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ある日から熱が下がらなくなった:成人スチル病の発症から回復まで

7月末から体調不良で休養をとってました。

発熱と全身関節痛、喉の痛みと咳の症状が1ヶ月以上続き、何度か病院で診てもらった結果、難病指定の「成人スチル病」と診断されました。

成人スチル病とは

子供に発症する「スチル病」に良く似た症状を示し、大人(通常16歳以上)に発症する疾患を「成人発症スチル病(成人発症スティル病)」と呼びます。1971年に初めてその存在が報告された比較的新しい疾患です。膠原病の中に含まれますが、リウマチ因子や 抗核抗体 など 自己抗体 は陰性で、自己 炎症性疾患 と呼ばれる病気の範疇に入る可能性もあります。特徴的な症状は、リウマチ因子陰性(血清反応陰性)の慢性関節炎(いくつもの関節が痛み、腫れて熱感を持ちます)、かゆみを伴わない移動性の淡いピンク色の皮疹(発熱とともに出現し解熱すると消失)と午前中は平熱で夕方から夜にかけて40℃に達する高熱(このような熱型を弛張熱(しちょうねつ)と言います)です。 

難病情報センターHPより引用>


突然のことで自分でもビックリしました。

成人スチル病の原因は分かっておらず、患者も人口10万人あたり4人ほどという稀な病気です。ネットで調べても治療の経過や経験談のようなものが少なかったので参考になるかわからないですがnoteに書いてみます。

今回の経験でなにより健康でいること、自分を大切に生活していこうと強く感じました。

7月末~8月初旬(発症から1週間)

ある朝起きると手首と足首が熱っぽく、動かすと痛みを感じ、だるさもあったので体温を測ってみると37℃台の微熱が。その日は普段通り仕事をしてたのですが、昼過ぎから手と足の痛みが背中と腰に広がり、夜には全身が燃えるように熱く、脈に合わせてズキズキと痛み感じるようになり耐え切れず救急を受診しました。

ご時世的に真っ先にコロナを疑われ、抗体検査を受けることに。結果は陰性でこの日はとりあえず解熱剤をもらって自宅に戻りました。

それから2、3日経っても症状が治まらず、40℃近い熱も出るようになり、たまらずまた病院へ。

発熱の症状があると普通の内科を受診できないといわれ、発熱外来にまわされました。PCR検査を受けてから診察をしてもらい、ウイルス性の感染症の可能性が高いということで細菌やウイルスを殺す抗生物質をもらって様子を見ることになりました。

PCR検査は陰性でしたが、まだコロナの可能性もあるので自宅待機を命じられ、数日また様子を見ることになりました。

コロナの感染者数も増えてきた時期だったので、まずPCR検査を受けて陰性を確認してからじゃないと通常の診察や検査を受けられなかったのはしんどかったです。(PCR検査は合計4回やりました)

8月初旬~8月末(発熱外来受診から入院まで)

それから症状は少しずつ悪くなってきました。喉の痛みと咳が出始め夜眠れなくなったり、熱も朝と夜がピークで40℃近く出るようになり、日中も37℃後半~38℃台がずっと続き常にボーっとしている状態でした。関節痛も肘と膝の痛みが酷くなり、歩くこともままならない日がありました。また、右の股関節のリンパ節がピンポン球より少し小さいくらいの大きさで腫れてきました。

薬も効いてる感じもなく、このまま家で休んでも症状が悪化する一方だったので別の病院にセカンドオピニオンとして行ってみることに。

これまでのことを説明し、先生からは抗生物質を飲んでも症状が回復しないことからウイルス性の感染症ではなく、膠原病(自分の免疫が自分の体を攻撃してしまう病気)か悪性リンパ腫の可能性があると言われました。紹介状を書いてもらい総合病院の血液内科を受診することに。ここでようやくコロナ以外の普通の診察と検査を受けられました。

