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保護者への同意?

各種のクラウドサービスを利用しようとした場合、「保護者への同意を求めなければならない」と言われますが、これはなぜなのかを少し調べてみました。

結論としては… 一部の国や地域では、未成年者がオンラインサービスを利用する際に保護者の同意が法的に求められています。このような法的な要件を満たすためにも、保護者の同意が必要となります。
具体的には、米国の COPPA、EU の GDPR に影響しているのです。

米国の場合

COPPA(Children's Online Privacy Protection Act)は、米国の 13歳未満の子供のオンラインでのプライバシーを保護するための法律です。この法律により、13歳未満の子供が個人情報を提供する前に、親の同意を得ることがウェブサイトやオンラインサービスに要求されています。

EU 域内の場合

GDPR(General Data Protection Regulation)は、EU 域内の個人データの処理と保護に関する規則です。GDPR によれば、16歳未満(一部の国では 13歳未満)の子供の個人データを処理する場合、保護者の同意が必要とされています。

日本の場合

日本の個人情報保護法では、未成年者の個人情報の取り扱いについては直接的な言及はないようですが、教育機関などでは保護者の同意を得ることが一般的な慣行となっているように見受けられます。

その結果…

前述のように多くの国や地域で、法律や規則として保護者の同意を得るように求められているため、オンラインサービスの提供者は、利用規約やプライバシーポリシーにおいて、そう求めるように規定を設けているのでしょう。

学校現場で何かしらのクラウドサービスを利用とした場合、サービスを提供者(企業)の利用規約などで定められていることもあって、保護者にその利用について同意を求めます。

保護者への同意?

保護者から同意を得るとしても、利用するクラウドサービスの名前(名称)を伝えるだけでいいのでしょうか? 保護者側にしてみれば、サービスの名前を伝えられただけでは、判断しようがない気がします。

Google Workspace や Microsoft 365 のように一般にも認知されているサービスであれば、名前からどんなサービスなのかがわかるのかもしれませんが、教育用に特化したサービスだと名前を聞いてもわからないと思います。

そんなサービスに対して保護者から同意を得るのであれば、

  • 保護者向け説明会:
    利用するサービスに関する保護者向けの説明会を開催し、その目的、利点、リスクについて詳しく説明する。

  • 資料の提供:
    利用するサービスに関する FAQ やガイドラインを作成し、保護者に配布することで、疑問に対する回答を提供する。

  • フィードバックの収集:
    保護者からのフィードバックを定期的に収集し、それをもとにサービスを利用する方法を改善します。

といった取り組みが必要なのかもしれません。
多くの場合、形式的に一枚の同意書を児童生徒経由で渡し、保護者にサイン(署名)を求めているだけなのではないでしょうか? COPPA や GDPR の目指そうとしていることも理解できるので、単なる形式的な同意を得た形にするだけでなく、保護者との適切なコミュニケーションや取り組みを通じて、保護者の理解と協力を得ることが、各種のクラウドサービスを教育現場で安全かつ効果的に利用するためのきっかけなのではないか、と思ったり…

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