが教えてくれていた。
チャイは兄弟の多い末っ子だったので人間観察力とコミュ力が高く、エリ先輩にとても気に入られていた、、が、最初から、なんか心許せないんだよねーと言っていたチャイなのだった(それは大当たりだった!!流石はチャイ!)

当時のバレンタインといえば、約30年前なので義理チョコ配布のバレンタインの悪習はまだかすかにある状況。でも、なるべくやめる方向にしない?という雰囲気でもあった。
同期三人娘も付き合っている彼にはあげるが義理で会社にばら撒くことはなかったから(んな事したらキリないし、、)
エリ先輩は社内便を使い営業所の営業さん、関係会社の社員、副社長および役員のオジサマ方色んなところに義理チョコをスナックのチーママの如く配りまくっていて、
当時流行っていたエトロのスカーフだのプラダの小物だのをお返しにもらい1人バブリーなバレンタインを謳歌していた。

そう、バレンタインのエリ見参!!

つづく。。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?