膠原病は特定の検査で断定することが難しく、悪性リンパ腫の可能性を否定しないといけないため、解熱剤と痛みと炎症を抑える薬をもらいもう少しだけ経過観察することに。

リンパ節の腫れはしばらくすると小さくなったのですが、ほかの症状は良くなりませんでした。また、成人スチル病の症状であるピンク色の発疹が発熱時に両腕と太ももに出るようになりました。

リンパ節の腫れが小さくなったことで悪性リンパ腫の可能性が否定され、膠原病の中の成人スチル病と診断を受け、入院治療がスタートしました。

血液のガンである悪性リンパ腫の疑いがあると言われたときは、何で突然?という驚きと「あ、死ぬかもしれない」と死を意識しました。結果的に悪性リンパ腫じゃなくて本当に良かったです。

8月末~9月初旬(入院から退院まで)

人生初の入院でした。

治療は大量のステロイドを使って免疫を抑制して体内の炎症を抑えていき、ステロイドの量を徐々に減らしていくという進め方でした。入院中は点滴でステロイドを朝晩2回投与され、定期的に体温を測定して体調に問題がないか確認されました。

ステロイドと聞くと強力な薬というイメージがありますが、まさにその通りで治療が始まると一気に熱が下がり、関節痛も入院して2、3日で和らいできました。

入院中は毎食ほうじ茶が出たのですが、それがとても美味しくてほうじ茶が大好きになり今は家でもほぼ毎日飲むようになりました。素敵なきっかけに感謝。

血液検査をして体の炎症も良くなってきていることから12日間ほどで無事退院することに。ステロイド治療は飲み薬に切り替わりました。

現在(2021年10月時点)

だいたい1週間ずつで様子を見つつ、ステロイドの量を減らしながら飲み薬での治療を続けています。入院時からのステロイドの量を書いておきます。

8/25~8/30(入院中):ソルメドロール 80mg
8/31~9/4(入院中):プレドニゾロン 60mg
9/5~9/15:プレドニゾロン 50mg
9/16~9/21:プレドニゾロン 40mg
9/22~9/29:プレドニゾロン 30mg
9/30~現在:プレドニゾロン 20mg

ステロイドは飲み続けると副作用もあるといわれています。

自分の体で起きた副作用としては、

・体重の減少(約10キロくらい)
・肌荒れ、赤み、かゆみ(顔、背中と肩回り)
・ムーンフェイス(顔がむくみ、まん丸になる)

の3つくらいです。

比較的まだ若いこともあり糖尿病や骨粗鬆症の心配はなかったです。

先生曰く、成人スチル病の症状としては今回は軽度に該当するらしいのでスムーズに回復することができました。とはいえ、まだステロイド治療は終わったわけではなく再発する可能性もあるので、無理のない生活を送るよう心掛けています。

さいごに

こんなに長い期間体調を崩したことは今までありませんでした。

一度立ち止まってこれまでを振り返り、これからの人生、何を大事にしてどう生きていきたいか考えてみたらどう?という神様からのメッセージなのかなと思い、療養中は時間がたっぷりあったので読書や映画を見たりしながら自分の中の整理をしてました。

「人生一度きり」という言葉をよく耳にしますが、今回の経験で手触り感をもって実感しました。本当に命は尊いし大事です。

あとほぼ自己満ですが、今回のことを忘れないようにTシャツ作ってみました。

体調を崩してから体温の記録をずっと取っていたので、そのデータを使ってデザインしてみました。このTシャツを着ると、療養中の日々やそのとき考えてたことを思い出します。

チラッと見てもらえたら嬉しいです。


追記

少し古い書籍になりますが、成人スチル病になった方の闘病日記が出版されてるみたいでした。気になる方はチェックしてみてください。

追記2

2022年の2月頃に再燃気味になり、ステロイド治療再開。4カ月くらい飲み続けて収まりました。

2/18~3/4:プレドニン 30mg
3/5~3/18:プレドニン 20mg
3/19~3/25:プレドニン 15mg
3/26~4/15:プレドニゾロン10mg
4/16~5/21:プレドニゾロン5mg
5/22~6/25:プレドニゾロン2.5mg

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